3歳の息子に教わった、「人は自ら動く」ということ|こどもの教え③
仕事をしていると、よく「どうやって人と組織を動かすか」という悩みにぶつかります。
ビジョンを示す。ストーリーを語る。目標を与える。制度で支える。
どれも大事だと思います。
けれど、「動かそう」とすればするほど、現場とズレるような感覚もあります。
実際のところ、人は意味を見出したときに、自ら動く。
そんな当たり前なのに忘れがちなことを、3歳の息子とのやり取りで思い出しました。
今日の出来事
律人(りと、3歳の息子)は、保育園に入っておらず、ずっとママと一緒に過ごしてきました。
そんな中、この4月に幼稚園の入園式を迎えました。
しかし、それから律人は毎日「幼稚園いきたくない」と言って、ママを悩ませていました。
ここ1週間ほどは、幼稚園のあとに「お楽しみ」を用意したり、「2日に1回いく」というルールをつくったりして、少しずつ通っている状態です。
そんな律人に、今日、少し変化がありました。
例の「2日に1回」ルールに則り、昨日はお休みで、今日は登園する日でした。
朝は、なんとか送り出すことができました。
ただ、お迎えに行くと、「あしたはお休みする」とのこと。
やっぱりまだ、幼稚園に抵抗があるようでした。
その帰り道、なんとなく「今日は何したの?」と訊いてみました。
すると、
「ジャンボリミッキーおどったのが、たのしかった」
と教えてくれました。
「先生とえんてーで、あと、いるか組さんのおへやでおどったの」と。
いるか組は、ひとつ上の年中さんクラスです。
ずいぶんアグレッシブだな、と思いながら話を聞いていると、少し間をおいて、
「あしたは、ミッキーマウスマーチおどる!」
さっきまで「明日は休む」と言っていたのに、
気づいたら「踊りたいから行く」に変わっていました。
驚きました。
実際に起きていたこと
こちらは、ただ「今日は何したの?」と訊いただけです。
それをきっかけに、律人自身が今日の出来事を振り返り、
「あれ、楽しかったな」と感じ、
「またやりたいな」と思い、
「じゃあ明日も行こう」と決めた。
そんな流れが、自然と立ち上がっていました。
親が説得したわけでも、ご褒美を用意したわけでもなく、
本人の中で、「やりたい」が生まれていったのだと思います。
こういう変化を見て、思うことがあります。
親としては、つい心配してしまいます。
ちゃんと行けるだろうか。
無理していないだろうか。
嫌な思いをしていないだろうか。
けれど子どもには、楽しいことを自分で見つける力があります。
親の心配なんて、子どものパワーの前では塵のようなものかもしれません。
もちろん、ただ放っておけばいいという話ではないと思います。
親の関わり次第で、子どものしんどさは軽減されるかもしれない。
でもそれ以上に、本人が自ら乗り越えていく力のほうが、ずっと強いのではないかと感じました。
考えてみると
これは、子どもに限った話ではない気もします。
組織でも、「どうやって人を変えるか」を考えすぎてしまうことがあります。
ストーリーを語ったり、目標を与えたり、仕組みを整えたり。
それも必要ですが、それだけで人が動くわけではありません。
結局は、本人の中で「やりたい」が立ち上がるかどうかです。
そしてそれは、外から与えられるものではなく、
何かのきっかけで、内側から見つかるものだと思います。
無理に動かそうとするのではなく、
その人が自分なりの意味を見つけられる余白があること。
そして、ときどき一緒に振り返って、
それに気づくきっかけをつくること。
そういう関わり方を、大切にしていきたいと思います。
