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NVIDIA・Microsoft等がオープンウェイトAI支持の書簡を連名発表 ― ジェンスン・フアン氏、X初投稿で公開

2026年7月24日(現地時間)、Bloomberg Techは、AI業界を巡る複数の重要な動きを特集しました。NVIDIAやMicrosoftをはじめとする大手テック企業がオープンウェイトAIモデルの重要性を訴える書簡に署名したこと、Intelの決算が乱高下したこと、AMDとCerebras Systemsが推論高速化で提携したこと、そしてヘッジファンドのAI関連銘柄への向き合い方の違いなど、テーマは多岐にわたります。本稿では、番組内容をもとに、これらの動きを整理します。


1. オープンウェイトAIを巡る書簡 ― その真意とは


NVIDIAのジェンスン・フアンCEO、Microsoftのサティア・ナデラCEOをはじめとするテクノロジー業界のリーダーやベンチャー企業が、オープンウェイトAIモデルが米国の競争力・イノベーション・国家安全保障にとって重要であるとワシントンに訴える書簡に署名しました。書簡には次のように記されています。

「米国はオープンAIエコシステムの構築において主導的な立場を取るべきだ。それが機会を拡大し、競争を強化し、米国の技術的リーダーシップを広げるからだ」

興味深いことに、フアンCEOは、この書簡を、自身が新たに開設したX(旧Twitter)アカウントの最初の投稿として公開しました。Bloombergのマネージング・エディター、サラ・フライヤー氏は、このタイミングについて次のように分析しています。

「書簡には明記されていないが、今まさに中国のMoonshot社を巡る激しい議論が起きている」

同氏によれば、これまで中国製のオープンウェイトモデルは価格面で米国製モデルを下回る「安価だが実用十分」という位置づけにとどまっていましたが、今回のKimi K3は、米国モデルとほぼ同等の性能に達したとされ、ワシントンでの懸念を強めているといいます。

1-1. 蒸留疑惑とROIへの懸念

フライヤー氏は、この問題の深刻さについて次のように指摘しました。

「市場全体が、この莫大な設備投資が将来的にリターンを生むという前提の上に成り立っている」

同氏は、中国製モデルの一部がAnthropicのClaudeを含む米国製モデルの無許可の蒸留(distillation)を利用しているとされる点に触れ、米国企業による巨額投資の成果が、蒸留や不正なチップ利用を通じて中国側の能力向上に利用されているとすれば、これは米国企業のROI(投資収益率)に直接影響し得る大きな論点だと述べています。

2. Intel決算 ― 時間外+13%から一転-3%へ


Intelの決算を受けた株価の動きも注目を集めました。前日の時間外取引では一時13%まで上昇したものの、番組出演時点では3%安に転落していました。New Street ResearchのアナリストであるAntoine Chkaiban氏(中立評価、目標株価115ドル)は次のように分析しています。

「市場は、強気シナリオですらすでに株価に織り込まれていることに気づき始めている」

同氏は、2030年時点でIntelの製造事業(ファウンドリ)が完全に立て直されたと仮定しても、TSMCに対する構造的なコスト面での劣位は解消されず、粗利益率が同水準に達することはないと指摘しました。加えて、Arm系設計やNVIDIAの台頭により、Intelは今後もシェアを失い続ける可能性が高いとの見方を示しています。

一方、New Street Researchのアントワーヌ・シュケイバン氏は、決算内容そのものについては前向きな評価も示しました。AIデータセンターの拡大を背景に、サーバー向けCPUの需要がIntelの供給能力を上回る状況が続くなか、歩留まりの改善や、これまで積み上げてきた工場設備の稼働率向上など、運営面での進展は「心強いデータポイントだった」と評価しています。

また、同氏は、Intelのカスタム半導体・ASIC事業について、現在の年換算売上が約20億ドル規模に達し、遠くない将来には約40億ドルへ拡大する可能性がある点にも言及しました。ただし、NVIDIAが、AI半導体事業で年換算約4,000億ドル規模に達していることと比べれば、Intelの事業規模は「桁違いに小さい」と指摘しています。

3. 「本当の争点は中国製モデル」― Krach Institute CEOの見解


Purdue大学のKrach Institute for Tech DiplomacyのCEOで、第一次トランプ政権下で国務次官(グローバル広報担当)を務めたミシェル・ジューダ氏は、今回のオープンウェイト書簡について次のように分析しました。

「これはシリコンバレーとワシントンD.C.がすれ違っている典型的な例だ。本当の争点はオープンウェイトモデル一般ではなく、中国製のオープンウェイトモデルだ」

同氏は、中国製オープンウェイトモデルが現時点で最も入手しやすく、価格面でも優れた選択肢となっており、多くの新興企業やスタートアップがAIスタックの構築にこれを利用している実態を指摘しました。その一方で、これが国家安全保障上・企業リスク上の懸念を伴うことも強調し、過去のHuawei禁止やTikTokの再編、コネクテッドカー禁止法制などと同様の構図があると説明しています。

「禁止するかどうかに焦点を当てるのは、民間セクターにとっても米国政府にとっても的外れだ。焦点を当てるべきは、いかに米国のオープンウェイト・エコシステムを加速させ、世界にとって信頼できて価格競争力のある選択肢を提供するかだ」

同氏は、NVIDIAのフアンCEOが、別のインタビューで「中国製モデルもオープンソースモデルも優れており、使うべきだ」と述べたことにも言及しつつ、次のように反論しました。

「イノベーションと商業的な視点だけで見れば、彼らの主張は筋が通っている。しかし『経済的な敵対国』というレンズを通せば、リスク計算は変わってくる」

同氏は、過去10年近くを米国企業が中国からのデカップリング・デリスキングに費やしてきたことを踏まえ、「今になって中国の技術を米国企業のAIスタックの根幹に組み込もうとする議論をしているのはおかしい」と述べ、米国製オープンウェイトモデルのエコシステムをいかに迅速に強化するかに焦点を当てるべきだと主張しています。

4. ヘッジファンドVikingGlobal ― AIトレード乗り遅れも路線変更せず


560億ドルを運用するヘッジファンド、Viking Global Investorsについても取り上げられました。同社は上半期のリターンが2.6%にとどまり、AIへのエクスポージャーが大きい競合他社に見劣りする結果となっています。Bloombergのヘマ・パーマー氏は次のように説明しました。

「Viking Globalは、多くの競合他社がAI関連銘柄に飛びつく中、より慎重な姿勢を取っている」

同社は、人気の高い銘柄群における急激な相場調整のリスクやバリュエーションの高さを懸念しているとされ、Samsungなど一部のAI関連投資では成果を上げているものの、ポートフォリオの多くは、消費財・金融・工業関連など他分野に配分されているといいます。パーマー氏は、同社が過去に2020年・2021年の時点で慎重な姿勢を取っていたことが、2022年のテック株・未上場企業評価額の急落時に他社より傷を負わずに済んだ実績があると補足し、今回も同様の効果を期待している可能性を指摘しました。

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