どうやって、頭の中を言語化するか
さて、
昨日は「言語化のプロセス」について、
丁寧に説明します、と予告した。
言っておいて何もやらないのは、
41歳独身の、信用問題に関わるし、
再婚できなくなる。
相変わらずどうでも良い。
したがって今日は、約束どおり、
「どうやって、頭の中を言語化するか」について、
なるべく、丁寧にお伝えしていこうと思う。
今日は真面目モードでやらせてもらいます。
まず、
今日、お伝えしたいのは、大きく2つ。
1つ目。
どうすれば、
普段は無意識の中にある自分の気持ちに、
気づけるようになるのか。
2つ目。
気づいた小さな心の動きを、
どうやって言葉に変えていくのか。
順番に、お話ししていきます。
1. どうすれば、自分の気持ちに気づけるようになるのか
結論、練習です。
才能では在りません。
どういうことか。
まず、いちばんの入口になる話をします。
言語化しようと思っても、
言葉になる前の「素材」がなければ、始まらないんです。
「今日はどんな気分ですか?」と聞かれて、
「別に……普通です」で終わってしまう、あの状態。
あれは、
言葉が出てこないのではなくて、
そもそも、
言葉になる前の素材を、拾えていない状態なんです。
言語化がうまくいかないと感じている方の多くは、
実は、この素材集めの段階で、つまずいているのだと思います。
だからまず、素材が、どこから来るのか。
そこから、丁寧に見ていきます。
素材は、どこから来るのか
さて、
私たちの心の入り口には、5つの門があります。
目、耳、鼻、舌、肌。
── いわゆる、五感です。
外の世界からの刺激は、
この5つの門から入ってくるんです。
コーヒーの香り。
誰かの話し声。
スマホの画面から流れてくる映像。
朝の空気の冷たさ。
パンの値札。
こうした情報を、
私たちは毎日、たくさん受け取っています。
これがそのまま、「出来事」です。
そして、その一部が、意識の層に上がってきます。
「あ、コーヒーいい香り」
「あ、この値段だと100円台じゃないな」
ここまでは、自分でも自覚できているんです。
昨日のパン記事も、
まさに、この意識の層で起きていたことを、
あとから拾い上げて、書いたものでした。
問題は、ここからなんです
意識の層まで、確かに上がってきているのに、
素材のほとんどは、そのままスルーされていきます。
なぜかというと、
感情の揺れは、天気のように移ろっていくからなんです。
嬉しい。
悲しい。
美味しい。
不快。
嫌だ。
心地いい。
私たちの心の中では、
実はずっと、
こういう小さな揺れが起きています。
でも、
次の瞬間には、
次の刺激が来て、
上書きされていく。
朝、駅で見た広告のコピーに、
少しだけ心が引っかかっても、
電車に乗って、
隣の人のスマホが目に入れば、
そちらに引っ張られてしまう。
そうやって、
昨日「あ、これがいい」と思った理由を、
翌朝には、もう覚えていないんです。
雨が降って、
少し湿って、
少ししたら乾いている。
天気と同じで、
気持ちの揺れも、
放っておくと、
そのまま流れていってしまうんです。
大きな痛みは、さすがに気づく
一方で、大きな出来事は、
さすがに素通りできません。
大切な人との別れ。
大事な仕事での失敗。
家族の突然の体調不良。
こういうときは、心がきゅっと縮んで、
「私はいま、確かに、ここに何かがある」と、
はっきり主張してきます。
これは、誰でも気づけるんです。
でも本当は、日常の小さな揺れの中にも、
言語化の素材は、たくさん転がっています。
「会議が終わった。疲れた。」
たとえば、これで、もう立派な素材なんです。
出来事(会議が終わった)と、気持ち(疲れた)が、
ちゃんと一つずつ、揃っている。
大きな痛みが来るのを、
