見えているのに、観測されないもの

橋の下、岩のそばで、ハトが眠っている。

数ヶ月前から、そこにある。

旦那は気づいていた。
近くに住む人も、気づいている。

けれど、カラスは気づかない。
死肉をあさるはずの生き物が、通り過ぎていく。

橋の下で雨風を凌ぎ、
その姿は、あのときのまま残っている。

中は、もう空かもしれない。

それでも形だけが残り、
そこに“あるもの”として存在している。

——見えているのに、観測されていない。



同じ川の、反対側には、
見えないまま生きているものがいた。

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