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先週のマーケット― AIコンサル不安で年初来50%安に

2026年6月第4週の米国市場は、これまで続いてきた「AIラリー」に転換点が訪れたことを示す一週間となった。著名投資家スティーブ・アイズマン氏が配信する「Weekly Wrap」(6月26日週、6月25日録音)では、アクセンチュアの惨敗決算、マイクロンの驚異的な好決算、SpaceXの株価急変動、グーグルからの人材流出など、AIバブルの実態を映す出来事が相次いだことが報告されている。本稿では、その内容をビジネスパーソン・投資家向けに整理して解説する。


1. アクセンチュアの「悲惨な」決算 ― AIコンサル不安の核心


経営コンサルティング大手アクセンチュア(旧アーサー・アンダーセン・コンサルティング、2001年のエンロン破綻時に親会社から分離)の決算が市場を揺るがした。アイズマン氏は、決算を「quite disastrous(かなり悲惨)」と評している。

具体的には、売上高は前年比わずか3%増、契約予約(ブッキング)は3%減。同社は、「契約の一部が2027会計年度にシフトした」と説明しているが、実態は企業がAI投資には資金を投じる一方で、それ以外のコンサル支出を絞り込んでいることが背景にあるという。

同日、同社は、3件の買収を一度に発表したが、これについてアイズマン氏は、「弱さを隠すための買い物に見える」と指摘した。結果として株価は決算翌日の金曜に18%下落、年初来では50%超の下落となっている。

「AIが企業のコンサルティング需要を縮小させるのではないかという懸念に、決算は何ら歯止めをかけなかった」

2. GEベルノバへの追い風 ― シェブロン×マイクロソフトの20年契約


一方で、明るい材料もあった。シェブロンは、テキサス州西部にマイクロソフトのデータセンター向け電力施設を開発する20年間の電力購買契約(PPA)をマイクロソフトと締結したと発表。発電設備の大部分はGEベルノバ製のタービンと電化設備が担う見込みだ。

アイズマン氏は、GEベルノバを「AI電力需要を取り込む最良の投資先の一つ」と位置づけており、ハイパースケーラーの設備投資拡大が電力インフラ企業に恩恵を及ぼす構図が改めて確認された。

3. SpaceXの株価ジェットコースター ― IPO後の急変動と巨額債券発行


6月12日に上場したSpaceXの株価は、激しい値動きを見せている。上場初日に+19%、翌週月曜に+20%、火曜に+5%と急騰した後、水曜-5%、木曜-4%、そして、今週月曜には-16%と急落。火・水曜はほぼ無風で、結果としてIPO価格からの上昇率はわずか14.5%まで縮小した。

月曜の急落の背景には、同社が200億ドル規模の債券発行(その後250億ドルに増額)を発表したことがある。アイズマン氏は、これを「SpaceXが資本集約的な事業になっていることを裏付ける材料」と分析している。

4. グーグルの人材流出 ― ハイパースケーラーの「モート不在」問題


月曜には、グーグルのGemini AIモデル共同責任者がOpenAIへ、DeepMindのシニアエンジニアがAnthropicへ転職したことが報じられた。アイズマン氏は、これを、ハイパースケーラー全体に共通する構造的リスク──資本集約度の高さと「堀(モート)」の欠如──の象徴的な出来事として取り上げている。

ユーザーも技術者も競合へ容易に移動できる以上、製品差別化は難しくなり、巨額投資が将来の価格競争・低収益体質につながりかねないという懸念が、今週ハイパースケーラー株の重荷となった。

5. マイクロンの絶好調決算 ― AI半導体不足の最大の受益者


対照的に絶好調だったのがマイクロンだ。AIデータセンター需要によって半導体全般が品薄となり価格が急騰する中、同社はEPS・売上高ともに市場予想を上回った。

数字は驚異的だ。四半期EPSは25.11ドルで前年比+1,215%、売上高は415億ドルで前年比+345%。決算発表前の時点で株価は年初来+267%となっていたが、それでも2027年予想PERはわずか8.7倍にとどまる。経営陣は決算説明会で「半導体供給制約は2027年以降も続く」との見通しを示した。

6. ナイキ格下げ ― 続かない「ターンアラウンド」


消費関連では、Evercoreのアナリスト、マイケル・ベネッティ氏が、ナイキを「買い」から「保有」へ格下げした。ターンアラウンド(業績回復)が実現している証拠が見られないどころか、むしろ逆方向に進んでいるとの指摘だ。

7. 2026年第2四半期セクター総括


第1四半期末に底打ちした市場は強いラリーを見せ、先週末時点でS&P500は四半期で+15%、ナスダックは+23%まで上昇していた。しかし、今週の調整を経て、6月24日水曜時点ではS&P500+13%、ナスダック+18%まで縮小している。

セクター別では、情報技術が+28%でトップ、工業セクター+11%、金融+9%、生活必需品+2%、ヘルスケア+5%、ユーティリティ-1%、エネルギーは戦争関連の上昇を一部吐き出し-13%となった。

ソフトウェアでは、セールスフォース、アドビ、インテュイットがそれぞれ-18%、-19%、-39%。コンサル業界もガートナー-18%、アクセンチュア-35%と厳しい。半面、半導体ではサンディスクとマイクロンが四半期で+200%超と対照的な結果となった。

8. アラン・グリーンスパン氏死去 ― 18年半の在任の功罪


今週月曜、第13代FRB議長アラン・グリーンスパン氏が100歳で死去したと報じられた。4人の大統領の下で18年半にわたり議長を務め、在任中は「金融の神」とも称された人物だ。

アイズマン氏は、金利政策については大きな問題はなかったとしつつも、金融システム・銀行監督という役割については「明らかに失敗した」と厳しく評価している。在任中に大手銀行のレバレッジは少なくとも3倍に拡大したが、グリーンスパン氏は、「銀行は自らリスク管理できる」と信じて問題視しなかった。サブプライムローンの倫理的問題を複数の関係者から指摘されても、合法である以上は対応不要と考えていたとされ、これが後の世界金融危機の土壌を作ったとの見立てだ。

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