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SKハイニックスADR、上場2日目で下落 ― 韓国本国株は一時30%超下落、時価総額1兆ドル割れ

2026年7月14日のBloomberg Techでは、半導体市場の急変動から、FCC(米連邦通信委員会)による宇宙関連規制、アップルとOpenAIの訴訟合戦、そして、パランティア共同創業者ジョー・ロンズデール氏による防衛テック投資の展望まで、多岐にわたるテーマが取り上げられた。本稿では番組内容をもとに、ビジネスパーソンや投資家が押さえておくべきポイントを整理する。


1. SKハイニックスADR下落 ― メモリー市場の「非循環化」は本当か


番組冒頭で大きく扱われたのは、韓国半導体大手SKハイニックスの株価急落だ。同社は、前週、米国での新規株式(ADR)上場を果たしたばかりだったが、上場からわずか2営業日でこの急落に見舞われた。韓国本国の株価は、一時30%超下落し、これによって、同社の時価総額は節目とされる1兆ドルを一時的に割り込んだ。同様にサムスン電子の時価総額も基準ラインを下回ったという。

この下落は、米国市場にも波及し、SKハイニックスのADRだけでなくマイクロン、ウエスタンデジタル、サンディスクといった関連銘柄も軒並み下落。ナスダック100指数も軟調な展開となった。

出演したアナリストは、今回の下落について「レバレッジ型ETFによる投機的な取引が、値動きを増幅させている」という趣旨の見方を示した。また、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長は、株価の安定を確認した上で追加の株式売却を検討する考えを示しており、現時点でのボラティリティの高さがその判断を難しくしているとの指摘もあった。

一方で、長期的な強気姿勢は崩れていない。番組内のコメンテーターは、AIの生産性向上効果が今後さまざまな産業に波及し、経済全体の成長を下支えするとの見立てを共有した。HBM(高帯域幅メモリー)needsは、依然として供給不足の状態が続いており、この構造が短期的な調整と長期的な強気シナリオという「二つの顔」を生んでいる。

2. FCC、宇宙経済の規制フレームワークを刷新


続いて、FCC(連邦通信委員会)のブレンダン・カー委員長が出演し、軌道上データセンターや衛星通信スペクトラムに関する規制動向を語った。

カー氏は、従来は年間数件しかなかった個別審査の仕組みを見直し、客観的な基準を満たせば迅速に承認が下りる「組み立てライン」方式へと転換していると説明。この改革によって審査の滞留(バックログ)は、「約半分」まで削減されたという。

また、衛星から携帯端末へ直接通信する「ダイレクト・トゥ・セル」技術についても言及があった。スペースXには、すでに65MHz幅のスペクトラムが割り当てられており、アマゾンも、グローバルスターの買収を通じて同様の技術基盤を確保しようとしている。FCCとしては、この分野で2〜3社程度の事業者が競争する体制を目指しているとのことだ。スペクトラム関連の取引総額は、現政権下で約1300億ドルに達しているという。

放送直前に判明したパラマウント・スカイダンスによるワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収を巡る動きについても質問が及んだ。複数の州の司法長官が、この買収を阻止する構えを見せているとの報道があり、カー氏は、これについて「正当な独占禁止法上の論拠を見出すのは難しい」との個人的な見解を述べつつ、外国資本の関与については、FCCとして標準的な審査プロセスを継続中であるとした。

ディズニーの放送免許を巡る問題についても解説があった。FCCは、2025年3月にディズニー経営陣へ、雇用における差別的慣行の疑いについて書簡を送付しており、その後の対応が「誠実さを欠く」と判断されたことから、ディズニーの放送免許を早期更新審査の対象としたという。最終判断はまだ下されていない。

3. アップルとOpenAI、トレードシークレットを巡る訴訟へ


アップルが、OpenAIを相手取り、営業秘密の侵害を訴える訴訟を提起したことも大きなニュースとして扱われた。訴状では、元アップル従業員に対して機密情報や未発表のハードウェア関連情報を持ち出すよう促した疑いが指摘されている。

