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思考の分岐点|第4回|「仕事をする人」が不満を持つ理由

※この記事は「思考の分岐点」第4回です。シリーズの最初はこちら


現場で作業をしていると、
ときどきこんな場面に出会う。

忙しく動いているとき、
ふと周りを見ると
あまり動いていない人がいる。


その瞬間に、こんな感覚が生まれる。


「自分ばかり仕事をしている気がする」


こうした不満は、
多くの現場で聞かれる。

ただ、
その場面を少し丁寧に見てみると、
もう一つの要素が見えてくる。

それは、仕事の見え方だ。


作業者の視点では「動き」が基準になる


現場の作業者は、自分の動きを基準に仕事を見ている。


材料を運ぶ。
機械を動かす。
部品を組み立てる。


こうした作業は、外から見ても動きがはっきりしている。
だから「仕事をしている」と認識されやすい。


一方で、現場には

段取りを考える。
作業順を調整する。
トラブルの可能性を予測する。

といった役割もある。


こうした仕事は、その場ではほとんど動きがない。

作業者の視点から見ると、止まっているように見える。


役割は誰かが決めている


こうした役割の多くは自然に生まれているわけではない。


現場では通常、工程設計者、管理者、ラインリーダーといった立場の人が作業工程、人員配置、役割分担、を決めている。


つまり、「動く役割」と「整える役割」は、組織の設計によって配置されている。


ただ、作業者の視点では、その設計は見えにくい。


その結果、止まっている人=働いていない人という印象が生まれる。


なぜ「見える仕事」が評価されやすいのか


現場ではよく起きることがある。

それは、評価が動きで判断されやすいということだ。

作業量、処理数、作業速度、こうしたものは比較的測りやすい。


一方で、段取り、予測、調整、といった仕事は、成果が数字として見えにくい。


そのため、見える仕事=評価しやすいという構造が自然に生まれる。


RPGのパーティーで考える


RPGのパーティーでは、前衛のキャラクターはよく動く。

攻撃する。回避する。敵の前に立つ。

画面の中でも一番目立つ存在だ。

一方で、後衛の支援キャラクターは動きが少ない。

回復する。バフをかける。状況を見て行動する。

でも、その支援がなければパーティーは長く戦えない。

ここで重要なのは、誰が前衛で誰が支援かという役割は、プレイヤーが決めているということだ。


役割が見えないと対立が生まれる


現場でも似たことが起きる。

役割の設計は管理側で行われている。
しかし作業者の視点では、その設計が見えない。


すると現場では、動いている人止まっている人という見え方だけが残る。


その結果、「働いている人」と「働いていない人」という分け方が生まれる。


役割が曖昧なとき不満は強くなる


この不満が強くなるのは、役割が明確でないときだ。


工程設計、人員配置、評価基準。こうしたものが十分に共有されていない場合、
作業者は、動きの量で仕事を判断するようになる。


そして「自分ばかり忙しい」という感覚が
強くなる。


改善では「役割」を観察する


現場改善を行うとき、改善担当者や管理者はまずここを観察する。


誰がどの役割に配置されているのか。
その役割は現場で理解されているのか。
評価の基準は何か。


こうした点を整理すると、作業量の問題なのか、役割の問題なのかが見えてくる。


不満は構造のサインかもしれない


現場の不満は、単なる愚痴とは限らない。


そこには、役割の設計、配置の偏り、評価基準といった構造の問題が隠れていることがある。

動いている人。動いていないように見える人。

その違いは、必ずしも「働いているかどうか」だけではない。


そこには、役割と配置というもう一つの視点がある。


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予告
仕事の見え方が違うだけで、
人は同じ現場でも、違う評価をしてしまう。

では、「あの人は働いていない」という評価は、
本当に正しいのだろうか。

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次回
思考の分岐点|第5回|「働かない人」は本当に働いていないのか


前回
思考の分岐点|第3回|主体性と責任・判断・引き受けの距離感


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思考の分岐点シリーズ一覧
この順番で読むと理解しやすくなっています。(思考の進行順)


思考の分岐点(ステップ1|選択


現場責任者の問い(ステップ2|責任


分岐点の問い(ステップ3|体験
ノベル連載マガジン


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