【宿泊記】マンダリン・オリエンタル リッツ マドリード -芸術の三角地帯に立つ116年前の邸宅-
2026年4月29日
スペインの首都マドリードを代表するラグジュアリーホテル
Mandarin Oriental Ritz, Madrid に宿泊してきました。

世界的な美術館が集まる“芸術のゴールデントライアングル”の中に位置し、1910年創業という歴史を持つこのホテル。
110年の歴史を経て、2020年に大規模改装が行われたことで、クラシカルな意匠を色濃く残しながらも、古さを一切感じさせない洗練された空間へと生まれ変わっていました。
歴史的建築ならではの重厚感と、現代的な快適性・美しさが高いレベルで両立されており、内装やインテリアの完成度は圧巻。
ハード面に関しては、これまで宿泊してきたホテルの中でも間違いなく最高峰だと感じました。
ずっと憧れていたホテルの前に立った瞬間の興奮は文字では伝えきれないほどです。


11時に荷物を預けるためにアトーチャ駅からタクシーでこのエントランスに辿り着きました。
Web LEONに掲載されていたドアマンに迎え入れられ
いざ貴族の邸宅の中へ


ホテル内に入って一番最初に目に入る景色のインパクトって大事だと思うのです。
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その空間のインパクトは、これまで日本で宿泊してきたラグジュアリーホテルとはまったく別次元のものでした。
日本の高級ホテルでは、静けさや余白を活かしたシンプルな空間の中に、盆栽や桜、石といった自然を取り入れたアートが配され、“癒し”や“和”を感じさせるデザインが多く見られます。
一方、リッツマドリードはまったく異なる方向性。
白亜の壁や大理石の柱を基調に、随所に施された金の装飾、シャンデリア、豪華絢爛なインテリアによって、ヨーロッパのラグジュアリーホテルらしい世界観へ徹底的に振り切られていました。
その非日常感は圧倒的で、「ヨーロッパの名門ホテルに泊まる」という体験そのものを強く実感させてくれる空間。
まさに、自分がヨーロッパに求めていたラグジュアリーそのものでした。

チェックイン手続きは済ませましたが、部屋に入れるのは15時からとのことで傘を借りて、王宮へ向かいました。

シベーレス噴水・宮殿、メトロポリス、フォーシーズンズマドリード、プエルタデルソルなどを通って、王宮へ到着。
王宮を楽しんだ後は、サバティニ庭園を通って地下鉄駅へ。
そこからレアル・マドリードのホームスタジアム、サンティアゴベルナベウのスタバに行って限定メニューを楽しむ。

ホテルに戻ってきたのは15時50分。
フロントデスクでカードキーを受け取り、最上階の客室へ向かいます。


客室はDeluxe Prado View Room
37㎡の部屋にはバスタブもついていました。
最上階の客室は壁が斜めになっていて、天井の窓からは太陽の光が差し込んでいます。



客室にはウェルカムスイーツとしてリッツのロゴが入ったアーモンドケーキが置かれていました。
これは単なるスイーツではなく、ホテル創設に深く関わったスペイン国王アルフォンソ13世の結婚式のウェディングケーキをモチーフにしたもの。
110年以上の歴史を持つリッツマドリードらしい、“物語を感じるウェルカムアメニティ”でした。

客室名の通り窓の外には世界四大美術館の一つプラド美術館が広がっています。

16時から入場可能なMuseo del Prado のチケットを事前にオンライン購入していたため、少し休憩した後すぐに再出発。
部屋から徒歩5分で到着するのが最高です。
プラド美術館は想像以上の規模。
館内の全作品に一通り目を通しつつ、事前に「絶対にじっくり見たい」と決めていた30点ほどを重点的に鑑賞していたのですが、気付けば2時間半が経過。
館内だけで1万歩歩いていたことには驚きました。

19時前に部屋に戻って、シャワーを浴びてから20時から予約しているホテル内のミシュラン二つ星レストラン「Deessa」に行く準備をします。
一夜限りの貴族生活なので、バーバリーの白シャツにユニクロのグレースラックス、フェラガモのローファーを合わせ、仕上げにユナイテッドアローズのジャケットを羽織って身支度を整えました。
ミシュラン1つ星はリッツ・カールトン大阪のフレンチレストラン「La Baie」で体験したことはあるが、2つ星は初体験。

