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屋久島のオクラそば名物ではないけれど忘れられない味

オクラそばは屋久島の名物ではありません。

ガイドブックで紹介されることもなければ、観光客がわざわざ食べに行くような料理でもありません。

それでも、私にとっては屋久島の夏を思い出す特別な料理です。

屋久島で働いていた頃、暑さで食欲がなくなった時によく食べていましたし、宿のお客様にもお出ししていました。

豪華な料理ではありません。

冷たいそばに刻んだオクラをのせて、つゆをかけるだけ。

とてもシンプルな料理です。

ですが、暑い夏には不思議と体が求める一杯でした。


畑で採れたオクラを使う

私が働いていた会社では宿泊施設だけでなく農業も行っていました。

畑ではオクラ、ナス、ジャガイモ、人参、玉ねぎなど、さまざまな野菜を育てていました。

農園のオクラ

夏になるとオクラは次々と実を付けます。

朝の農作業で収穫したオクラを、その日の昼や夕方には食べることも珍しくありませんでした。

スーパーに並ぶ野菜も十分おいしいですが、採れたてのオクラは鮮度が違います。

刻むと粘りがしっかり出て、香りも豊かです。

そのオクラを細かく刻み、冷たいそばにのせる。

ただそれだけなのですが、屋久島の夏にはぴったりの組み合わせでした。


40円の麺でも十分おいしい

自分で食べる時は40円くらいの安い麺を使っていました。

屋久島で買ったそば

当時はお金をかけるというより、とにかく簡単に作れて食べやすいことが大切でした。

もちろん、お客様にお出しする時はちゃんとした乾麺を使います。

それでもオクラそばの魅力は、麺の値段ではありません。

冷たいそばに刻んだオクラをのせて、つゆをかけるだけ。

オクラそばの仕上げ

暑さで食欲がない日でも、するすると喉を通っていきます。

豪華な料理ではありませんが、屋久島の蒸し暑い夏を乗り切るには十分でした。


豪華な夕食より喜ばれることもあった

当時、私は宿泊施設の食事も担当していました。

夕食には豚しゃぶやシイラのカルパッチョなど、お客様に満足していただける料理を提供していました

せっかく屋久島まで来ていただいたのですから、食事も楽しんでいただきたいと思っていたからです。

しかし、夏場になると事情が変わります。

旅行の疲れや暑さの影響で、

「今日は少し食欲がなくて……」

というお客様も少なくありませんでした。

せっかく用意した料理が並んでいても、なかなか箸が進まないことがあります。

そんな時に喜ばれたのがオクラそばでした。

冷たくて食べやすく、胃にも重くありません。

気が付けば一杯食べ終わっている。

そんな料理だったのです。


夏になると思い出す

今でもオクラを見ると、屋久島で暮らしていた頃の夏を思い出します。

朝の畑仕事。

汗だくになりながらの作業。

宿の厨房で夕食の準備に追われる毎日。

そして、少し疲れた日に食べた冷たいオクラそば。

屋久島のオクラそばは特別な郷土料理ではありません。

ですが、私にとっては屋久島の夏そのものを思い出させてくれる料理です。

派手さはありませんが、暑い季節になるとまた食べたくなる。

そんな忘れられない一杯です。

作務衣を着てオクラそばを食べている図

そばを食べる日は何となく甚平が着たくなります。外国人の人から見ると、分かりにくいですが、着物の簡易版みたいなジャパニーズ部屋着です。

日本の夏には、オクラそばのようなさっぱりした食べ物も魅力ですが、甚平のような涼しく快適な衣服も欠かせません。

これから甚平を探している方は、綿や麻素材のものがおすすめです。

私も今でも夏になると、つい甚平を着たくなります。


屋久島には有名な観光地だけでなく、そこで暮らした人にしか分からない日常があります。

このnoteでは、屋久島での仕事や暮らし、農業、食べ物など、実際に経験したことを中心に書いています。

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