PFCバランスの基礎〈まずはこの目安〉 | 食事 - 4
PFCバランスとは、食事における三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の割合のことです。
理想の比率は以下です。
タンパク質13〜20%
脂質20〜30%
炭水化物50〜65%
健康やダイエットでつまずく人の多くは、
・タンパク質過剰
・脂質過剰
・炭水化物不足
このようなの状態に陥っています。
どれか1つだけを増やしたり減らしたりすると、食事全体のバランスが崩れやすくなるからです。
このnoteでは、PFCバランスの基本、なぜ重要なのか、崩れやすい食事パターン、計算方法と整え方までを順番に解説します。
✅この記事でわかること
PFCバランスの基本的な考え方と目安
タンパク質・脂質・炭水化物それぞれの役割
PFCバランスが崩れやすい食事のパターン
PFCバランスの計算方法
👩🏫PFCバランスとは?
PFCバランスとは、食事における三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)の割合を指します。
理想のPFCバランスは以下です。

タンパク質(約4kcal/g):13〜20%
脂質(約9kcal/g):20〜30%
炭水化物(約4kcal/g):50〜65%
身体では常に、これらの三大栄養素を燃やしてエネルギーにしています。
三大栄養素はそれぞれ異なる役割を持っており、どれかを極端に増やしたり減らしたりすることで、他の栄養素のバランスが崩れます。
身体にとって最も効率のよいエネルギー源は炭水化物(糖質)であり、これが不足すると身体は脂質をメインエネルギーとして使うようになります。脂質はエネルギー産生の効率が悪く、慢性的な炭水化物不足は代謝の低下・疲れやすさ・脂肪の蓄積につながります。
それぞれの栄養素の役割は以下の通りです。
1. タンパク質(Protein) (約4kcal/g)
タンパク質は、筋肉・肌・髪など身体を作る材料です。
炭水化物や脂質が不足していると、摂取したタンパク質や筋肉を分解してエネルギーとして使いますが、エネルギー源としては効率が良くありません。
さらに、タンパク質中心の生活は、体臭や口臭など、デリケートな問題も引き起こしやすいです。
🔽タンパク質について、もっと詳しい情報はこちら
2. 脂質(Fat) (約9kcal/g)
脂質はホルモンや細胞の材料として必要です。
しかし、先ほども書いた通り、現代の食事では過剰になりやすい栄養素です。
おかず中心の食事や糖質制限では、炭水化物が減る代わりに脂質の割合が増えがちです。
脂質は安静時や日常生活のメインエネルギーとなりますが、糖質と比べるとエネルギー効率は低めです。


結果、脂質過剰・低炭水化物な食事は、疲れやすさやパフォーマンス低下に繋がります。
さらに、高脂質な生活は、お腹周りに内臓脂肪がついたり、ニキビができやすくなるなどといった、見た目のデメリットも多いです。
🔽脂質について、もっと詳しい情報はこちら
3. 炭水化物(Carbohydrate) (約4kcal/g)
炭水化物は身体の主要なエネルギー源であり、「糖質」と「食物繊維」から成ります。
糖質は身体の主要なエネルギー源であり、食物繊維は腸のエネルギー源です。
特に、脳や筋肉は糖質を優先して使います。
しかし、炭水化物が不足すると、身体は脂質やタンパク質をメインエネルギーとして使うようになります。
この状態では、代謝の低下や疲れやすさにつながります。
また、炭水化物不足は食欲の乱れやドカ食いの原因にもなります。
そのため、PFCバランスでは炭水化物を50〜65%確保することが重要になります。
炭水化物が65%以上になれば、カロリー不足・栄養素不足・タンパク質不足、乾燥肌などを引き起こします。糖質過剰による脂肪蓄積もあります。
🔽炭水化物について、もっと詳しい情報はこちら
💡 PFCバランスが重要な理由
PFCバランスが重要なのは、三大栄養素の割合を見ることで、食事全体の偏りを把握しやすくなるからです。
特に重要な点を2つお伝えします。
①必要な栄養素が充足しやすくなる
身体に必要な栄養素は三大栄養素だけではありません。
ビタミン・ミネラル・脂肪酸など、さまざまな栄養素が必要です。
PFCバランスを整えようとすると、主食・主菜・副菜をバランスよく摂ることになり、結果的に栄養素が充足しやすくなります。
このように、PFCバランスは「栄養バランス全体を整える指標」として機能します。
②身体のメインエネルギーが食事の内容によって決まるから
身体にとって最も効率のよいエネルギーは炭水化物(糖質)です。
・脳のエネルギー
・赤血球のエネルギー
・筋肉の運動エネルギー
これらは主に糖質を使います。