待つ必要はないんです。
言語化の素材は、
今日の朝食から、もう始まっています。
気づけるようになる訓練=「離れる」こと
では、どうすれば、この小さな素材に、気づけるようになるのか。
一つ、大事な訓練があります。
それが、「離れる」ということなんです。
何から離れるかというと、外からの刺激から、です。
私たちの毎日は、外からの刺激で、隙間なく埋められています。
スマホ、SNS、ニュース、広告、誰かの声、誰かの意見。
五感は、ちゃんと働いているんです。
ただ、あまりにも刺激が多すぎて、
一つひとつを味わう余裕がない。
内側で小さな揺れが起きても、
次の外からの刺激で、すぐに上書きされてしまうんです。
だから、意識して「離れる」時間を作ることが、大事なんです。
たとえば、こんなことです。
スマホを触らない時間を、一日の中に少しだけ設ける
散歩に出たら、画面を開かず、景色のほうを見る
自然の中に、身を置いてみる
目を閉じて、呼吸に意識を向けてみる
どれか一つでも、いいと思うんです。
続けてると、面白いことが起きます。
街を歩いていて、
なぜかこの広告が目に留まる。
この看板を、二度見してしまう。
このカフェの前で、
一瞬、足が止まる。
それは全部、
あなたの内側で、何かが動いた証拠なんです。
外から入ってくる刺激を、
少しだけ止めてあげると、
その下に隠れていた自分の反応が、
ようやく見えてくる。
五感の感覚を、
研ぎ澄ますというより、取り戻す。
私はいつも、
そんな感覚で日々を過ごしています。
心が動いたら、その場で捕まえる
素材に気づけるようになったら、
次にやることは、
その場で短く捕まえておくこと、です。
大事なのは、「その場で」ということ。
あとで思い出そうと思うと、たいてい忘れます。
感情の揺れは、天気のように移ろってしまうので、
時間が経つと、輪郭がぼやけていってしまうんです。
だから、心が動いた瞬間に、
スマホのメモ帳でも、
LINEの自分だけのグループでも、なんでもいいので、
単語だけ、記録しておく。
昨日、私がコンビニで実際にメモしていたのは、こんなものでした。
「100円台がいい」
「矯正中。硬いものは面倒」
「今日はしょっぱいものが食べたい」
「品物なさすぎ」
「でも選択肢がない」
「超熟なら安心」
これで、いいんです。
「会議が終わった。疲れた。」でもいいし、
「昼、あの人の一言が引っかかった。」でもいい。
「夕方、なぜか泣きそうになった。」でもいい。
心が動いた、その瞬間の温度を、
文字で、一瞬だけ、閉じ込めておく。
そうやって拾い上げた小さなメモが、
あとで文章になる、素材そのものになるんです。
2. 気づいた心の動きを、どうやって言葉に変えていくのか
素材が拾えるようになったら、
あとは、それに言葉を当てていく作業に入ります。
素材集めは、コンビニでできる。
言葉を当てる作業は、
会社に着いてから、
あるいは家に帰ってから。
昨日、私が実際にやっていたのは、まさにこれ。
コンビニで、素材だけ拾う。
会社で、それに、言葉を当てる。
観察と、言語化は、実は別の作業なんです。
そして、その言葉の当て方には、実は、型があります。
「なぜ?」と、「~だから」。
たったこの2つを組み合わせるだけなんですが、
これが、よく効くんです。
「なぜ?」という魔法の単語
素材を捕まえたら、
次にやることは、その素材に問いかけることです。
問いかけるときの言葉は、たった一つ。
「なぜ?」
これだけです。
「なぜ、そう感じたのか?」
「なぜ、それが気になったのか?」
「なぜ、そう選んだのか?」
素材のあとに「なぜ?」をつける。
それだけで、意識は自分の内側に向きます。
私たちは学校で、5W1Hを習いました。(よね?)
