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#業務設計者論|業務でもITでもない、しくみの“スキマ”に立つ

社内で、自分の立ち位置を説明するのに困ったことはありませんか。

現場の人からは「システムに詳しい人」だと思われ、
情報システム部の人からは「現場業務に詳しい人」だと思われる。

どちらの会議に出ても、少しだけ異物感がある。
「で、あなたの本業はどっちなんですか?」
そんな無言の問いかけを感じることがある。

もしあなたがそのような孤独を感じているのなら、
それはあなたが中途半端な存在だからではありません。

組織図には載っていないけれど、
今の組織に不可欠な 「業務設計者」 という職能を担っているからです。

今日は、
システムでも現場でもない、その「スキマ」に立つ仕事について定義してみます。


「断絶」を翻訳する仕事

なぜ、今の組織には「スキマ」が生まれるのでしょうか。

それは、
デジタル(論理)の言葉と、
アナログ(現場)の言葉が、決定的に違うからです。

システムは「0か1か」で動きます。
曖昧さを許しません。

一方で、現場は
「阿吽の呼吸」
「臨機応変」
といった、曖昧な文脈の中で動いています。

この二つを直接ぶつけると、必ず衝突します。

  • 「仕様通りです(使いにくい)」

  • 「なんか違う(わかってない)」

この押し問答です。

業務設計者の役割は、
この断絶の間に立ち、言葉を翻訳することです。

  • 現場の「いい感じでやっといて」という要望を、システムの「条件分岐」に翻訳する

  • システムの「仕様上の制約」を、現場が納得できる「運用ルール」に翻訳する

私たちは、プログラムを書くわけでも、商品を売るわけでもありません。

「異なる論理をつなぐための、共通言語」を設計しているのです。

「調整」ではなく「設計」である

この仕事を、
単なる「調整役」や「板挟み」と呼ぶのはやめましょう。

それは、あまりにも受動的な響きがあるからです。

私たちはもっと能動的に、
構造そのものを設計しています。

たとえば、新しいツールを入れるとき。

「どのボタンを押すか」を決めるのは、マニュアル作成ですが、
「なぜそのボタンを押す必要があるのか」を腹落ちさせ、
業務の流れを再構築するのは、設計です。

システムという硬い箱に、人の血を通わせる。
冷たいロジックを、温かい納得感に変換する。

その変換回路を設計できるのは、
両方の言葉を知っている「スキマ」の住人だけです。

名前のない職能に、誇りを持つ

この仕事は、成果が見えにくいものです。

システムが順調に動き、
現場が静かに回っているとき、
私たちの存在は消えています。

トラブルが起きたときだけ、
その不在が嘆かれます。

けれど、誰かがその「スキマ」を埋めなければ、
組織は分断されたままです。

ITの専門家でもない。
現場の専任でもない。

その「どっちつかず」の立ち位置こそが、
組織を繋ぐ唯一の鎹(かすがい)
です。

あなたのその仕事に、
「業務設計者」という名前をつけてください。

そして、その曖昧な領域を、
意志を持って設計してください。

🍵 概念を「手触りのある実務」へ

「業務設計者」というアイデンティティを持ったあなたが、
明日から具体的に手を動かすためのヒントを2つ置いておきます。

概念を、道具と戦術に落とし込みましょう。

■ 具体的には、こういう「地味なこと」をしています

業務設計者と言っても、魔法使いではありません。

Excelとシステムをどう使い分けるか。
現場の言葉をどう「引用」して仕様に落とすか。

そんな泥臭い実務の裏側を公開しました。

📎 #業務設計者論|改善の裏にしくみを描く力

■ あなたの今の立ち位置が、実は武器になります

現場出身でITも少しわかる。
そんな「中途半端」に見える立ち位置こそが、
組織に化学反応を起こす「触媒」になります。

権限がなくても組織を動かす、その不思議な力学について書きました。

📎 #しくみのスキマ |機能にない触媒という立ち位置がしくみを変える

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