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Quantum Observation Lab通信vol.22『情報は世界を書き換える』

Quantum(量子)Observation(観測)Lab(研究所)量子という目に見えない世界を観測により具現化する研究所として、発信していこうと思います。

略するとQOLとなり「Quality of LIFF(生命の質)」にも繋がります。
今回は、「情報は世界を書き換える」です。

前回の記事では、私たちは現実そのものを見ているのではなく、自分の中で構築された世界を見ているのかもしれない、という話を書きました。

今回はその続きです。
最近、「情報が変わると世界が変わる」ということを改めて実感した出来事がありました。

少し前にスイスを訪れた時のことです。
電車に乗っていて驚きました。
改札がありません。駅員さんが切符を確認しているわけでもありません。
もちろん切符は買います。
しかし日本のように改札機を通る仕組みではなく、誰でもそのままホームへ入り、そのまま電車に乗ることができます。

私はその光景を見て、とても感動しました。
「人を信用する社会なんだ」と思ったのです。

改札を作る必要がない。
監視する人も最小限で済む。
チェックするためのコストも減る。
人を信頼することで、余計なエネルギーを使わなくて済む。
なんて素晴らしい仕組みなんだろう。

そう解釈していました。

ところが帰国後、交通インフラの専門家と話をする機会がありました。
その時、全く別の話を聞いたのです。

ヨーロッパでは公共交通を単なる運賃収入の事業としてではなく、社会インフラとして捉える考え方が強い。
鉄道によって人が移動する。
人が移動すると経済活動が生まれる。
地域が活性化する。
企業活動も促進される。

つまり、運賃収入だけではなく、その鉄道が生み出す経済効果全体で価値を評価する。
そうした考え方があるという話でした。

もちろん国や地域によって違いはあります。
しかし欧州では、公共交通を社会全体の利益として支える仕組みが広く存在しています。

一方で日本の鉄道は、利用者からの運賃収入が経営の重要な柱です。
だからこそ、改札や料金回収の仕組みが発達しました。
どちらが正しいという話ではありません。

ただ、その話を聞いた時、私の中の世界が大きく変わりました。

それまで私は、「人を信用する社会だから改札がない」と思っていました。

しかし、「交通インフラをどう位置づけるかという経済システムの違い」という視点が加わった瞬間、見えていた景色が変わったのです。

実際のスイスでは、改札はありませんが、抜き打ちの検札は行われています。これは「オープンアクセス型」や「信用乗車方式」と呼ばれる仕組みで、利用者の利便性を高めながら、ランダムな検札で制度を維持しています。

つまり、私が最初に見ていた「信用の社会」という解釈も間違いではありませんでした。しかし、それだけではなかったのです。

情報が入ると意味が変わる

スイスの駅は変わっていません。
改札も相変わらずありません。
社会システムも同じです。

変わったのは、私の持っている情報です。
しかしその情報が増えただけで、見えている世界の意味は大きく変わりました。

現実は変わっていません。
変わったのは、その現実を解釈するための情報です。

そして情報が変わると、世界の見え方が変わる。
もしかすると私たちは、世界を生きているというより、世界についての解釈を生きているのかもしれません。

脳は常に世界を編集している

最近の脳科学では、記憶は単なる保存ではないと考えられています。
思い出すたびに、記憶は再構成される。
新しい情報によって、過去の意味も更新される。
つまり、私たちの脳は常に世界を編集しているのです。

だから人は変われる。
過去の出来事も、新しい視点によって違う意味を持ち始める。

以前は苦しかった経験が、後になって人生の転機だったと気付くことがあります。その時、過去そのものは変わっていません。

しかし、過去の意味は変わっています。

観測するとは何か

観測とは「正しい答えを見つけること」ではないのかもしれません。
自分がどんな情報を使って世界を見ているのか。
その前提に気付くこと。

そして、まだ見えていない情報があることを認めること。
それが観測なのかもしれません。

世界は変わらない。
しかし、情報が変わると世界の見え方は変わる。
そしてその変化こそが、私たちの成長なのかもしれません。

次回は、もし世界の見え方が情報によって変わるのなら、生命とは何なのかを深めていきます。

私たちはなぜ学習できるのか。
なぜ記憶できるのか。
なぜ変化できるのか。

「生命とは情報とエネルギーである」というテーマから、細胞やDNAの視点で考えてみたいと思います。

今までのテーマのバックナンバー
vol.1『観測する自己を上げること』
vol.2『見ている先の情報が入ってくる』
vol.3『空間を意識する』
vol.4『結果に反応しない』
vol.5『無思考の潜在意識がもたらす影響』
vol.6『仕方ないからの脱却』
vol.7『振り返り、カタチにする』
vol.8『アフォーダンスと観測』
vol.9『情報の地と図を動かす』
vol.10『流れは行き先を知っている』
vol.11『地下の見えない世界が地上の見える世界を守っている』
vol.12『今までの延長線上にない”これから” 』
vol.13『 回転と光の照射』
vol.14『エネルギーの流れを見ようとする』
vol.15『強みを抽出する』
vol.16『偶察力』
vol.17『”ない”に潜むチャンス』
vol.18『エネルギーとは何か?』
vol.19『エネルギーの差が流れを生み出す』
vol.20『物理法則と共に生きる』
vol.21『私たちは何を見ているのだろう』


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