被告として名指しされているのは、2024年までアップルでプロダクトデザイン担当バイスプレジデントを務め、その後、OpenAIのハードウェア部門を率いる人物だ。アップル側は、この人物を、一連の動きの「首謀者」として位置づけているという。

Bloombergのマーク・ガーマン記者は、この訴訟がアップル従業員のOpenAIへの転職意欲に冷や水を浴びせる可能性が高いと分析した。転職しなければ、現経営陣からの心証を損ないかねず、転職すれば将来的な訴訟リスクや精査の対象になりかねないというジレンマが生じるためだ。なお、OpenAIは、他社の営業秘密には関心がないとする声明を出している。ガーマン氏によれば、OpenAIのハードウェア端末第1弾の発表は、今年中、出荷は2027年という計画に今のところ変更はないという。

4. 「蒸留」問題 ― アンソロピックがアリババを名指し


AI業界特有の技術的論点として取り上げられたのが、「蒸留(ディスティレーション)」だ。これは、先行する高性能モデルの出力を用いて、比較的低コストで近い性能の新モデルを学習させる手法である。

Bloomberg Businessweekのマギー・イーストマン記者によれば、アンソロピックは、ホワイトハウスおよび複数の上院議員に対し、中国のアリババがこの手法を用いていると指摘する書簡を送付した。もっとも、この技術自体は米国の研究者も日常的に使用しているため、規制のあり方は一筋縄ではいかない論点だという。

現時点でホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)は、メモを発出し、クローズドウェイト(非公開モデル)を扱うAI企業に対して、不正な蒸留行為を行うユーザーの情報をより多く共有していく方針を示している。一方で、AI企業側は、独占禁止法上のリスクを気にせず互いに情報共有できるよう、追加的な保護措置を求めてロビー活動を行っているとのことだ。

5. パランティア共同創業者、ジョー・ロンズデール氏が語るAIと防衛テック


番組後半では、8VCマネージングパートナーでパランティア共同創業者のジョー・ロンズデール氏が、長時間出演し、AI・バイオテック・防衛テック分野への投資姿勢を語った。

ロンズデール氏は、まず、中国による技術盗用への懸念を表明。バイオテック分野では、この7年間で中国が新薬・治療薬開発における存在感を大きく高め、現在では、「3分の1、場合によっては半分以上」を占めるに至ったと指摘した。背景には、中国での臨床試験着手までの期間が数日から長くても90日程度であるのに対し、米国では「700日超」かかるという規制環境の違いがあるとの見方を示した。

8VCについては、直近で15億ドル規模の新ファンドを組成したことを明らかにした。同氏は、これは10年前の4億ドル規模のファンドに匹敵する運用インパクトを持つと表現し、資金全体の約30%は、自ら共同設立に関わった企業に投じられるという。代表例として挙げたのが、無人水上艇を手がけるサロニック社だ。同社の技術は、最近、米中央軍(CENTCOM)による発表の中で、3隻の無人艇(コルセア)が関与した作戦に使用されたことが明らかにされている。

パランティア自体の企業価値についても言及があり、AI活用が本格化する以前は300〜400億ドル程度だった評価額が、現在では、3000億ドルを超える水準まで拡大したと振り返った。

国防総省と新興企業との関係についても、ここ数年で調達方針が大きく変化しているとの見解を示した。従来は大手防衛関連企業(プライム)が主導する高コストな設計案が優先されがちだったが、スペースXやアンドゥリルなどが低コストかつ高性能な代替案を実証したことで、国防総省内部の意識が変わりつつあるという。もっとも、予算の大部分は、依然として大手プライム企業に配分されているとも指摘しており、変化は「小さな基盤からの急成長」という段階にあるとの認識を示した。

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