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頑張っているのに馬が応えてくれないとき、ほとんどの人が最初に勘違いしていること

① はじめに

馬が言うことを聞かないとき、
「私が下手だからかな」と
自分を責めてしまう人はとても多いです。

でも実は、
その考え方そのものが、
馬との関係を少しずつ
苦しくしていることがあります。

多くの場合、
うまくいかない理由は、
技術や根性ではないことがほとんどです。
そう聞いたら、どう感じますか?

馬は、人の感情や迷いを
とても正直に映す動物です。

だからこそ、
伝わらないと感じるときほど、
馬の行動だけを直そうとすると、
かえって遠回りになってしまうことがあります。

私は、40年、馬と関わってきました。

馬の行動を、
「感情」と「脳のしくみ」
という視点から見ていくと、
それまで分からなかった
「なぜそうなったのか」が、
静かにほどけていきますよ。

ここでは、
答えを教えたり、
正解を押しつけたりはしません。

ただ、
見方を少しだけ変える視点を、
そっと置いています。

もし今、
馬との関係に小さな違和感があるなら。
その感覚は、
きっと間違っていません。




② 馬の現場で起きた、ひとつの場面


私が強く実感した出来事があります。

14歳の自馬、牝馬の子の話をさせてください。

その子は、もともと不安が出やすいタイプで、
私が少しでも迷ったり、怖さを感じていると、
馬の方も落ち着かなくなってしまうことがありました。

「私の気持ち」が、
そのまま馬に伝わっているように感じる場面が、
何度もありました。

この子はヨーロッパ馬で、とてもパワーがあります。
私はそのパワーをうまくコントロールできず、
焦っていましたし、
正直に言って、怖いと感じることも多くありました。

そんな中、
去年の秋、試合に出る機会がありました。

移籍してお願いした今の先生のサポートのおかげで、
馬の状態は格段によくなり、
それと同時に、
私自身の安心感も大きく変わりました。

再トレーニングで
見違えるほど穏やかになり、

先生に言われた言葉があります。

「昔の感覚は捨てて、
新しい馬を買ったつもりで乗りましょう。
もう、昔の馬は忘れて!」

最初は意味が分かりませんでした。
だって目の前にいるのは、
ずっと乗ってきた同じ馬です。

でも今思うと、
変われなかったのは馬ではありませんでした。

私だったのです。

私はずっと、
もう存在しない昔の馬に乗っていました。

何度かその気持ちで練習し、
私の中の迷いや緊張が、
少しずつ回を重ねるほど
ほどけていきました。

すると不思議なことに、
それに合わせるように、
馬もどんどん落ち着いていきました。

以前は、
こちらの気持ちが揺れると、
すぐに反応が乱れていたのに…。

今では、試合で一緒に走行していても、
「あれ?話し合えているかも」と感じられるほど、
お互いに落ち着いてやり取りができる場面が
増えてきました。

これ、馬を変えようとしたわけではありません。

変わったのは、
私の中の状態でした。




③馬はとても敏感な動物です。


音や動きだけでなく、
人の体の緊張や呼吸の変化、
ほんのわずかな違和感にも反応します。

これは、
馬が「怖がりだから」ではありません。

もともと馬は、
仲間や周囲の変化から危険をいち早く察知して
生きてきた動物だからです。

人が少し迷ったり、
無意識に体が固くなったりすると、
その小さな変化は、
馬にとっては「環境の変化」
として伝わります。

そして馬の脳は、
こうした変化をとても早く記憶します。

「この人が少し緊張した時、
まわりの状況は不安定になるかもしれない」

そんなふうに、
体の感覚で学んでいくのです。

だから、
人が落ち着くと、
馬も落ち着いていきます。

人が安心して呼吸できていると、
馬の脳も、
「今は大丈夫な状況だ」と受け取りやすくなります。

これは、技術の問題ではありません。

まず伝わっているのは、
合図よりも先に、
人の状態なのです。




④ 人の毎日でも、同じことが起きています


この話は、
馬に乗る人だけの話ではありません。

たとえば、

人に頼まれたら断れない。

そのとき私たちは「言い方が悪かったのかな」
「もっとうまく断ればよかった」と、
やり方を反省しようとします。

でも馬との時間が教えてくれたのは、
言葉より先に、自分の中の迷いが相手に
伝わっているということでした。

「言い方が悪かったのかな」
「もっと頑張らないといけないのかな」

と、やり方ばかりを見直そうとします。

でも本当は、
言葉や行動よりも先に、

自分の中の緊張や迷い、不安が、
その場の空気をつくっていることが
とても多いのです。

馬が人の小さな変化を感じ取るように、
人もまた、
言葉より先に相手の状態を感じ取っています。

自分では気づかないくらいの呼吸の浅さや、
心の焦りや構え。

それが、
相手との距離や反応に、
静かに影響している。

だから、
うまくいかないときほど、
直すべきなのは「やり方」ではなく、

まず、
自分の状態をひとつ整えることなのかもしれません。

馬と向き合ってきた時間は、
私にそのことを、
何度も教えてくれました。




⑤ 最後に


馬といると、
「うまくやろう」とするほど、
かえって伝わらなくなる瞬間があります。

そして逆に、
自分の気持ちが少し落ち着いたとき、
不思議なほど、
馬とのやり取りが
静かに整っていくことがあります。

この無料noteでは、
馬の話を通して、

人が無意識にしていること。
そして自分の状態が、
どれほど周りに伝わっているのか、
その一部をお伝えしました。

これは
「こうすれば正解です」と
答えを教えるためのnoteではありません。

ただ、
見方を少しだけ変えるためのnoteとして
書きました。

もし、
今のあなたの毎日に
小さな違和感があるなら。

その感覚は、
きっと次に進むための
大切なサインです。

この視点は、
これからも少しずつ
まとめていく予定です。

ここまで読んでくださって、
ありがとうございました💗

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