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【売上公開】SUUMO広告費は不要。広告費0円で顧客が殺到する「すんで」の裏側を大暴露


登壇者:

  • 池崎 健一郎 氏(新都市生活研究所 代表取締役 / 以下、池崎)

  • (株式会社すんで 副社長 )


目次

  1. オープニングと自己紹介

  2. ベンチャー不動産業界のマトリックス分類

  3. すんで社の集客モデルと「居住者メンター制度」

  4. ユーザーとの直接的な接点とコミュニティ形成の重要性

  5. プロ営業マンの3大要素と組織・報酬設計

  6. 企業の成長ステージと組織マネジメントの壁

  7. 今後の情報発信戦略と「すんでラジオ」構想(まとめ)

1. オープニングと自己紹介

南: 不動産業界の歩き方ベンチャー編Vol3.ということで、すんでスクールを始めていきたいと思います。 よろしくお願いいたします。

 今回は、初期から「株式会社すんで」を応援してくださっている、新都市生活研究所の池崎さんをゲストにお迎えしました。

私は株式会社すんでの南と申します。
元々はデベロッパー(日鉄興和不動産)出身で、現在はすんで社の取締役として活動しています。

プライベートでは、妻と子供の3人で築地の明石町にマンションを購入して住んでいます。 東京出身、東京育ちです。

池崎: 南さんは、明石町にお住まいなんですね
湾岸エリアの対岸になりますが、非常に環境が良い街です。
築地とはまた違った雰囲気で、落ち着いた香りがしますし、深川エリアとも異なる、独特の魅力がありますよね。

南:ありがとうございます。
湾岸のタワマン群をみながら、いつも隅田川テラスを散歩しています(笑)。

池崎:改めまして、新都市生活研究所の池崎です。 よろしくお願いします。

私は元々、NHKにおりました。
NHK在籍中の31歳の時に、初めて「ブリリアマーレ有明」という1,085戸の大規模タワーマンションの理事会に入ったんです。

その時に
「なぜこんなに素晴らしい共用空間があるのに、誰も使っていないんだろう?」
という疑問を持ったんです。

そこから約6年間、マンション共用部の活用やコミュニティ活性化に、深く携わることになりました。

2019年に「一度区切りをつけよう」と、理事を辞めたのですが、直後の2020年に、コロナ禍という大きな変化が訪れ、それまで育ててきた集いの場が、一気に途絶えてしまいました。
2019年までは、毎日のように誰かが共用部にいて、夜になると満席になるような賑わいを作れていたので、非常にショックだったんです。

その後、2020年に「シティタワーズ東京ベイ」という別のタワーマンションへ引っ越しました。
それを機に、
「コロナが明けるタイミングで、人と人が直接繋がり合いたいという欲求がもっと高まるはずだ」
と確信したんです。

そこで
「自らタワマン内でイベントを企画し、あらゆるマンションの共用部を活性化させよう」
と決意して立ち上げたのが、現在の会社です。
現在は約45棟・23,700世帯の規模で、運営を行っています。

南: 池崎さんは、様々なタワーマンションの共用部でイベントや仕掛けを行い、住民コミュニティの活性化を強力に推進されていますよね。

不動産業界に本格参入されてからは、数年とのことですが、マンション理事としての実務経験とネットワークがあるため、業界構造に精通していらっしゃいます。

池崎: マンション理事としての期間が長かったですし、現在も関わっています。
近隣マンションの理事同士の繋がりなどで、リアルな情報を共有し合ううちに、自然と詳しくなっていったという背景がありますね。

南: マンション管理・居住者視点という独自の切り口から業界に入られたのですね。 興味深いです。


2. ベンチャー不動産業界のマトリックス分類

南: 本題に入りますが、現在のベンチャー不動産界隈を構造化するために、簡単にマトリックス図(エリア特化/非エリア特化 × インフルエンサー/非インフルエンサー)を作成してみました。


すんで社は、全体の中で見ると「非エリア特化 × インフルエンサー・コンテンツ活用」寄りの位置に存在していると考えています。

創業当初は「すんで埼玉」というアカウントからスタートしたこともあり、エリア特化型の色が強かったのですが、現在はエリアの枠を広げて、事業を展開しています。

このポジショニングマップをご覧になって、池崎さんはどのように感じられますか?

