見出し画像

【回想録】満身創痍の体で見つけた景色。真夏の「ヘッドショット」と声で繋ぐサバゲーの面白さ

​​『行き当たりばったりの代償と、譲れない日』

土曜日にサバゲーへ行くことが決まったのは、同じ週の月曜日という急な話だった。そこしか予定が合わせられなかったとはいえ、行き当たりばったりのツケは確実に体へ回ってくる。

​3日前のサバゲーではしゃぎすぎた結果、己の運動不足と筋肉痛の回復速度を完全に見誤った私は、少しの段差の昇り降りすら億劫になるほどの激痛に見舞われていた。走ることなど到底不可能だ。風呂に浸かり、プロテインを流し込み、景気づけに「ラーメン豚山」で小ラーメン全マシを胃袋に収めるなど、自分なりにリカバリーに努めたものの、大腿四頭筋はキリキリと痛む。万全の状態でフィールドを駆け回るだけがサバゲーではないと頭では分かっていても、満身創痍の現実は厳しい。

​しかし、今日は休むわけにはいかなかった。まったくの未経験者である後輩I氏をアテンドする重要な日なのだ。10年来の付き合いで、家族ぐるみで遊んだり、家でゲームをしたりする気心の知れた仲。せっかくなら、時々でいいからこの世界を一緒に楽しめるようになってほしい。

​『動けないなりの意地。真夏の装備とセーフティでの出会い』

​舞台は千葉県印西市の広大なフィールド「ヘッドショット」。建屋が密集する市街地エリアをブッシュが取り囲む、本来なら機動力がモノを言う環境だ。だが、私の足は使い物にならない。動けないなら動けないなりに、この制約だらけの真夏の1日をどう楽しみ尽くすか。腹を括るしかなかった。

​前線を走れない分、せめて待機中や索敵中は極限まで快適に過ごしてやろうと、この日は装備の構築にこだわった。長袖のコンプレッションインナーに半袖Tシャツを重ねるレイヤリングは、直射日光や虫刺されを防ぎつつ、暑さも想定内に収めてくれた。

​ただ、下半身を涼しいハーフパンツにしたのは良かったがベルトループが無いがために、腰回りの装備の固定が甘くなるという誤算もあった。特に、手に馴染むようパックマイヤーのラバーグリップに換装したお気に入りのハンドガンM45A1が、動く度に腰で暴れる。真夏を快適に、かつ機能的に戦い抜くための最適解は、まだまだ試行錯誤が要る。

​​​セーフティエリアで休憩していると、隣のテーブルにいたベテランプレイヤーの姿にふと目が留まった。初心者らしきグループのメンバーを和やかに仕切る頼もしい姿と、何よりその洗練された装備のカッコ良さに惹きつけられ、思わず私の方から声を掛けていたのだ。

彼との装備談義は大いに盛り上がり、​「性能とロマンを両立させる」というベテランならではの哲学には深く共感させられた。​休憩時間すらも、こうしてサバゲーマー同士でアツく語り合い楽しめるのは最高の体験だ。
(「装備談義」の詳細はややマニアックになってしまったため、記事末尾の『付録』に記載した)

​『走れないからこそ見えた景色。「声出し」の面白さ』

​ゲームが始まり、棒人間のような歩き方しかできない私は、早々に最前線を諦めた。

​まずは後輩I氏のナビゲートに徹する。かつて私が師匠Y氏から教わったように、「走るよりも、早歩きの方が敵から視認されにくい」といった基礎を伝えた。今の私には嫌でも早歩きしかできないのだが、それがかえって初心者の歩幅とシンクロした。
(師匠Y氏との出会いについては、また別の記事にて語りたい。サバゲーの楽しさの幅を広げてくれた素晴らしい御方なのだ)

​彼がフィールドの空気に慣れたのを見計らい、私は建屋の2階に陣取った。上からフィールド全体を俯瞰し、スポッター(観測手)として生きる道を選んだのだ。

土曜日とはいえ猛暑で休憩者も多く、ゲーム参加者は20名ほど。フィールドを全面使用しているものの、敵味方のスタート地点が近く設定されていたため、すぐに接敵し、戦線が流動的になりやすい状況だった。

私は上から見えた敵の位置を大声で味方に伝え、不用意に身を乗り出した相手を牽制射撃で釘付けにした。すると、先ほどセーフティで意気投合した隣グループのリーダーが前線をまとめ、機動力のある若手たちが押し上げるという即席の連携が見事にハマり始めた。

​自分が最前線でフラッグを獲るのとは違う。後方からの「声」で味方を情報で繋ぎ、初心者の成功をアシストする喜び。足が動かないからこそ発見できた、サバゲーの新たな楽しみ方だった。

建屋2階に陣取り索敵する私。
敵位置の指示が曖昧だったと自省するが、
それに付き合ってくれた自チームには感謝しかない

​『初心者の「見えない恐怖」を取り除くために』

​未経験者にとって、サバゲーは情報と緊張の奔流だ。

撃ち合いの恐怖もさることながら、彼らが一番不安に思っているのは「ヒットされた後、どう動けばいいのか」「他人の邪魔になったらどうしよう」ということだ。

ヒットされフィールドで右往左往していた初心者の頃、どこからか「邪魔!」と罵声を浴びた苦い記憶がある。だからこそ今回は、ヒットを取るテクニックよりも、「ヒットされた後の安全な退避方法」を念入りに伝えた。初心者である私が後輩I氏に一番教えたかったのは、この「見えない恐怖」を取り除くことだったのかもしれない。

