CGを学ぶ人に伝えたい、たったひとつのこと―情報量を爆上げして上達を加速する方法
こんにちは、shizです。
ロンドンの Industrial Light & Magic (ILM)という会社で、ハリウッド映画の VFX・CG 制作に携わっています。
私の note や X には、CG を学び始めたばかりの方、これから就職したい方、現役でさらにスキルを磨きたい方などが多くいらっしゃいます。
今日は、そんな方々にどうしても一つだけお伝えしたいことがあります。
「えっ、とっくにやってるよ?」という方もいると思いますが、改めて自分の新人時代を振り返って心から「これマジでやってて良かったな・・・グッジョブ!若い頃の自分!」と思うことです。
それはズバリ、
英語のリソースを最大限に使うこと。
「海外志向じゃないし関係ない」
「日本で仕事するつもりだから英語は必要ない」
そう思う方にも、これは大いに関係があります。理由はとてもシンプルで、
英語の情報量は、日本語の情報量より圧倒的に多い。
特に 3DCG・VFX・コンポジットなど動画系は、差が桁違いです。
Photoshop や Illustrator など静止画中心の分野なら日本語情報でも充実しています。しかし 3DCG・VFX・コンポジットの世界は事情がまったく違います。特に VFX・コンポジットに関しては・・日本語情報は、ありますが・・本当にすずめの涙。
英語情報量の圧倒的勝利:実際に私が見てきた例
ソフトのオフィシャルドキュメントが英語のみ
「え?オフィシャルが?やばくない?」と思う方。私もそう思います!
Nuke の日本語版ヘルプは販売代理店さんが 「購入者に対して」PDF で提供していましたが、かなりのタイムラグがありました。
(私が日本を離れて時間が経っているので、現在の状況はわかりません。すみません…)
チュートリアル
たとえば、このチャンネルのようなYouTube にある高品質な Nuke チュートリアルはほぼ 100%英語話者。
継続的に深く解説している日本語チャンネルは、私の知る限り存在しません。
最新情報・コミュニティ
新人時代、私は highend3D.com や nukepedia で多くのツールや知識を得ました。
新しいテクニックやワークフローの議論は Reddit や The Foundry Community など英語圏が中心。
同等の規模の日本語コミュニティは存在しません。
これでは、成長速度に差が出ない方が不自然です。
英語でしか得られなかった、私を変えたマテリアル
私自身、英語リソースがなければ今 ILMに辿り着けていません。
ここではコンポジット/Nuke の例を紹介しますが、Houdini や Unreal など別ソフトでも、程度の差はあれ英語の情報量は圧倒的です。
The Art and Science of Digital Compositing – Ron Brinkmann

ソフトに依存しない、コンポジットの根幹が学べる一冊。
どうやってこの本に辿り着いたか覚えていませんが、多分Amazon.comで教書を探して見つけました。初版のアート感ある表紙も大好きでした。
この本と同等レベルの日本語教書は見たことがありません。
学んだことの一例:
画像処理の基礎:convolution(畳み込み)、フィルター処理、Merge オペレーションの計算
色を数値として扱う考え方
コンポジットの思考プロセス
「現実世界に真っ直ぐな線はない」
ログ空間の理解
根幹知識のほぼすべてを、辞書を引きつつ読み込みながら身につけました。
第一版(1998 年)は日本語訳がありますが、翻訳が酷いのでおすすめしません。
私は第二版(2008 年)をデジタル版で買い直し、今も持っています。
第二版:
【比較的新しいおすすめ】
第二版からも年数が経っているため、ほぼ似たコンセプトの本、2024 年版が出たこちらもおすすめです。こちらも日本語翻訳版はありますが、2012年版原書の翻訳を最後にそれ以来出ていません。2012年版、2024年版、私はどちらも読みましたが、やはり12年前の情報はもうほぼ使わないものも混じっています。
なのでこの2024年版原書をおすすめします。
Digital Compositing for Film and Video – Steve Wright
Nuke's Color Management Demystified – Steve Wright
PDF直リンク:
https://vfxio.com/PDFs/Nuke_Color_Management_Wright.pdf
元同僚(非日本人)に教えてもらった PDF 資料。
Nuke がファイルフォーマットをどう扱い、内部でどう計算しているかをまとめたものです。
初読では「??」でしたが、何度も読み返して理解できました。
この資料なしでは、Nuke の内部処理を本質的に理解できなかったと思います。
Nuke が公式でこのレベルの資料を公開していないのが不思議なほどです。
私のブログ解説
私の YouTube 解説
英語が苦手でも大丈夫
私は新卒時点で英語への抵抗がそこまでなかったので(関連記事参照)、辞書を引きながら英語資料を読んでいました。
しかし、2025 年の今は英語が得意である必要すらありません。
そう!AI があるからです。
動画、記事、PDF、本、ブログ……何でも翻訳できます。
紙の洋書でさえ、スマホのカメラをかざせば自動翻訳。
本当にいい時代になりました・・これを生かさない理由がありません。
英語リソースを避けるのは、成長スピードを自分で下げる行為
繰り返しになりますが、英語リソースを使わないのは巨大な情報の海を丸ごと無視するのと同じです。
英語に目を向けた瞬間から、得られる情報量は何倍にも膨れ上がります。
私が X で英語情報をまとめて紹介しているのも、英語リソースのメリットを届けたいからです。
[VFX解説] ILMのTodd氏による映画VFX解説の紹介・第2弾
— shiz (@shi_z67) October 11, 2025
「巨大なモノが水から出てくるシーン。物理に忠実にシュレーションしたら?」
・おもんない
・スケール感がわからない
・なぜか小さく見える
「スター・トレック イントゥ・ダークネス」… pic.twitter.com/PBFBYmzIao
英語が苦手な方も、この記事をきっかけに「少し見てみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
まずは無料でできる YouTube の英語チュートリアル検索から始めてみるのはどうでしょう?
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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