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複数のExcelシートを1つにまとめるツールを作りました。Python未経験でも使えます

1. はじめに

毎月、複数のExcelファイルを開いては、シートをコピーして1つにまとめる。
製造業の事務や業務改善の現場では、よくある作業だと思います。

ファイルが数個なら、手作業でも何とかなります。
ですが月をまたいで積み重なると、コピー漏れや貼り間違いが心配になってきます。
私も同じところで、何度も手を止めてきました。

以前、パスワード付きの在庫Excelが25ヶ月分たまっていたとき、私はAIとPythonの力を借りて、それを一気に集約しました。
そのときの話は、こちらの記事に書いています。

関連記事:パスワード付きの在庫Excelが25ヶ月分。AI×Pythonで一気に集約した話

あのときは、自分のためだけに動かす小さな仕組みでした。
今回は、あの集約の発想を、誰でも画面操作だけで使える形のツールにしてみました
名前は excel_merger(エクセル・マージャー)です。

この記事では、そのツールを配ります。
あわせて、Pythonを一度も触ったことがない方でも動かせるよう、導入手順を最初から順番に書きました。


「自分には難しそう」と感じている方こそ、読んでいただけたらうれしいです。



2. このツールでできること

excel_merger は、複数のExcelに散らばったシートを、1つのファイルにまとめるデスクトップツールです。
フォルダを指定すると、各シートを読み込み、★まとめ という1枚のシートに集約します。

主なはたらきは、次のとおりです。

  • 指定したフォルダ内のExcel(.xlsx / .xlsm / .xls)を一括で読み込む

  • 各シートを ★まとめ シートに集約する(元のシートを残すこともできる)

  • まとめたくないシート名を、除外指定できる(カンマ区切り)

  • まとめる列名を指定できる(空欄なら全列が対象)

  • 絞り込み条件の列を指定できる(その列に値がある行だけを集計)

  • 進捗のログと、処理にかかった時間を画面に表示する

たとえば「商品コード」「商品名」「金額」といった列が並ぶ表を、月別のファイルからまとめて1枚に集める、といった使い方を想定しています。
プログラミングの知識は不要で、画面の操作だけで動きます。


3. 導入手順(Pythonをまったく使ったことがない方へ)

ここがこの記事の中心です。
Pythonが入っていないパソコンを前提に、4つの手順に分けて書きます。
焦らず、上から順に進めてください。

なお、動作の前提はWindows(10 または 11)です。

手順1:Pythonをインストールする

まず、Pythonという「ツールを動かすための土台」を入れます。
下記の公式サイトから、インストーラーをダウンロードします。

  • 公式サイト

ダウンロードしたインストーラーを開くと、最初の画面の下のほうに、チェックボックスがあります。

「Add python.exe to PATH」に、必ずチェックを入れてください。

ここのチェックを忘れると、あとの手順でツールが動きません。
私自身、ここを見落として動かず、原因に気づくまで少し時間がかかりました。
チェックを入れたら、あとは画面の案内どおりにインストールを進めれば大丈夫です。

手順2:ツールをダウンロードする

次に、ツール本体をダウンロードします。
配布ページ(GitHub)を開き、緑色の「Code」ボタンを押します。
表示されたメニューから「Download ZIP」を選ぶと、一式がまとまったZIPファイルが手に入ります。

配布ページ(GitHub)はこちらです。

ダウンロードしたZIPファイルは、右クリックから「すべて展開」を選んで解凍してください。
解凍後のフォルダの中に、excel_merger.py という本体ファイルが入っています。