池崎: この整理は分かりやすいですし、的確ですね。

ここに登場する事業者の方々は、KIZUNA FACTORYの稲垣さんが立ち上げた不動産関係者の集まりなどを通じて、私自身も全員と交流があります。

「エリア特化か否か」
「インフルエンサー型か非インフルエンサー型か」
という軸は、現代の新しい不動産仲介のあり方を分類する上で、優れた切り口だと思います。

他には、大阪のタワーズさんのように、タワーマンションに特化しながらSNSでの発信力(Xなどで万単位のフォロワーを持つプレイヤー)を強みに展開する会社も出てきています。

南: ここ数年で急速に広がったムーブメントとして、SNS発の発信者やインフルエンサーが自ら宅建免許を取得し、不動産会社を立ち上げるケースが増加していますよね。

この潮流についてはどう分析されていますか?

池崎: 必然の流れだと思います。
Twitter(現X)などを通じてSNSで有益な情報を発信していると、一般ユーザーから自然と大量の不動産購入・売却の相談が集まるようになります。

相談に乗る中で
「無資格のままアドバイスをするよりも、自ら宅建業免許を取得して責任を持って媒介・契約まで担うべきだ」
という結論に至るプレイヤーが増えたのが要因です。

もう一つの大きな要因は、「リクルート(SUUMO)に代表されるポータルサイト一強のビジネスモデルに対するアンチテーゼ」です。

不動産業界や美容業界(ホットペッパービューティーなど)を含め、ポータル側が集客の蛇口を完全に握り、プレイヤー側に掲載費用を課す構造が存在します。

これに対し、この5〜10年はSNSやブログ、独自コンテンツを駆使して
「自前で顧客を集客する」
という動きが活発化しました。

ポータル課金依存から脱却し、独自集客モデルを確立したのが、現代のベンチャー不動産の特徴と言えます。

一方で、Terassさんのように、自社でのSNSを主軸とするのではなく、
「既に自分でお客さんを持っている強い個人エージェント」
に対して、住宅ローンの斡旋や法令遵守、バックオフィス機能を提供する「従来型のエージェント支援構造」で急成長している会社もあります。

このように、
「個人と人の繋がりで案件を育てるタイプ」と
「SNSなどの空中戦で広域から集客するタイプ」
に分かれているのが非常に興味深い点です。


3. すんで社の集客モデルと「居住者メンター制度」

南: すんで社の特徴は、一般的な不動産仲介会社のような広告宣伝費(SUUMO等へのポータル掲載料)を、抑えている点にあります。

従来の不動産流通は、ポータルサイトへの課金コストが高いために、利益率が圧迫されているという問題点がありました。
結局、利益をリクルートに吸い取られてしまうんですね(笑)。

すんで社では、一次情報による集客エコシステムを構築しており、その要となるのが独自で展開している「居住者メンター制度」です。

これは、各地域や特定のマンションに実際に住んでいる一般居住者(メンター)に、検討者からの一次的な相談に乗ってもらい、トスアップ後の成約時には、メンターへ紹介料をお支払いするという仕組みです。

SNSでの独自発信を行っている会社は増えましたが、こうした「一般居住者のネットワークを組織化したトスアップ制度」は珍しいですね。

池崎: メンター制度は画期的なビジネスモデルだと思います。

よくある「有名インフルエンサーを活用した集客」
ではなく、
「その街・そのマンションに実際に住んでいる普通の人に相談できる」
というコンセプトを事業として成立させている点が素晴らしいですね。

南:メンターの方々は、みんながみんな、発信が得意だったり、トークが巧みなわけではありません。
それでも「実際の暮らしを知っているリアルな居住者」として、サービスが成り立っています。

池崎:これはインターネットにおけるUGC(ユーザー生成コンテンツ)や、マンションコミュニティ掲示板のリアル版と言えます。
AI時代の今だからこそ、リアルな体験を持つ人間の情報が集まる場を作ったことは、非常に時流に叶っています。

南: 代表の岡野(すんで埼玉)は、楽天出身なのですが、楽天市場の事業を通じて「地方には素晴らしい商品を作っているのに、販路がないために埋もれている中小企業がたくさん存在する」という現実を見てきました。

その経験から、
「同じように、各エリアには、深い知見や愛着を持っている個人が埋もれているはずだ。その知見を正しくマネタイズできる仕組みを作れないか」

と考えついたのが、居住者メンター制度と不動産仲介を掛け合わせたビジネス構想でした。

不動産を購入する際、顧客が恐れるのは「営業マンの都合による売り込みや嘘(ポジショントーク)」です。

すんで社では、プロとしての安全な取引・コンプライアンスの遵守と、居住者メンターによる「誇張のない一次情報(生の生活感)」を組み合わせることで、顧客からの信頼を獲得している、と自己分析しています。