一方で、炭水化物が不足すると、身体は脂質やタンパク質をメインエネルギーとして使うようになります。
この状態では
代謝の低下
疲れやすさ
パフォーマンス低下
などが起こりやすくなります。
さらに、身体はよく摂る栄養素を優先的にエネルギーとして使うように適応します。
逆に言うと、炭水化物を減らし続けると、糖質を効率よく使えない状態になると言うことです。
このような代謝の仕組みは
・代謝の切り替え(メタボリック・スイッチ)
・エネルギー基質選択(サブストレート・セレクション)
・ランドルサイクル
などで説明されています。
そのため、炭水化物は50%以上確保し、主食・主菜・副菜をバランスよく摂ることが重要です。
⚠️ よくある誤解
身体づくりやダイエットに取り組み始めると、
「タンパク質をたくさん摂れば筋肉がつく」
「炭水化物を減らせば痩せる」
「おかず中心の食事の方が栄養価が高い」
といった考え方に行き着く人がまだまだ多くいます。
これらは一見正しいように見えますが、この考え方だけで食事を組み立てると、失敗します。
なぜなら、自分の食事のPFCバランスを意識せずに改善に取り組む人が99%だからです。
たとえば現代は「高タンパク質」をオススメされがちですが、実際はここ数十年、タンパク質の摂取割合は変わっておらず、低炭水化物・高脂質な食事となりがちです。

タンパク質:14~17%安定
脂質:7%→31%
炭水化物:79%→52%
ここまで脂質が増え、炭水化物が減った理由は、PFCバランスだけでは語れませんが、大まかにいうと
・肉食・お菓子の増加
・食物繊維(野菜・海藻類等)の摂取機会減少
などが考えられます。
そのため、タンパク質を増やすより、質の良い炭水化物を不足させないことの方が重要です。
🔥【実践】PFCバランスの計算方法
この章では誰でもすぐにできるPFCバランスの計算方法を紹介します。
各栄養素の1gあたりのカロリーは以下です。
タンパク質:4kcal/g
脂質:9kcal/g
炭水化物:4cal/g
自炊の場合は「カロリーSlism」や「カロミル」で食材を入力しましょう。
この時、材料から全て入力するのをお勧めします。より正確な情報となります。
また、コンビニ・外食の場合は栄養成分表を確認しましょう。
【例】飲むヨーグルト

タンパク質:4kcal/g × 7.9g = 31.6kcal (31.6 / 217 × 100 = 15%)
脂質:9kcal/g × 7.9g = 71.1kcal (71.1 / 217 × 100 = 33%)
炭水化物:3.75kcal/g × 28.6g = 107.25 (107.25 / 217 × 100 = 49%)
これを1品単位ではなく、1食、1日のトータルで理想のPFCバランスになるように整えることが重要です。
(1品単位だと、もはや生活が難しいレベルになります)
タンパク質:13〜20%
脂質:20〜30%
炭水化物:50〜60%
以上のように、日々の食事で意識的にPFCバランスを取り入れることが大切です。
1日分可視化するだけでもかなり意識が変わります。
🍳 PFCバランスを整える食事のコツ
現代社会は簡単に脂質過剰になる環境です。
この章では炭水化物を増やしてPFCを整える方法を紹介します。
PFCバランスは1日単位で考える
最初はざっくりでOK
完璧にやらなくていい
これを意識して、できるところから整えてみてください。
①1日トータルで考える
PFCバランスを整えるためには、1日の食事全体を通して考えることが重要です。
各食事でバランスを取ることが理想ですが、全体の中で調整することも可能です。
たとえば朝食で炭水化物が少なめであれば、昼食や夕食で調整することでバランスを保つことができます。
②3食食べる
3食食べるとエネルギー切れの時間や間食の量が減ることで、食欲が安定します。
現代人は朝ご飯を抜く人がかなり多いですが、朝から300〜400kcalは最低でも摂取できるとよいです。
③間食を利用する
間食を上手に利用することで、PFCバランスを整える手助けになります。
脂質が多い食事をしてしまったときは、干し芋・焼き芋・果物などを取り入れて炭水化物の比率を上げましょう。
メインエネルギーを炭水化物にする手助けをしてくれます。
④主食を増やす
主食を増やすことで、炭水化物の摂取量を適切に保つことができます。
特に日本食では、ご飯やパンなどの主食が重要なエネルギー源になります。
男性:ご飯1膳 180g程度/食パン(6枚切り)3枚
女性:ご飯1膳 150g程度/食パン(6枚切り)2枚
適量の主食を摂ることで身体に必要なエネルギーを供給し、PFCバランスを整えることができます。
⑤果物や芋系小鉢を追加する
果物や芋類を食事に取り入れることで、炭水化物やビタミン・ミネラルを補うことができます。
特に芋類は食物繊維も豊富で、消化を助ける働きがあります。
炭水化物を摂ると調子が悪くなったり、太りやすいと思っている方は、いきなり炭水化物を増やすのが怖い人もいると思います。
そんな方は、もっと具体的に細かく改善方法を解説している記事がありますので、よかったら読んでみてください。
❌ PFCバランスが崩れる具体例
PFCバランスが崩れるとき、
・おかず中心
・糖質制限・主食制限
・1日2食以下
これらが主な原因です。
具体的なNG例を紹介します。
①脂質過剰になりやすいパターン:おかず中心の食事
主食(白米・パンなど)よりおかずの方が栄養価が高い、身体によいと思ったら大間違いです。
メインのおかずは基本的に低炭水化物・高脂質のものが多く、おかず中心の食事は脂質過剰を引き起こします。
成人女性の具体例で考えてみましょう。
女性の1日の適正カロリーと脂質目安量は以下です。
・適正カロリー:約2,000kcal
・適正脂質量(25%):約55g(約495kcal)
たとえば生姜焼きであれば1人前15〜25gらしいですが、これだけで1日の脂質量の30〜45%程を達成してしまいます。

