よりよくなりたいという強い願いについて
本記事は2024年2月、私がちょうど最初の書籍を出版した頃にネット上の某所にひっそりと書き残していた文章を手直しして再掲したものです。
「あの人のようになりたい」という憧れの感情を持つことがある。あの人みたいに輝きたい、前向きでいたい、みんなから愛されたい、面白い人になりたい。
人にはよりよくなりたいという欲求がある。「他人と比較する習慣は自分を不幸にするのでよくない」「ありのままの自分を受け入れよう」といった指摘は間違いではない。でも、全面的に正しいわけでもない。
私たちはちゃんとしたい。もっとうまくやりたい。ダメなままでいたくない。たまに落ち込んで、すべてを投げ出したくなるような気持ちで一夜を過ごしたとしても、あるいは一年やもっと長い時間を絶望の中に沈んで過ごしたとしても、私たちはいつか再び立ち上がる。赤ちゃんのままでいたいだなんて、誰が本気で思うだろうか?
この社会で生きることは苦難の道であり、耐え忍んで努力することが美徳なのだと言う人がいる。知ったことか。人と違う誰かのことを、ああだこうだと指差す人たちがいる。本当にしょうもない。こうした外野から投げかけられるあれこれは、いずれも私たちにとって本物の動機とはなり得ない。私たちは自分がそうしたいから頑張るのであって、他人の批難や賞賛は何も関係がない。
理想像として持ち出された最初の人物は、自己のありように目を向けるためのきっかけに過ぎない。私たちは他人にはなれないし、なる必要もないのである。その人が魅力的な人物になったこと自体は素晴らしいが、おそらくその人も自分のために生きているし、私たちにはまた別の仕事、別の可能性、別の未来が与えられている。
ときおり聞かれる「自分を信じよう」「自己肯定感を持とう」といった言葉たちも、言わんとしていることは間違っていない。ただ、それも結局は他人の言葉、他人から借りてきた概念であって、どこかピントを外しているように思える。
本当のことを言えば、他人が何を言い立てたとしても、誰も私たち自身を芯から否定することはできない。ただし、同様に、肯定することもできない。根本的な意味では、あなたを肯定できるのはあなたしかいないのだから。
「よりよい自分」はその人自身の可能性の範囲内で実現される。私にとっての正しい未来は私が頑張ることでしか到達できないし、あなたの未来だってそうだ。
関連書籍
自己の絶対的な肯定という点については、この春に出した「人生の意味のつくり方」で詳しく論じています。400ページ超の書籍になりますが、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!
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