池崎: 従来の不動産業界出身者からは、出てこない発想ですよね。

業界の人間は
「プロである自分たちが一番詳しく、正しい」
と思いがちですし、責任のない素人の情報を集めて商売にするという考え方は、既存の営業スタイルの否定にも繋がりかねないためです。

しかし、マスコミ業界(NHKなど)でも同様の変化がありました。
昔は厳しい訓練を受けたプロの記者だけが情報を発信していましたが、インターネットの普及により、何十年も現場を見続けているアマチュアの観察者の方が、時にプロ以上に深く魅力的な情報を発信できるようになりました。

不動産業界においても「情報の民主化」が起きており、すんで社はその波を的確に捉えています。

不動産の実務知識を持たなかった創業者の岡野さんが理念を掲げ、そこに不動産デベロッパー出身で、法律や実務を完璧に固められる南さんのようなプロが合流したことで、強固な構造が完成したのだと感じます。


4. ユーザーとの直接的な接点とコミュニティ形成の重要性

南: すんで社では、集客とファン形成の基盤として「エリア特化型LINE公式アカウント」を20個以上、自社運用しており、全体で約2万人規模の登録者数を誇っています。

「すんで埼玉」「すんでTOKYO」「すんで海浜幕張」
など、地域や価格帯ごとに細分化し、現場感あふれる情報を、直接配信しています。


池崎: 複数アカウントの細かなLINE運用は労力がかかりますが、高いエンゲージメント(開封率・返信率)を生むための強力な手段ですね。

弊社(新都市生活研究所)でも、提携している各タワーマンションごとにLINEアカウントを開設して運用していますが、ユーザーと密に繋がるインフラとして欠かせない存在になっています。

南: 「すんでTOKYO」のエピソードですが、当初は、私が一人でひたすら住んでいた中野エリアなどのマンション情報を投稿し続けていました。

最初は登録者20人程度からのスタートでしたが、

「チラシを配って対面で30秒話すのと同等の価値があるコミュニケーションが取れている」

という実感があり、毎日愚直に継続したことで大きなコミュニティへ成長しました。

さらに、単なるオンライン上の繋がりに留まらず、東京・日本橋に開設した「日本橋オフィス」でのリアルイベントや、オリジナルアパレルを販売する「すんでSHOP」、エンジニアが集まる交流会「すんでエンジニアナイト」「すんでキャリア塾」「すんで投資クラブ」など、多角的なリアル接点を創出しています。

池崎: 不動産屋でありながら本気でアパレル物販を行うというのは一見異色ですが、接点を持つという心理的ハードルを極限まで下げ、ファンが集う遊び場を作るという意味で、上手い戦略だと思います。

弊社でも来月から、タワーマンションの枠を超えた取り組みとして、月島の古民家バーを貸し切った交流イベント「クラスバ部活」をスタートさせます。

美容、時計、車、投資など回ごとにテーマを定め、同じマンションや近いマンションの住民同士が、繋がれる場を提供します。

不動産仲介において、単に「家を買って終わり」ではなく、購入後の体験やコミュニティの基盤を提供し続けることは、将来的なリピートや紹介案件(複利的な効果)を生み出す上で極めて重要です。

一般的な大手仲介会社では、数年単位で店舗移動(転勤)が発生する組織構造になっているため、顧客や地域と永続的なコミュニティを築くという発想が生まれにくい傾向にあります。

ベンチャーだからこそ攻め込める、差別化ポイントですね。


5. プロ営業マンの3大要素と組織・報酬設計

南: すんで社では、営業マンに必要な要素として、以下の3大要素を再定義しています。

  1. 集客力  会社からトスアップされる質の高い相談案件を確実に成約へ導きつつ、自らもSNSやブログ等の「独自のタグ(得意分野)」を活用して相談接点を生み出す力。

  2. 決定力  顧客の意思決定をロジックで誠実に伴走・支援する力。 「もし顧客が新築マンションへ流れたとしても、その決断を尊重し、描く未来を一緒に喜ぼう」という、決断を応援するポリシー。

  3. 防御力 安心・安全な取引を保証するリーガル&実務遂行力。CloudSign(クラウドサイン)によるペーパーレス化、LINEやスラックによる迅速なレスポンスなど。

また「嫌なことを徹底的にやらない」という方針のもと、囲い込みの完全撤廃、無駄な社内調整やハンコ文化の排除などを実施しています。

給与体系に関しては、業界内でも高い安定性と成果還元を両立させた「成果のダイレクト還元モデル」を採用しています。

  • 基本給: 月給35万円(年間420万円) ※経験・スキルに応じた業界安定保証

  • 資格手当: 宅建手当 月3万円(年間36万円)

  • インセンティブ: 一律10%〜(青天井)

