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Blockが従業員を半減——ジャック・ドーシーが「1年以内に多くの企業が同じ場所に辿り着く」と語った理由

ジャック・ドーシーが創業したBlock(Square、Cash App、Tidalを運営する決済企業)が、全従業員の半数近くにあたる4,000人以上の削減を発表した。削減後の従業員数は1万人超から6,000人弱となる見込みだ。発表を受け、株価は時間外取引で24%以上上昇した。

AIを活用した小規模・高効率なチーム体制への移行を理由として挙げるこの動きは、テック業界における組織縮小の潮流と、AIによる自動化の実態をめぐる問いを改めて浮かび上がらせている。


1. 今回の削減の概要と背景


1-1. 削減の規模と条件

Blockは、従業員を1万人超から6,000人弱へと圧縮する。米国の対象者には「20週分の給与+在籍年数1年あたり1週分」の退職金、5月末までの株式の権利確定、6ヶ月分の医療保険、会社支給デバイス、そして転職支援として5,000ドルが提供される。米国外の従業員に対しても、各国の規制に応じた同等の支援が行われるとしている。

1-2. ドーシーの言葉——「反応的になる前に」

ドーシーは、X(旧Twitter)上で、今回の決定を財務上の緊急対応ではなく、先手を打った判断として位置づけた。

「削減を繰り返すことは、士気にも、集中力にも、顧客と株主からの信頼にも悪影響を及ぼす」と彼は書き、こう続けた。「私は、追い込まれる形ではなく、誠実に、自らの意志でそこに辿り着きたい。」

さらに「1年以内に、ほとんどの企業が同じ地点に達するだろう」と予測しており、業界全体への警告と受け取れる発言でもある。

2. AIが理由として挙げられているが


2-1. 公式な説明

Block CFOのアムリタ・アフジャは、この削減によって「AIを活用してより多くの業務を自動化しながら、より小さく優秀なチームで速く動ける体制を整える」と述べた。SalesforceやAmazonも同様に、AIによる生産性向上を理由とした大規模な人員削減を実施してきており、テック企業でAIを理由とした組織縮小が相次いでいる。

2-2. AI削減の実態への疑問

ただし、こうした「AI起因の削減」という説明には留保も必要だ。フォレスターリサーチが今年2月に発表したレポートは、AIによる効率化の実態と財務的な動機のどちらが削減の主因かについて疑問を呈している。削減の理由としてAIを挙げることが、財務改善を目的とした人員整理を正当化する文脈として機能しているのではないかという見方もある。

3. イーロン・マスクとの関係という文脈


3-1. Twitterの50%削減が先例となった

2022年11月、イーロン・マスクはTwitter(現X)を非公開化した直後に従業員の約50%を一度に削減した。当時、シリコンバレーではCEOが一度にそこまで踏み込めるという「非公式なルール」の書き換えとして受け止められた。

ドーシーは、そのプロセスを特異な立場から目撃した一人だ。彼は自身が持つTwitterの株式(約2.4%)をマスクの買収に際して現金化せず、X(旧Twitter)の外部投資家の一人となることを選んでいたからだ。

3-2. 複雑な関係性

二人の関係は「テック業界で最も奇妙な関係の一つ」と評されることがある。ドーシーはマスクのTwitter買収を当初支持したが、後に「マスクは手を引くべきだった」と発言。分散型SNSのBlueskyの立ち上げに関与したかと思えば、その取締役を辞し、Xを「自由のテクノロジー」と称した。Bitcoinへの支持という点では一致しており、BlockとテスラはいずれもBTCをバランスシートに保有している。

まとめ


Blockの今回の決定は、財務上の必要性だけでなく、ドーシー自身の組織論と、AIが変える労働の将来予測を背景にした判断として提示されている。「ほとんどの企業が1年以内に同じ場所に辿り着く」というドーシーの言葉が予言となるかどうかは、今後の各社の動向が答えを出していくことになる。一方でフォレスターのレポートが示唆するように、AI効率化と財務的動機をどう切り分けて読むかは、依然として難しい問いとして残っている。

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