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【ワーホリ挑戦記④】“何もできない自分”が作った掲示板──未経験の初心者がAIを使って誰かのために動いた半年間

前回


「俺、今なにしてるんだろう」──仕事がもらえなかった1ヶ月

ブリスベンからバスで8時間。
オーストラリアの片田舎にあるファーム地域にやってきた僕は、宿のドミトリーに詰め込まれながら、1ヶ月間仕事をもらえずにただ待っていました。

1週間250ドル(25,000円程)の宿代。お金は減る一方。
そんな状況で焦っていた僕に、ある思いがふと浮かびました。


きっかけは、ブリスベンで出会った1人の日本人

ブリスベンで出会った日本人男性の話が、頭から離れなかった。
彼はバナナファームで働いていた時、アジア人差別、劣悪な住環境、重労働の連続に心を病み、日本に帰国したあと、精神が崩壊してしまった事をしたと打ち明けてくれました。

「何か、できなかったのか?」

そう考えた時、**“今の自分にできること”**を本気で探しました。
たどり着いたのは、「ファーム情報の掲示板を作ること」でした。


なぜ“掲示板”だったのか──問題の本質に向き合った結果

僕が見た現実のなかで、最も深刻だったのは、**「確かな情報がどこにもなかった」**ということでした。

たしかに、Facebookにはファームの求人が数多く投稿されています。
でも、その多くは悪質な業者や仲介が流している、正確性に欠けた情報
実態としては、移動させられた先で劣悪な労働環境に放り込まれ、言葉も通じず、誰にも相談できず、精神的に追い詰められていく――
そんなケースが後を絶ちません。

僕が出会った彼も、その1人でした。

本来、こういった問題は「防げたはずのこと」だったと思います。
なぜなら、日本国内には既に存在しているからです。

  • 企業の実態を共有する転職クチコミサイト

  • アルバイトの労働環境を投稿できる情報掲示板

  • 一歩を踏み出す前に、“誰かの声”を見て判断できる環境

でも、海外のワーホリの現場には、そんな仕組みがなかった。

だから僕は思いました。

「たとえ小さくても、“確かな情報”が集まる場が必要だ」
「判断に迷った時に、少しでも参考になる場所があれば、人はきっと救われる」

それが、掲示板という形であれば実現できるのではないか――
そう考えて、制作に踏み出す決意をしました。


図書館通いと、コードの世界との格闘

掲示板作成を決意してからは、毎日、田舎の小さな図書館に通い詰めました。

HTMLもCSSも知らなかった僕は、ChatGPTに何度もコードを生成してもらい、エラーが出たらまた聞き直し、少しずつ修正していきました。

一つひとつのコードの意味もわからないまま、動かして、崩れて、また戻して。
理想とする掲示板の形に少しでも近づけるよう、毎日PCとにらめっこしながら地道に作業を続けていきました。


“ゼロの僕”が作り上げた掲示板のカタチ

半年後、ようやく形になった掲示板は以下のような構成だった:

  • 英語UI+国旗表示:多国籍なワーホリ仲間が安心して使えるように

  • 匿名投稿・コメント機能:怖さを感じず、本音を共有できるように

  • 作物・州・給与別のフィルター検索:欲しい情報にすぐたどり着ける設計

  • スマホ対応の軽量UI:ファーム先でもサクッと見れるように

まさに、**“過去の自分が欲しかった掲示板”**を形にした。

作成した掲示板です

でも、届かなかった──たった1件の書き込み

完成後、Facebookのワーホリグループなどで発信を続けた。
しかし、反応は薄く、掲示板に書き込んでくれたのは、たった1人。

それでも、そのたった1人の投稿に、僕は涙が出るほど感動した。
「こんなファームがあった」「こんな経験をした」
それは僕が掲示板を作った“意味”を証明してくれるような書き込みだった。

でも、そのあとが続かなかった。


運営費が限界に──掲示板の閉鎖

サーバー代、ドメイン代。
収益はないまま、月に数千円の運営費が積み重なり、僕の懐をじわじわと削っていった。

「今はもう、維持ができない」
そう判断して、掲示板は閉鎖することにしました。


けれど、掲示板がくれた“もう一つの財産”

たしかに、広めることはできなかった。
だけど、僕は“何もできない自分”から、“掲示板を作った自分”に変わっていた。

この経験を通じて:

  • Web制作の基礎

  • AI(ChatGPT)との対話型開発の進め方

  • どう伝えれば人に届くのかという感覚

を学ぶことができた。

その知識を使って、最近では父が独立して開業した不動産会社の公式サイトと業者向けの情報共有ページを作った。
また、現在自分が開発している「詐欺チェックLINEボット」も、あの掲示板作りの経験がなければ、きっと形にならなかったし、発想すら出てこなかったと思う。


またいつか、余裕ができたら

いつかもう一度、この掲示板を復活させたいと思っている。
もっと発信力をつけて、もっと使いやすくして、もっと多くの“今つらい誰か”に届く形で。

あのとき、図書館で生まれた小さな行動は、
遠回りだけど、ちゃんと今の僕を作ってくれている。


🏍次回


掲示板の経験を活かして会社HPを作った話

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