見出し画像

元理学療法士が介護SNSアプリを2本同時に開発している理由

理学療法士だった僕はいま、介護のSNSアプリを2本、同時に作っています。
「なぜ1本に集中しないの?」とよく言われますが、
これには理由があります。

届けたい相手が、まったく違うんです。



結論:対象が違うから、2本に分けた

結論から言うと、この2本は「姉妹アプリ」です。
同じ介護領域でも、支える相手が違うので、あえて別々のアプリにしました。

  • 介護そっとねっとは、在宅介護をしている「家族」向け。感情に寄り添うアプリです。

  • けありんぐは、介護・医療の「専門職」向け。知識を持ち寄るアプリです。

家族の悩みと、専門職の学びは、求めているものが違います。
一つのアプリに混ぜると、どちらにとっても中途半端になります。だから分けました。

それぞれの詳しい話は別の記事に書いています(介護そっとねっとの話けありんぐの話)。


なぜ2本も並走するのか?

ねらいは、在宅の介護・医療の現場を、両側から良くしたいからです。

介護の現場は、「する家族」と「支える専門職」の両方がいて成り立っています。

家族の孤立も、専門職の学びの不足も、どちらも在宅ケアの質に直結します。

片方だけを良くしても、現場全体はなかなか変わりません。
だから「感情を支える場」と「知識を回す場」を、両輪で作っています。

2本を並走していると、見えてくることがあります。
家族側で集まる悩みは、専門職側が次に学ぶべきことのヒントになります。
逆に、専門職側で循環する知恵は、巡り巡って家族の安心につながります。別々のアプリでも、見ている景色はひとつの在宅ケアの現場です。

AI駆動開発で、アプリ開発はどこまで速くなるか

正直に言うと、少人数チームで2本のアプリは、ひと昔前なら無謀でした。
それが現実的に回るのは、AI駆動開発のおかげです。

一番効いているのは、AIの「待ち時間」を相互に埋めるやり方です。
僕はClaude Codeを使って開発しています。AIに実装やリファクタを任せている間は、どうしても手が空きます。
その待ち時間に、もう一方のアプリを進める。Aの修正を待つ間にBを触り、Bが動いている間にAを見る。この交互の進め方で、待機時間がほぼゼロになりました。

速くなるのは、待ち時間だけではありません。
設計の壁打ち、実装、リファクタ、テスト、ドキュメント整備まで、AIに任せられる範囲が広い。
体感として、個人開発の出力が3〜4人分くらいに引き上がっている感覚があります。

特に効くのが、設計判断の壁打ちです。
「このテーブル設計でスケールするか」
「この通知頻度はユーザーの負担にならないか」。
こうした問いを投げると、考慮すべき観点を一気に返してくれます。最終判断は人間がしますが、判断材料を集める速さが段違いです。

この「速さ」があるからこそ、少人数チームでも2本のプロダクトを本気で前に進められています。

「届ける人の笑顔」から逆算する

技術の前に、僕がいつも考えているのは「誰の、どんな笑顔が生まれるか」です。

アプリは、機能から考えると冷たくなりがちです。
だから僕は、人間の側から設計するようにしています。

  • 介護そっとねっとは、家族の感情に着目した。弱音をそっと出せる場所にしたい。

  • けありんぐは、専門職の知識に着目した。現場の知恵が循環する場所にしたい。

僕自身は介護職ではなく、理学療法士です。
訪問リハビリの現場で7年、介護士さんやケアマネジャーさんと数多く関わってきました。

そこで感じていたのは、介護・医療が「属人的」になりがちな業界だということです。
良い知恵や技術が、その人の中だけで完結してしまう。
それはもったいないです。
それを共有することで、現場全体のベースの質を上げたい。この思いが、ずっと根っこにあります。


最新情報(2026年5月時点)

国の動きとしても、多職種で情報を共有する流れが進んでいます。

厚生労働省は、2026年4月から「介護情報基盤」を順次始めると公表しました。
医療・介護・行政の情報を電子化してつなぎ、利用者のケア情報を多職種でリアルタイムに共有できるようにする取り組みです。

「職種の壁を越えて知恵をつなぐ」という方向は、けありんぐで僕がやろうとしていることと重なります。
制度とプロダクトの両面から、在宅ケアの連携が前に進む時期だと感じています。

参考: 厚生労働省「介護情報基盤」

よくある質問

Q. なぜ介護職でもないのにアプリを作るのですか?

A. 理学療法士として7年、在宅の現場にいたからです。家族の孤立も専門職の学びの不足も、近くで見てきました。現場の手触りを技術側に持ち込めるのが、自分の強みだと考えています。

Q. 2本のアプリ開発は本当に回るのですか?

A. AI駆動開発で、待ち時間を相互に埋めることで回しています。一方の処理を待つ間にもう一方を進めるので、待機時間がほぼ出ません。

Q. 2本のアプリはどう違うのですか?

A. 介護そっとねっとは家族向けで「感情」に、けありんぐは専門職向けで「知識」に着目しています。同じ在宅ケアを、支える側と支えられる側の両面から良くするねらいです。


AI駆動開発や、AIを活かしたプロダクト開発のご相談は、株式会社ゼットリンカーまでお気軽にどうぞ。
介護・医療領域でのアプリ開発や、現場ナレッジを活かしたプロダクト設計についても伴走できます。

この記事が参考になったら「スキ」で教えてもらえると嬉しいです。
AI活用・開発の実務ノウハウを発信しています → フォローはこちら

各SNSもよろしくお願いします:



いいなと思ったら応援しよう!