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【座談会】人事評価制度はどうあるべきか? アラフォー界隈のリアルな葛藤【すんでキャリア塾】


  • メンターA(会社員/バックオフィス担当/勤続20年弱)

  • メンターB(レジャー施設運営会社 代表)

  • すんで南(株式会社すんで取締役)

1. 人事評価制度がない組織のリアルと、導入に向けたハードル

「評価制度ゼロ」の現状と葛藤

メンターA:私のキャリアでいうと、新卒で入社し、アラフォーになるまで、同じ会社で勤務しています。実は、自社の評価制度について、改善点があるな..と感じているんです。僕自身には制度を改定する権限はありませんが、会社には意見を言いたい部分もあります。

そもそも「うちの会人事評価制度はどうなんだろう!?」と思ったとき、自分の会社が客観的にみて、どうなのかを知りたくて、今回、参加しました。長年勤務していますが、「ムカつくことがあったら辞めてやろう」という気持ちは、頭の片隅に常にあります(笑)。

メンターB: 私も人事評価制度に興味があって参加しました。私はレジャー施設の運営会社で、3拠点・社員数名とアルバイト多数を抱える「雇われ社長」の立場です。

評価制度でいえば、整備はしているものの、まだ発展途上です。
以前はネットの情報に流されて「360度評価」などを試したこともありました。ですが、自分が従業員として受けていた時代にそれほど納得感がなかったこともあり、一旦ゼロベースで検討し直しました。

小さな企業なので「いかに利益を出すか」で苦労していますが、利益はできるだけ従業員に還元したいと思っています。現状は新しい売上を作ったり経費削減をしたりと、会社にプラスになる成果を出した分を、昇給やボーナスで評価する仕組みです。

具体的には、半期ごとに出た利益から妥当と考えられる分を、ボーナスとして配分しています。店舗ごとに規模が違うので、箱(店舗)の大きさに左右されず「みんなで稼いだ分はイーブンに分配しよう」という考え方です。

ただ、人事評価のような、カチッとして、かつ客観的な制度が作れていなくて、社員6人の組織で本当にそれが必要なのかも含めて悩んでいます。

「すんで社」における評価テーブルの実例

すんで南: 「すんで社」を題材に考えてみると、人事評価テーブルをSからCまでの7〜8段階に分けています。

  • 基本給の体系: Cは30万円、Cプラスは35万円、Bは40万円と上がっていきます。

  • スタートライン:Cからスタートする人もいれば、もっと上のランクからスタートする人もいます。業界経験歴、スキルを判断し、面接を経てオファーします。

  • 給料計算: 事務メンバーは「基本給×14ヶ月(ボーナス2ヶ月分込み)」で計算します。例えば、Cプラス(35万)ならば、年収480万円換算です。宅建手当は別にあります。

メンターB: この評価は年1回ですか? 降給もありますか?

すんで南: 基本は年1回です。降給の実績はないですが、「著しい成果を出した」として、期の途中で昇格と評価した例はいくつかありました。

メンターB: 上司評価の基準で「いや違うだろ」「この作業無駄だな」みたいなズレが出てきませんか?

すんで南: 営業職は数字で割り切れます。「私はBランクを目指すから、X万円を売上げ目標にします」「あなたはCランクなので、まずはX万円を目標にしよう」といった目安があるので、わかりやすいです。

ただ、ご指摘の通り、非営業(事務・バックオフィス)メンバーだと難しい面はありますね。行動指針に基づいて目標を設定し、自己評価・上席評価を行っていますが、「積極的な行動」といった曖昧な表現ではなく「週にX本提案する」といった、より具体的な数値行動に変えていきたいと考えています。

2. 目標設定のギャップとマネジメント論

会社の思惑と本人のやりたいことの不一致

メンターB: 目標設定って、難しいですよね。すべて社員任せにすると、精度の高い目標が上がってこないというか、会社の期待していることと、社員がやりたいこととの、ギャップが生まれがちです。

従業員側と経営側では、戦っているフィールドや見えている情報量が違います。それは、構造上しょうがない部分もあるのは理解しているのですが。

「〇〇をやります!」という目標があっても、それを達成するためのアクションプランも大事ですね。スポーツに例えると、開幕前に「今年の目標は優勝です!」と宣言するのも大事ですが、どうやって優勝するのかのプロセスも、おろそかにすべきではない。

すんで南: 確かに「優勝する」はコントロールできませんが、「何をやるか(アクション)」は、自らがコントロールできることですからね。

メンターB: 本人がチャレンジしたいことと、会社としてやってほしい成果(売上・利益)がズレたとき、ミスマッチになりますよね。時間が有限である以上、そこのすり合わせは難しいと感じています。