手順3:必要なライブラリを入れる

ツールを動かすために、いくつかの部品(ライブラリ)を追加します。
ここでは「コマンドプロンプト」という黒い画面を使います。

コマンドプロンプトの開き方は、次のとおりです。

  • キーボードの「Windowsキー」を押す

  • 続けて cmd と入力する

  • 表示された「コマンドプロンプト」を選んで開く

開いた画面に、下のコマンドをそのまま貼り付けて、Enterキーを押します。
コピペで大丈夫です。

pip install pandas xlsxwriter openpyxl python-calamine

解凍したフォルダの中で実行する場合は、次のコマンドでも同じ結果になります。

pip install -r requirements.txt

しばらく文字が流れて、止まれば完了です。

手順4:ツールを起動する

最後に、ツールを起動します。
起動の方法は、2つあります。どちらでも構いません。

  • 解凍フォルダの中の excel_merger.py を、ダブルクリックする

  • コマンドプロンプトから起動する

コマンドプロンプトから起動する場合は、先に解凍したフォルダを開き、上の「アドレスバー」に cmd と入力してEnterキーを押します。すると、そのフォルダの場所でコマンドプロンプトが開きます。あとは、次のコマンドを実行します。

python excel_merger.py

(手順3の pip install -r requirements.txt を使う場合も、同じように「解凍フォルダでコマンドプロンプトを開いてから」実行してください。)

操作画面(GUI)が表示されれば、起動成功です。
ここまで来れば、あとは画面の操作だけで使えます。

うまくいかないとき

つまずいても、あなたのせいではありません。
よくある原因は、だいたい次のどれかです。

  • 「python が見つからない」と出る → 手順1の「Add python.exe to PATH」のチェックが外れている可能性があります。Pythonを入れ直し、チェックを入れてみてください。

  • 「pip が見つからない」と出る → 同じくPATHのチェック漏れが多いです。手順1からやり直すと直ることがあります。

  • ライブラリのインストールが途中で止まる → ネットワークの状態を確認し、コマンドをもう一度実行してみてください。

一度で通らなくても、珍しいことではありません。
少し時間を置いて、落ち着いて試してみてください。


4. 使い方

起動して操作画面が出たら、あとは項目を入力していくだけです。
手順は次のとおりです。

  • 入力フォルダ:まとめたいExcelが入っているフォルダを指定する

  • 出力フォルダ:結果を保存するフォルダを指定する

  • 除外するシート名(任意・カンマ区切り):まとめたくないシートがあれば指定する

  • まとめる列名(任意):空欄なら全列が対象になる

  • 絞り込み条件列(任意):その列に値がある行だけを集計する

  • 出力ファイル名:保存するファイルの名前を決める

入力が終わったら、「▶ 集約を実行」を押します。
処理が終わると、出力フォルダに集約済みのExcelが作られ、★まとめ シートが完成します。

最初は、テスト用のフォルダで一度試してみるのがおすすめです。
動きを確かめてから、本番のファイルに使うと安心です。


5. 注意とお願い(免責・ライセンス)

大切なファイルを扱うツールなので、はじめにお願いがあります。

本ツールは無保証・自己責任でお使いください。
大切なファイルは、必ずバックアップを取ってからお使いください。

本ツールの使用によって生じたいかなる損害(データの破損や消失を含む)についても、作者は責任を負いません。
まずは控えのフォルダで試し、元のファイルはコピーを残したうえでお使いいただくと安心です。

ライセンスは MIT License です。
改変や再配布は自由です。詳しくは、配布物に同梱の LICENSE ファイルをご確認ください。


6. おわりに


このツールで伝えたかったのは、時短そのものよりも、「自分のパソコンでツールが動いた」という体験です。
画面が立ち上がって、ボタンを押したら集約が終わる。
その小さな成功が、次の一歩につながると思っています。

最初の導入で少し手間がかかるかもしれません。
それでも、一度通してしまえば、毎月の手作業がぐっと軽くなります。
うまくいかないときは、手順1から落ち着いて見直してみてください。

この発想の元になった話は、こちらの記事に書いています。
あわせて読んでいただけると、背景が伝わると思います。

この発想の元になった話:パスワード付きの在庫Excelが25ヶ月分。AI×Pythonで一気に集約した話

製造業の現場で「毎月のExcelまとめが手作業のまま」「自分には難しそうで踏み出せない」というお悩みがあれば、コメントをください。
解決に役立つ、もう少し深堀した記事をお届けします。

ほかにも、現場の困りごとから作った業務改善ツールの事例を書いています。あわせてどうぞ。
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