When(いつ)、
Where(どこで)、
Who(誰が)、
What(何を)、
Why(なぜ)、
How(どうやって)。
その中で、Why以外の5つは、全部「外」を指す言葉なんです。
「いつ?」と聞けば、時間の話になる。
「どこ?」と聞けば、場所の話になる。
「誰?」と聞けば、他人の話になる。
「何?」と聞けば、対象の話になる。
「どうやって?」と聞けば、方法の話になる。
全部、自分の外側の話です。
でも、「なぜ?」だけは違うんです。
「なぜ?」と聞くと、意識が、自分の内側に向く。
これが、Whyだけが持っている、
他の疑問詞にはない特別な力です。
自分の内側に矢印を向けられる、
唯一の魔法の単語なんです。
だから、素材を拾ったら、
まず「なぜ?」をつける。
これが、言語化の第一歩です。
答えの型は、「~だから」
「なぜ?」と問いかけたら、答えを出します。
そのとき、大事なルールが一つあります。
答えは、必ず「~だから」で締める。
これだけです。
「~かも」で終わらせない。
「~な気がする」で終わらせない。
「~かな」で終わらせない。
必ず「~だから」で、言い切るんです。
たとえば、昨日の私のパン選び。
「100円台がいい」という素材に、「なぜ?」を刺すと、
「歯列矯正の出費で、今月は節約したいから」
「~だから」で、言い切れました。
「矯正中で、硬いものは面倒」という素材に、「なぜ?」を刺すと
「抜歯をしたところがまだ完全に塞がっていないので、歯茎が切れたら嫌だから」
これも「~だから」で、言い切れる。
やっているのは、たったこれだけです。
素材(出来事) + なぜ?(質問) + ~だから。(答える)
昨日の長い記事は、実はこの3点セットを、
コンビニのメモの数だけ、繰り返しただけだったんです。
なぜ、「~だから」で締めるのか
ここは、少し丁寧に説明させてください。
なぜ、「~かも」ではダメで、「~だから」なのか。
たとえば、こんな素材があったとします。
「上司との1on1が終わった。胸が、少し重かった。のはなぜ?」
これに「~かも」で答えると、こうなります。
「気疲れ、かも」
これで、終わってしまうんです。
語尾がぼんやりしているので、
その先に、次の「なぜ?」を刺せない。
「気疲れかも」と置いた答えは、
宙に浮いたままで、地面に着いていないんです。
だから、そこから深く潜っていけない。
でも、「~だから」で言い切ると、こうなります。
「相手の反応を、話しながらずっと気にしていたから」
言い切った瞬間に、
その答えが、地面に置かれます。
そうすると、
自分の中のもうひとりの自分が、
すかさず聞き返してくれるんです。
「じゃあ、なんでその人の反応を、そんなに気にしたの?」
「~だから」で置いた答えが、
次の「なぜ?」の足場になる。
言い切ったことが、
次の質問を受け止める、土台になるんです。
そこから、また、答える。
「機嫌を、悪くしたくなかったから」
すると、また、聞き返される。
「なんで、その人の機嫌を、そんなに気にするの?」
「昔から、人の顔色を見るクセが、あるから」
こうやって、深く、潜っていけるんです。
「~だから」は、
自分の中のもうひとりの自分に、話を渡す言葉。
そして、
次の「なぜ?」を受け止める、足場になる言葉。
これが、「~だから」で締める、
いちばんの理由なんです。
「~だから」は、たくさん出す
もう一つ、大事なコツがあります。
「~だから」は、一つで終わらせないこと。
思いつく限り、短い時間で、たくさん出すんです。
たとえば、「朝、コーヒーを飲んだ。美味しかった。のはなぜ?」という素材に、答えを並べてみます。
朝、少し寒かったから。
昨日は忙しくて、コーヒーを飲めなかったから、久しぶりだったから。
豆を変えたばかりで、少し気になっていたから。
その日は、朝のニュースが穏やかで、気持ちが落ち着いていたから。
一緒に食べたパンと、味の相性がよかったから。
一つの「なぜ?」に対して、
答えはいくつあっても、いいんです。
というより、たくさん出せば出すほど、
その出来事の輪郭が、はっきりしてきます。
「なんで美味しかったのか」の答えが一つだけだと、
それは、まだ表面的な理由かもしれない。
でも、
五つ、六つと出していくと、
その中に、
自分でもハッとする理由が、混ざっていることがあるんです。