  • 想定年収モデル: 年間仲介売上3,000万円達成時で【年収756万円】

池崎: 基本給35万円が保証されながら、会社の集客エコシステムから再現性の高い相談がトスアップされる仕組みは、営業プレイヤーにとって非常に魅力的ですね。

歩合率だけを極端に高めすぎると、社内でチームワークが失われ、他人の案件をサポートするモチベーションが下がるという組織課題が発生しがちです。 基本給の安心感とフェアな還元バランスが取られている点は素晴らしい設計だと思います。


6. 企業の成長ステージと組織マネジメントの壁

南: すんで社の売上成長推移ですが、おかげさまで、6期目には売上11億円規模にまで拡大してきました。

今期(7期)は売上25億円(仲介売上4〜5億円、買取再販20億円、営業利益2〜3億円)の着地を目指しており、将来的には9期目に売上90-100億円(営業利益10億円)体制という成長目標を描いています。

しかし、売上規模が拡大し、メンバー数が増えていくにつれて、組織マネジメントにおける新たな壁に直面しています。

育成もあるので、単に営業人数を急増させれば売上が比例して伸びるという単純な世界ではありません。
育成コストとクオリティ維持のバランスを取りながら、慎重に組織拡大を進めている状況です。難しいし、日々頭を悩ませています。

池崎: 成長企業の組織運営において、リアルで普遍的な課題ですね。

創業初期の4〜5人規模の時期は、全員の顔が見えてコミュニケーションコストが極めて低いため、最も一体感がありスピード感も出ます。

しかし、メンバーが10人を超えてくると、社長やトップ1人の目が行き届く限界(8〜10人の壁)を迎えます。 そこからは、組織をチームに細分化し、中間管理職(マネージャー)を育成・配置して仕組みで回すステージへのシフトチェンジが必要不可欠です。

私自身も会社経営において、優秀なナンバー2(副社長クラス)を擁立し、「1を10にする実務・組織管理」と「10を100にする戦略・未来づくり」の役割分担を明確に定義したことで、組織の壁を突破できるようになりました。

7. 今後の情報発信戦略と「すんでラジオ」構想

南: 組織が拡大する中で、すんで社では昨年、共通の価値観として以下の「6つの行動指針(Action Guidelines)」を明文化しました。

  1. 10X: 常に10倍の成長と、顧客への10倍の価値提供を追求する。

  2. CRAZY: 業界の古い常識を疑い、イノベーションを起こす。

  3. DONE: 言い訳を排除し、自らのミッションを最後までやり遂げる。

  4. YAJIRUSHI: 問題が起きた際、原因の矢印を他者ではなく自らに向ける。

  5. GIVE: 見返りを求める前に、チームや顧客へ圧倒的な価値を提供する。

  6. FACT BASE: 曖昧な主観や感情ではなく、客観的な事実とデータに基づいて対話する。

こうした共通の思想を持ちながら、今後どのような発信やブランディングを行っていくべきか、アドバイスはありますか?

池崎: ベンチャー不動産において、特定の強い個人インフルエンサー「1人」の知名度に集客を100%依存してしまうと、そのメンバーが離脱した際に組織全体が立ち行かなくなるというリスクを孕みます。

その点、すんで社は個人の顔だけでなく「すんで」というブランドやプラットフォーム自体にファンがついている状態を作れているのが最大の強みです。

アドバイスとしては、「ポッドキャスト(音声ラジオ番組)」を定期配信することをおすすめします。

音声コンテンツ(ラジオ)は、制作負担が少なく、聴く側のユーザーにとっても「ながら聴き」できるという大きなメリットがあります。

南: 「すんでラジオ」、素晴らしいアイデアですね!ぜひ準備を進めて配信をスタートさせたいと思います。

記念すべき第1回目のゲストには、ぜひ池崎さんをお迎えさせてください。

池崎:はい、ぜひ!

本日は夜遅くまで、不動産ベンチャーの構造から組織論、今後の発信戦略に至るまで、大変深いお話をお伺いすることができました。 私自身にとっても自社の強みや課題を再整理する大変貴重な時間となりました。

ご参加いただいた皆様も、誠にありがとうございました!

池崎: こちらこそありがとうございました! 今後、すんでさんと、新都市生活研究所で連携して仕掛けていく新たなプロジェクトも控えておりますので、ぜひご期待いただければと思います。

引き続きよろしくお願いいたします!

(※現在、株式会社すんででは公式オープンチャット「すんでで働く、という選択」を開設しており、カジュアル面談も随時受け付けております。ご興味のある方はぜひご応募ください。)


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