ブルーオリジン、初の外部調達で100億ドル ― Coatueが40億ドル、ベゾス氏も20億ドル拠出
ジェフ・ベゾス氏率いる宇宙企業ブルーオリジンが、Coatue Asset Managementやベゾス氏自身などから100億ドルを調達する計画であることが、The New York Timesの報道をもとにTechCrunchで報じられた。評価額はプレマネーで130億ドルとされ、同社にとって創業以来初となる外部からの資金調達になるという。基幹ロケット「New Glenn」の爆発事故という逆風の直後というタイミングも注目される。本稿ではその内容を整理する。
1. Coatueが40億ドル、ベゾス氏本人も20億ドルを拠出
報道によれば、今回のラウンドでは、Coatue Asset Managementが約40億ドルを投資する見通しで、ベゾス氏自身も20億ドルを拠出するとされる。残りの資金はその他の大口投資家が担う。ブルーオリジンは、これまで創業者であるベゾス氏個人の資金のみで運営されてきており、今回が初めての外部資金調達になるという点が大きな特徴だ。
2. New Glenn爆発事故という逆風の直後の調達
今回の調達は、同社の主力ロケット「New Glenn」が、5月下旬、4回目の打ち上げに向けた試験中に爆発事故を起こした直後というタイミングで行われる。報道によれば、先週の時点でも爆発の原因は特定できていなかったというが、同社は年内の打ち上げ再開を目指す方針を崩していない。ケープカナベラルにある発射台の再建も必要とされており、この発射台は、New Glennが利用できる唯一の施設で、現在世界で最も強力なロケットの一つとされている。
New Glennの運用再開は、同社にとって最優先課題であり、背景には、同社が今年1月に宇宙旅行事業を一時停止し、NASAのアルテミス計画(月面ミッション)支援に経営資源を集中させたという事情がある。
3. 宇宙データセンターと衛星インターネット事業への布石
調達資金の使途としては、New Glennの再建だけでなく、複数の新規事業への投資も見込まれている。ブルーオリジンは、今年3月、大量のコンピューティング能力を軌道上に移す新たな潮流を見据え、宇宙空間でデータセンターを運用する構想に参入したと報じられている。
さらに、同社が、今年1月に発表した衛星インターネット網「Terawave」も資金使途の一つとみられる。数千基の衛星を用いて、企業・政府・データセンター顧客向けに毎秒6テラビットのデータ通信を提供する計画とされている。
4. SpaceXの上場に続く動き
今回の調達は、SpaceXが先月実施した大型IPOの直後というタイミングでもある。SpaceXは、このIPOで850億ドル超を調達し、評価額は1兆7500億ドルに達したと報じられている。宇宙企業をめぐる資金調達の規模が、AI・データセンターブームを背景に急速に拡大していることがうかがえる。