バックオフィスの評価と「承認」の工夫

メンターA: 僕はバックオフィスに所属しているのですが、バックオフィスの評価って難しくて、周りの納得を得づらいんですよね。「なんであの人がA評価なの?」「同じような仕事をしていて何の差があるの?」となりやすい。新しい仕組み作りや変革点を、目標にしてもらうしかないと思っています。

すんで南: バックオフィスの場合は、採用人数の目標などの、わかりやすい指標に切り出したり、「この業務の工数を自動化して削減する」といった、プロジェクト単位の切り出し方にする工夫が必要ですね。

メンターB: 私個人の考えとしては、目標管理よりも「新しいアイデアや改善提案」に対して、積極的にインセンティブを出したいですね。小さな会社だからこそ、アルバイト・社員関係なく、現場の提案に予算をつけて、結果が出たらどんどん評価したいです。

ただ、最近の若い子って「大勢の前で怒られるのもイヤだけど、褒められるのもイヤ」って言いませんか? 朝礼で「素晴らしいアイデアでした!金一封です!」みたいに表彰されるのが恥ずかしくて、「そういうのは裏でやってください」と言われたりします。

すんで南: 最近思うのは、人って「賞賛」を求めているというよりは、自らの「貢献」を認めてほしい(承認されたい)のだと思います。
「誰も気づかないような雪かきをしてくれたことに対して、裏で『いつも助かってます。本当にありがとう』と言われることが、貢献していることを認められて嬉しい」というような感覚ですね。

また、「あなたが必要である」ということを伝え続けることが大切だと感じています。例えば、社員によっては、何かの制度変更などをしたときに「私は不要ってことなのかな」と、こちらの意図を誤解し、落ち込んでしまうこともあるので、声がけは心がけています。

スペシャリストか、マネジメントか

メンターA: 当社では、プレイヤーとして成果を出せても、その上のマネジメント層に昇格しないと、給料が上がらない仕組みなんです。例えば、スーパーセールスマンだけどマネジメントは苦手で、再現性が出せないという人もいるので、課題感を感じています。

すんで南:現場でプレイヤーとして頑張り続けたい、という思い、よくわかります。ただ、あくまでも私個人の考えですが、20代・30代の若いうちから「私は一生プレイヤーだ」と自分で可能性を狭めてほしくないという思いもあります。食わず嫌いをせず、マネジメントも一度はやってみて欲しいですね。

メンターB: 若手が「年収の増やし方」を聞いてこないという悩みもあります。「みんな1,000万円以上稼げばいいじゃん」と思って環境を作ろうとしても、諦めているのか、言えないのか……。

すんで南: そうですよね。当社でいうと、「あくまでも上を目指す、成長する、挑戦する」ということに、個々人としてもコミットする組織である、という定義付けをしています。

コミュニケーションミスがあると、お互いに不幸になるので、採用段階からの話にもなるかもしれませんが、目線合わせは大事ですね。

3. 評価制度と運用のテクニック

360度評価と社内投票のメリット・デメリット

メンターA: 昇格のタイミングで「全社員からの無記名投票」を実施しています。直近1年仕事をしていない人は辞退もできますが、上司の好き嫌いによる不公平感をなくすために取り入れています。

すんで南: なるほど。それはうまく機能していますか?

メンターA: 機能している面もありますが、目立たないコツコツタイプに票が集まりにくかったり、昇降格がかかっている人がロビー活動を始めたりという側面もありますね(笑)。

すんで南: 「みんなに好かれる人」って、悪く言えば「嫌われないだけの人」である可能性もありますからね。イーロン・マスクといったら大袈裟ですが、強烈な個性を出すタイプは、そうした制度からは生まれてこないリスクもあります。

不動産仲介ビジネスにおけるインセンティブと販管費

メンターB: 営業メンバーのインセンティブや手数料の仕組みはどうなっていますか?

すんで南: 営業はシンプルで、売上(仲介手数料)の10%がインセンティブになります。200万円の手数料より300万円の手数料を取った方が本人の手取りも増えるので、自発的に売上を最大化するモチベーションが働くと考えています。


まとめ

今回の座談会では、企業規模や業態の異なるリーダーが集まり、リアルな組織作りの課題が提示されました。

  1. 評価制度の形: 社内投票(360度評価)、数字重視の明確なテーブル、あえて評価制度を作らない還元型など、フェーズに応じた選択肢がある。

  2. モチベーションと承認: 単なる賞賛(表彰)よりも、本人の「貢献」を認め、必要とされている安心感を与えるコミュニケーションが重要。

  3. 自律した組織づくり: 会社が求めるベクトル(目標やマネタイズ)と本人の意思をすり合わせ、逃げずに向き合う姿勢が成長を生む。

参加者の感想
昨日は贅沢なディスカッションありがとうございました🙇‍♀️自社の評価制度に課題を感じる一方で他社の評価制度に踏み込んでお伺いする機会が無かったのでとても貴重な場でした!
少人数でしたが、アウトプット中心で楽しかったです。

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