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SpaceX、7月16日にもStarship再飛行へ ― FAAが5月のブースター損失事故の原因究明を確認

米連邦航空局(FAA)は、SpaceXの大型ロケットシステム「Starship」について、5月の試験飛行で発生したブースター損失事故の推定原因が特定されたとして、再度の飛行を許可した。SpaceXは、週末の発表で、次回の打ち上げは早ければ7月16日(木)になる可能性があるとしている。今回は、Starship第3世代(V3)としては2回目の飛行であり、同社が、2026年6月に上場を果たしてから初めての試験飛行となる点で、投資家の関心も高い。本稿では、事故原因の詳細と今後の焦点を整理する。


1. 5月22日の初飛行で何が起きたか


Starship V3の初飛行は、5月22日に実施され、全長407フィートのロケットは、大きな問題なく宇宙空間まで到達した。上段が分離した後、20基の衛星シミュレーターと、機体外部を撮影するために改修された2基のスターリンク衛星が展開されている。

一方で、新型の第3世代ブースター「Super Heavy」は、地球へ帰還し、メキシコ湾での模擬着水を行う計画だったが、エンジンが適切に再着火せず、そのまま海面へ落下する結果となった。

1-1. 原因は「エンジン始動のわずかなズレ」

SpaceXは、週末に公開した投稿で、船体側のエンジン始動時に生じたわずかな差異が原因となり、ブースターが意図しない方向へ90度回転してしまったと説明している。同社は、この始動シーケンスを修正し、ブースターが望ましい方向へより確実に回転するよう改良したほか、再着火の信頼性を高める改修も行ったとしている。

FAAも月曜日の声明で、Super Heavyブースターの機体喪失について、その最も可能性の高い根本原因を「ロケット上昇中の推進系部品への熱の影響と、エンジン警報システムの設定誤り」という趣旨で説明した。SpaceXは、これを受け、エンジンの警報・中断システムに変更を加え、同様の不具合が再発する可能性を減らしたとしている。

1-2. 上段側でも一部エンジンを喪失

なお、Starship V3の上段は、5月の飛行で試験ペイロードの展開とメキシコ湾での模擬着陸に成功しており、これはSpaceXがこれまで苦戦してきたマイルストーンだったという。ただし、この際、真空中での使用を想定した3基のラプターエンジンのうち1基を喪失していたことも明らかになっている。SpaceXは週末の発表で、同様の事象を防ぐためハードウェアおよび運用面で複数の修正を行ったとしている。

2. 今回の飛行で試される新型スターリンク衛星


次回の試験飛行では、Starshipが、初めて第3世代のスターリンク衛星を宇宙へ運ぶことになる。これらの新型衛星は、衛星ネットワークの容量とユーザーの通信速度を高めることを目的としており、SpaceXは、今回の打ち上げで20基の展開を計画している。これらの衛星は大容量レーザーを介して既存のより大規模なスターリンク衛星群と接続した後、展開から約20分後に大気圏で燃え尽きる設計になっているという。なお、20基のうち6基には機体外部を撮影するためのカメラが搭載される予定だ。

これまでStarshipは、より大型で高出力な通信衛星のダミー版のみを搭載してきた経緯があり、実際の第3世代スターリンク衛星を搭載するのは今回が初めてとなる。

3. 上場後初の試験飛行が持つ意味


今回の飛行は、SpaceXにとって上場後初めてとなるStarshipの試験飛行であり、しばしば爆発という形で終わる「飛ばして、失敗して、直す」という同社独自の開発方針に対し、株式市場がどこまで許容度を示すかが試される場でもある。CEOのイーロン・マスク氏は、こうした爆発を「急速な計画外分解」と呼ぶことで知られている。

SpaceXは、6月12日にナスダック市場へ上場を果たし、これにより世界で時価総額上位10社の一角となり、調達額は過去最大規模となる約860億ドルに達したとされる。

4. StarshipとStarlink V3が担う戦略的な重み


Starship V3とStarlink V3は、いずれもSpaceXの今後の事業戦略にとって重要な位置を占める。上場前の段階では、Starlinkが、同社の事業の中で唯一黒字を確保している部門だったとされ、一方で、Starshipについては、完全再使用型のロケットシステムとして確立できるかどうかが、宇宙データセンター構想や惑星間輸送といった同社の壮大な計画を実現できるかどうかを左右する鍵になるとみられている。

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