​最終ゲーム終了後、夏のキャンプ帰りのような清々しい笑顔を見せたI氏。​
初心者がサバゲーの本当の楽しさを知る前に、不安や戸惑いで足が遠のいてしまう。この心理的障壁をどう下げるかは、サバゲー仲間を増やしたい私にとって、これからも考え続けるべき課題だ。
とはいえ、今日のところは目論見がうまくいったように思え、嬉しくなった。

​己の管理不足による筋肉痛というトラブルから始まった1日だったが、制約があったからこそ、初心者の歩幅に寄り添い、フィールドを俯瞰し、声で仲間を繋ぐ面白さに気づくことができた。

​ボロボロの体を引きずりながらでも、やっぱりサバゲーは面白い。そんな真夏の1日だった。 


『おわりに:これから始める人、そして沼の住人たちへ』

今回の1日で感じた「初心者のリアルな悩み」と、セーフティで語り合った「ベテランの深すぎるこだわり」。このエッセイの続きとして、記事の末尾に2つの付録を用意した。

​1つ目は、これからサバゲーを始めてみたいけれど不安だという人に向けた「ヒット後の動き方ガイド」
2つ目は、あのベテランサバゲーマーの美しき次世代Mk18について語る「マニアックな装備談義」だ。

​興味のある方は、ぜひこのまま下までスクロールして、それぞれの「サバゲーの沼」を覗いてみてほしい。

​【付録①:初心者向けガイド】ヒット後の正しい動き方とマナー

​未経験者が一番不安に感じるのが「ヒット(弾が当たった)された後、どうすればいいか」です。基本は以下の3ステップを覚えておけば大丈夫!

  1. 大きな声で「ヒット!」と申告する(恥ずかしがらずにアピールするのが一番安全)

  2. 銃や手を高く上げながら、最短ルートでフィールドの外(セーフティ)へ向かう

  3. 交戦中のプレイヤーの射線を横切らないように注意する(邪魔にならないよう、壁沿いなどを歩くのがベター)

最初は誰でも戸惑うもの。周りの経験者が優しく声掛けをしたり、撃ち合いを一時控えるといった余裕を持ちたいですね。

『真夏のサバゲーデビューガイド』

​また、私自身の感覚だけでなく、未経験者にとっての死角をなくすために、今回はGeminiを活用して客観的な「真夏のサバゲーデビューガイド」を作成し、I氏に渡してみました。

フィールド構成は現実と違って?となる点も。
だが、導入資料としてはいい感じに仕上がった。

​【付録②:経験者向けコラム】本日の装備語り

​彼が愛用する次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」は、マグプル製のフォアグリップやレールカバー、AN/PEQ-15が装着されていた。色味の違いでチグハグな印象になりがちなタンカラーも塗装したのか統一感のある非常に美しい仕上がりだった。「URG-I」のようなスマートさとはまた違う、無骨な姿に惚れ惚れする。

​少し撃たせてもらうと、電子トリガー(おそらくGATE TITAN)とブラシレスモーターという、電動ガンの性能を高めるチューニングが施され、トリガーを引いた瞬間のレスポンスは極めて高い。それでいて、カスタムの過程で省かれがちな「リコイルギミック」を軽量化しつつ、あえて残している点にこだわりを感じる。

実物のホロサイト(EXPS3-0)とマグニファイア(G33)を搭載し、「銃をアップデートしていくと、アクセサリーパーツも良いものをつけてあげたくなるんですよね」と語る彼の言葉には、性能とロマンを両立させるベテランの装備哲学が詰まっていた。私も同じくEXPS3を愛銃に装備している身として、その装備哲学には深く頷くばかりだった。

(彼にブログのことを話し、写真を撮らせて貰えば…!と執筆しながら激しく後悔した笑)

【フィールド情報】

サバイバルゲームフィールド HEADSHOT(ヘッドショット)

千葉県印西市平賀にある、総敷地面積約8,000坪を誇る日本最大級の市街地フィールド

  • 所在地: 千葉県印西市平賀2655

  • フィールド環境: 2階建ての建屋が多数並ぶ市街地エリアと、外周に濃いブッシュエリアが混在。中央にはキャットウォーク(観戦台兼足場)や車両が配置され、立体的かつ複雑な交戦が楽しめる。風通しが良く、日陰も多いため、真夏でも比較的快適にプレイできるのが魅力。

  • 備考: 広いセーフティエリアに、冷暖房完備の休憩室、更衣室、水洗トイレを備える。駐車場からセーフティまでは未舗装のため、キャスター付きのガンケースを持ち込む場合は堅牢なホイールが望ましい。何より、初心者への細やかな声掛けや、猛暑日の熱中症対策、飽きさせない特殊ルールの提案など、スタッフのホスピタリティが非常に素晴らしいフィールド。

【関連記事】


この記事が参加している募集