さらに炭水化物以外のおかずを増やせば、あっという間に脂質過剰になります。
解決策は、
ご飯1膳(150g)はしっかり食べること
果物や芋系の小鉢を追加すること
1日のPFCバランスを意識すること
などが考えられます。
ここで伝わってほしいのが、「脂質量が多いものを食べるな」と言っているのではなく、できる範囲でPFCを意識して食事を考えてほしいということです。
②炭水化物不足になりやすいパターン:糖質制限・主食制限

糖質を制限すると、必然的に脂質の割合が増えます。
糖質制限=炭水化物不足のため、エネルギー不足だけでなく、栄養素や食物繊維も不足します。
結果、ジャンクフードやおやつなどでカロリーカバーをしてしまう方が多いです。
カロリーすらとらない場合、肌や髪、骨、生殖機能の低下、ホルモンバランスのコントロール困難などが生じ、代謝の低下・疲れやすさ・ドカ食い衝動につながります。
③PFCバランスが崩れやすいパターン:1日2食以下
1日2食以下の食生活では、エネルギー不足になりやすく、PFCバランスが崩れやすくなります。
この状態では、食欲が乱れて、大きく2つのパターンに分かれます。
A)食欲が乱れるパターン
・暴飲暴食が起きる
・甘いものや高カロリースナックへの衝動が強くなる
・食間に強い空腹感が来る
・生理前などに定期的なドカ食いが起きる
・ストレス耐性が弱くなる
このような場合は、お菓子ではなく、ご飯・おにぎり・バナナなどの炭水化物を補給することで、食欲が落ち着くことが多くあります。
炭水化物は身体の主要なエネルギー源のため、不足している状態では、まず炭水化物を補うことが重要です。
B)食欲が低下するパターン
・逆に食欲が落ちて食事量が減る
・ストレス耐性が弱くなる
・食べない方が調子がいいと感じる
また、食事をするとパフォーマンスが下がる場合は、すでに消化能力や代謝が低下している可能性があります。
この場合は、抜いている主食を50kcal程度から少しずつ増やしていくとよいです。
エネルギー不足が解消されると、体力や集中力が改善するケースも多くあります。
🍠 おかずに+1品!オススメ芋系小鉢3選
PFCバランスを考える際に、ご飯だけで炭水化物(50〜65%)を達成しようと思うと、かなり難しいです。
実際、炭水化物の目標量をご飯だけで達成しようとすると、エネルギーは足りたとしても食物繊維や栄養素不足に陥ってしまいます。
そこで活用したいのが芋類です!
さつまいもやじゃがいもなどは、炭水化物としてカロリーも栄養素も優れており、PFCバランスを整えるのにも役立ちます。
1. さつまいも
かなり高栄養素でスーパーフードです。
エネルギー源としても優秀なので、お菓子をがっつり食べる前に、さつまいもを食べてみてください。

2. じゃがいも
思ったよりビタミンCが豊富な野菜です。
ご飯を食べたくないときにじゃがいもを食べるのはおすすめです。

3. かぼちゃ
なかなか摂りにくいビタミンAが豊富です。
粘膜や肌のターンオーバーを促してくれますので、花粉症などの粘膜系のアレルギーを持っている方にもお勧めです。

📝 まとめ
PFCバランスとは、タンパク質・脂質・炭水化物の割合のことです。

理想の目安は
タンパク質 13〜20%
脂質 20〜30%
炭水化物 50〜60%
このバランスを整えることで、身体のエネルギー・回復・代謝が安定しやすくなります。
そして、多くの人は
・タンパク質過剰
・脂質過剰
・炭水化物不足
の状態になりやすい傾向があります。
PFCバランスを整えるためには
1日トータルで考える
3食しっかり食べる
主食を減らしすぎない
芋や果物を活用する
などを意識することが重要です。
まずは完璧に整える必要はありません。
1日分を可視化するだけでも、食事の意識は大きく変わります。
PFCバランスは、身体づくりの最も基本となる考え方です。
まずはこの目安を意識するところから始めてみましょう!
