現場責任者の問い|第4回|壊れる条件3点セット
※この記事は「現場責任者の問い」第4回です。シリーズの最初はこちら|第1回|責任が貼り付く瞬間
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現場で人が壊れるとき、きっかけは派手ではない。
最初に起きるのは、上司からの一言だ。
「今の情報でいいから、決めてほしい」
判断材料が十分かどうかは問われない。
決めるかどうかだけが問われる。
この言葉を出す上司は、悪意を持っていない。
むしろ、現場を止めたくないだけだ。
だがこの時点で、判断材料を用意する役割は、
どこにも配置されていない。
材料が揃わないまま、判断だけが要求される。
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次に起きるのは、役割の固定だ。
「今回は、君が見ている案件だよね」
この言葉を発するのは、同じ上司か、進捗を管理している管理者だ。
一度そう呼ばれると、役割は戻りにくくなる。
「やはり別の人に戻したい」
そう言える手続きは、最初から用意されていない。
引き受けたわけではないのに、配置だけが確定する。
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そして最後に起きるのが、引き取りの不在だ。
本人は相談する。
「判断が難しい」
「材料が足りない」
話を聞く人はいる。同情もされる。
だが、「ここは私が判断する」と言う人はいない。
判断を回収する権限は、制度上は上位にある。
しかし実務では、それは使われない。
結果として、判断は戻らない。
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材料は足りないまま。
役割は固定されたまま。
引き取り手はいないまま。
この三つが同時に成立したとき、人は限界を越える。
壊れる直前、その人はむしろ真面目だ。
考え、整理し、何とか形にしようとする。
だから、最後まで立ち続けてしまう。
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後になって、周囲はこう言う。
「もっと早く言ってくれれば」
「無理をする前に相談してくれれば」
だが実際には、言っていた。相談もしていた。
ただ、判断を戻す経路が、設計されていなかっただけだ。
壊れたように見えるのは人だ。だが、その前に壊れていたのは、配置と判断の流れだった。
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予告
人は、責任の重さだけで壊れるわけではない。
本当に問題なのは、何を、どこまで引き取るのか。その境界が分からないことだ。
では、人は何を引き取ることで限界を超えるのか。
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次回
現場責任者の問い|第5回|責任とは、何を引き取ることなのか
前回
現場責任者の問い|第3回|回避は悪ではなく防衛
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▼思考の分岐点シリーズ一覧
この順番で読むと理解しやすくなっています。(思考の進行順)
①思考の分岐点(ステップ1|選択)
②現場責任者の問い(ステップ2|責任)
③分岐点の問い(ステップ3|体験)
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