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第4回【税理士試験・消費税法】合格を後押しした成績上位者と実務経験――最後の2点を埋めたもの|消費税法攻略

この記事は「消費税法攻略」シリーズの第4回です。
第1回では、49点、51点、58点を経て、4回目で合格するまでの全体像を書きました。
第2回では、3年目に58点で不合格となった原因を振り返りました。
第3回では、4年目にボールペンから万年筆へ変更したことや、講師に実際の問題の解き方を見せてもらった経験について書きました。
今回は、4年目に合格を後押ししたと感じる、次の二つの要素について振り返ります。

  • 成績上位者から刺激を受けたこと

  • 実務経験を生かしやすい問題が出題されたこと

 どちらも、自分一人の努力で得られたものではありません。
周囲から受ける刺激や本試験の出題との相性も、最後の数点に影響することがあると感じています。
 
【第1回】49点→51点→58点→4回目で合格。最後の2点を埋めたもの
【第2回】58点で不合格――細かい論点まで手を広げ、基礎で失点した3年目
【第3回】58点から見直した答案作成――万年筆と講師の解き方


成績上位者から刺激を受けた

4年目には、私が一方的にライバルだと思っていた受講生がいました。
相手が私をライバルだと思っていたわけではありません。こちらが勝手に意識していただけです。
 
その人は、計算の順位が10位以内に入るような人でした。計算が速く、正確で、成績も安定していました。
私から見ると、まさに「バケモノ」と思えるほどの実力でした。
 
私は当初、理論のCランクについては、捨てるつもりでした。
限られた時間の中では、AランクとBランクを確実に覚える方が効率的だと考えていたからです。
 
しかし、その人から、
 
「Cランクは覚えないのか」
 
という趣旨のことを言われました。
 
その一言が、社会人になってから忘れていた負けず嫌いな気持ちに火をつけたのだと思います。
 
「そこまでやるのなら、自分も覚えてやろう」
 
という気持ちになりました。
 
もちろん、すべての受験生がCランク理論のすべて覚えるべきだという話ではありません。
勉強時間や学習の進み具合によって、優先順位は異なります。
基礎が固まっていない状態で細かい理論に手を広げれば、かえって合格から遠ざかる可能性もあります。
 
ただ、私の場合は4年目であり、AランクとBランクについては、一定程度書ける状態でした。
最後の一年で、もう一段階自分を追い込むきっかけとして、その人の存在は大きかったと思います。
 
一人で勉強していると、
 
「ここまでやれば十分だろう」
 
と、自分で限界を決めてしまうことがあります。
 
近くに努力している人がいることで、自分ももう少し頑張ろうと思えました。
相手は、私が一方的にライバル意識していたことを知らないと思いますが、私にとっては、合格を後押ししてくれた存在の一人です。
 
もっとも、Cランク理論は本試験には出ませんでした。
 
それでも、Cランク理論を覚えたことが無駄だったとは思いません。
実際に出題されたかどうかにかかわらず、最後まで学習を続ける勢いや、自分で限界を決めない姿勢につながったからです。

実務経験を生かしやすい問題が出題された

合格に必要な要素として、もう一つ無視できないと感じているのが、出題との相性です。
もちろん、勉強をしていなくても、運だけで税理士試験に合格できるという意味ではありません。
理論暗記、計算力、問題を解く速度、時間配分など、合格水準まで実力を高めることが前提です。
 
そのうえで、

  • 得意な論点が出題されるか

  • 苦手な論点が出題されるか

  • 実務で経験した内容が出題されるか

  • 本試験当日に冷静に判断できるか

  • 致命的な勘違いをせずに済むか

 といった、自分では完全にコントロールできない要素もあります。
 
3年目の私は、居住用賃貸建物の問題で、普段であれば区別できていたはずの内容を間違えました。
 
一方、4年目の本試験では、私の記憶では、2割特例と全額控除を比較する計算問題が出題されました。
この問題では、税理士事務所での実務経験が、多少なりとも有利に働いたのではないかと感じています。
 
教材で制度を学んでいる場合と、実務で似た処理を経験している場合とでは、問題文を読んだときの理解の速さが異なることがあります。
私の場合は、たまたま実務経験を生かしやすい問題が出題されました。
これも、合格を後押しした一つの要素だったと思います。
 
どのような問題にも安定して対応できる受験生であれば、出題との相性による影響は小さいのかもしれません。
しかし、私のように、常に最上位を維持できるわけではない受験生の場合、最後に多少の運が必要になることもあると思います。
 
だからといって、運を待っていればよいわけではありません。
実務経験を生かせる問題が出ても、基本的な知識がなければ解答できません。
得意な理論が出ても、暗記していなければ書けません。
 
大切なのは、機会が巡ってきたときに、それを得点へ変えられるだけの準備をしておくことだと思います。

最後の2点を埋めたもの

私にとって、最後の2点を埋めたのは、一つの特別な勉強法ではありませんでした。
1年目から積み重ねた理論暗記と計算練習が、すべての前提です。
 
そのうえで、4年目には次のような変化や要素がありました。

  • 万年筆に変え、答案作成の負担を減らした

  • 講師の解き方を見て、問題文を整理する手順を見直した

  • 成績上位者から刺激を受け、自分で学習範囲の限界を決めず、Cランク理論にも取り組んだ

  • 実務経験を生かしやすい問題が出題され、その経験を解答に結び付けることができた

 4つの要素はそれぞれ性質が異なりますが、いずれも、それまで積み重ねてきた知識や経験を本試験の得点につなげ、合格を後押ししたものでした。
 
「最後の2点」は、何か一つの方法によって埋まったのではありません。
自分が時間を失っているところ、迷っているところ、勉強への勢いを失っている原因を一つずつ見直した結果だったのだと思います。
 
合格まであと少しの人ほど、知識量だけでなく、

  • どこで時間を失っているのか

  • どのような場面で判断を誤るのか

  • 勉強方法が固定化していないか

  • 自分で学習の限界を決めていないか

 を確認する意味があると思います。
 
合格できない原因が、いつも知識不足だけとは限りません。

おわりに

私は、1年目49点、2年目51点、3年目58点を経て、4年目に消費税法に合格しました。
 
不合格が続くと、自分の能力そのものを否定したくなることがあります。
しかし、点数に表れなくても、知識や経験は少しずつ積み上がっています。
 
一方で、同じ勉強方法を繰り返しているだけでは、同じところで失点する可能性があります。失敗を振り返り、前回の自分より少しでも改善できたという実感を積み重ねることが、合格への道筋になるのではないでしょうか。
 
また、自分とは異なる方法で合格した人の話を聞くことも、自分の勉強を見直すきっかけになります。
 
私は税法の勉強を始める前に、短期間で税理士試験に合格された先生に相談する機会がありました。その経験も、今振り返れば大きな財産です。
 
短期合格者のストイックな姿勢や、勉強に対する向き合い方について直接話を聞く機会があるなら、たとえ費用がかかったとしても、その機会を大切にしてほしいと思います。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
※本試験の出題内容や当時の状況については、私の記憶に基づいて記載しています。

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