店内に入ると、庭園のようなエリアでスープとアミューズをいただきました。
席に着く前からもう感動させられています。

いざ、席にご案内。

食事の詳細については別記事で紹介しているので、気になる方はぜひそちらも読んでいただければと思います。
率直に言って、これまでの人生で最も幸福感のある食事体験でした。
料理はもちろん非常に美味しく、味覚として完成度が高いのは言うまでもありません。
しかし、それ以上に印象的だったのは、皿の美しさや空間演出を含めた“体験”としての完成度。料理が運ばれてくるたびに、舌だけでなく目でも楽しませてくれるコースでした。
日本は「おもてなし」の国と言われるほどサービスレベルが高く、海外では日本ほどきめ細やかな接客はなかなか味わえないだろうと思っていました。
ところが、Deessa では、その印象が完全に覆されます。
料理を運んでくださる方も、説明を担当する方も、まず自分の名前を名乗った上で笑顔で会話をしてくれる。形式張りすぎず、それでいて一流の品格を保ったコミュニケーションがとても心地良かったです。
さらに驚いたのが、サービススタッフ同士の連携。
複数人による料理提供が、まるで阿吽の呼吸のように完璧なタイミングで行われており、その洗練されたオペレーションには感動すら覚えました。
日本の高級店は、丁寧であるがゆえに時として少し緊張感や堅さを感じることがあります。
一方でこの日の体験は、ユーモアあふれるスタッフたちが自然体で最高の時間を演出してくれるもので、終始リラックスしながら食事を楽しむことができました。
美味しい料理を食べた、というだけではなく、「人生の中で忘れられない時間を過ごした」と思える、最高の食体験でした。

食後は夜のリッツを味わうためにホテル内散策。
館内を写真を撮りながら歩いていると、スタッフの方が声をかけてくださり、通常は入ることのできないミーティングルームへ案内してくれました。
そこで見せてもらったのが、110年前の創建当時から残されている、リッツマドリードの紋章。
床に埋め込まれたその紋章には、マドリード市のシンボルでもある「クマとイチゴノキ」が描かれていました。
単なるラグジュアリーホテルではなく、マドリードの歴史そのものと共に歩んできた存在なのだと感じられる瞬間であり、改めて“伝説のリッツブランド”に宿泊していることへの感動が込み上げてきました。



部屋へ戻った後は、ローファーの靴磨きをお願いしてからバスルームへ。
大理石に囲まれたバスタブに浸かりながら、この日一日の出来事をゆっくり振り返ります。
王宮、プラド美術館、Deessaでの食事、そして夜のリッツ。
マドリードの芸術と歴史、そしてラグジュアリーを凝縮したような一日でした。
湯上がり後は、ふかふかのベッドへ。
ベッド上部の窓から差し込む月の柔らかな光を眺めながら、そのまま眠りにつきました。
翌朝
7:30にまず向かったのはプール。
入る時間はなかったので、見学だけでしたが、それだけでも大満足のプールです。


朝食会場に向かいます。
会場は昨日のディナーと同じDeessa。
ビュッフェスタイルのモーニングを楽しみます。
メニューが置いてあるので、別料金にはなりますが一品メニューも注文は可能です。







朝食をしっかり楽しんだ後は、腹ごなしも兼ねてホテル近くの公園を散歩することにしました。
公園の入り口付近で信号待ちをしていたのは、これまで見たことがないほど大型のメルセデス・ベンツ。
気になってよく見てみると、車体にはアーセナルのエンブレムと「Director」の表記がありました。
どうやら前日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ準決勝、アトレティコマドリード戦に合わせ、クラブ関係者がイギリスからマドリードへ来ていたようです。

ホテルから徒歩5分ほどの場所にある公園のレベルが、とにかく圧倒的でした。
園内へ入ってしばらく歩くと、大きな池が広がっており、その周囲では犬の散歩をする人、ランニングを楽しむ人、さらにはカヌーに乗る人の姿まで見られます。
観光地としての華やかなマドリードとはまた違い、そこには地元の人たちの日常がゆったりと流れていました。
ただ景色を楽しむだけではなく、その街で暮らす人たちの時間に少し溶け込めたような感覚があり、今回のマドリード滞在の中でも強く記憶に残る時間でした。

散歩を終えて、部屋に戻ると荷物を整理してチェックアウトの時間です。
トレド行きの電車のチケットを買っていたので、それに間に合わせるために11時にチェックアウトしました。

荷物は預けてボディバッグ一つでトレドに向かいました。
18時半頃、荷物を受け取りに一度リッツへ戻りました。
するとちょうどそのタイミングで、黒塗りのメルセデス・ベンツがホテル前に到着。
何気なく見ていると、車から降りてきたのは、なんと2026年5月現在男子テニス世界ランキング1位のS選手。
思わぬ遭遇に一気にテンションが上がり、慌てて一緒に写真を撮ったのですが、あとから確認すると誤って削除してしまっていました……。
ただ、それも含めて旅の思い出。
世界中のセレブリティやアスリートが集まるホテルらしい、まさに“リッツマドリードらしい瞬間”だったと思います。
冒頭にも登場したベテランのドアマンが、私たちを見るたびに「VVIP」と笑顔で呟いていたのが印象的でした。
そしてこの後は、そのままシナー選手が出場しているATP1000 MUTUA MADRID OPENの観戦へ向かいます。

芸術、歴史、美食、スポーツ。
マドリードという街の魅力をすべて凝縮したような滞在でした。
そして、その中心にあったのが、110年以上の歴史を持つ Mandarin Oriental Ritz, Madrid。
「いつか泊まりたい」と憧れていたホテルは、想像を超える体験を与えてくれる場所でした。
後日、Youtubeもアップするので見逃さないように保存しといてください。