「あ、私、この日は、久しぶりに『穏やかな朝』を過ごせていたんだ」
「あ、私、実は、豆を変えたことをずっと気にしてたんだ」
そういう、自分の内側の小さな発見が、姿を現します。
これは、
私にとっての、言語化の醍醐味です。
そして、最初は、3つくらいしか出てこないと思います。
それでいいんです。
私も、最初はそうでした。
昨日のパン記事で4つの基準が出せたのは、
何年もかけて、頭の中で繰り返してきたからなんです。
練習していくうちに、
5つ、10個と、だんだん出せるようになります。
そのうち、
パン一つで、たくさんの発見が生まれるようになります。
まとめます。
2つの章を通して、お伝えしてきたことを、まとめておきます。
言語化とは、こういう作業です。
「離れる」時間を持って、内側の小さな揺れに気づく
出来事と感じたことのセットを、その場でメモに捕まえる
その素材に「のはなぜ?」を刺して、「~だから」で答える
「~だから」を、思いつく限り、たくさん出す
出てきた答えに、また「なぜ?」を刺して、深く潜っていく
これを、
コンビニで、
通勤電車で、
会議のあとで、寝る前に、
毎日、少しずつ、繰り返していく。
たった、これだけです。
でも、たった、これだけのことが、
できるかできないかで、
半年後、まったく違う場所に立っています。
なぜかというと、
自分との対話の量が、まるで違うからなんです。
自分と対話してきた人は、
自分の中の言葉が、少しずつ増えていく。
言葉が増えると、感覚に当てられる言葉が、見つかりやすくなる。
見つかりやすくなると、もっと細かい感覚にも、気づけるようになる。
好循環が、回り始めるんです。
言語化とは、内側の会話
最後に、一つだけ。
言語化、と聞くと、
何か特別な技術のように、
聞こえるかもしれません。
でも、私が今日お伝えしてきたのは、
「なぜ?」と、「~だから」の、
たった2つの言葉を使って、
自分の中で、小さな会話を起こす、
というだけの話です。
言語化とは、才能ではないんです。
語彙の多さでも、文章のうまさでもない。
言語化とは、
自分の中で、内側の会話を起こす習慣のこと。
ただ、それだけのことなんです。
そして、この習慣は、今日から始められます。
明日の朝、コンビニでパンを選んだら、
一つだけ、自分に聞いてみてください。
「なぜ、今日はこのパンを選んだんだろう?」
そして、「~だから」で、一つ答えてみる。
たった、それだけで、
あなたも、言語化の入口に立っています。

「私」について
私が運営している、自己理解と在り方を整える伴走の場です。
「少し話してみたい」
「自分の場合は、どうしたらいいんだろう」
そんなふうに感じたら、
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質問や感想だけでも、気軽に送ってください。
一人で抱えている違和感を、
言葉にしてみることから、はじめてみませんか。
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「受け取る」ことについては、いま、あらためて内容を練り直しています。受け取り方は、人によっても、場面によっても、無限にあって、もう少し私自身、試行錯誤の途中です。整い次第、またご案内できればと思っています。
しかし、その受け取り方については、日々のnoteの記事の中で、書き続けています。心の整理のしかた、目の前の出来事の受けとめ方を、一年以上、一つひとつ、綴ってきました。
関心のある方は、過去の記事も、のぞいてみてください。
また、個別のご相談も、承っています。
人間関係のこと、仕事やキャリアのこと。
いま、迷っていることを、まず、聞かせてください。
なお、「言葉にする」ということについては、
別の記事「言語化で、人生は変わる」にも、書いています。
自分の本音を、どう言葉にしていくか。
関心のある方は、そちらも、のぞいてみてください。
<おまけ>|
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【第四弾:歌ってみた】
恋に落ちて-Fall in love- 小林明子
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