第143話 生き方を変える病気だった、と今は思える
教員として働く中でうつ病を経験し、休職・入院・リワークを経て回復の途中にいます。
このnoteでは、うまくいかない日も含めた闘病の記録と、自己肯定感について綴っています。
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うつになったとき、
すべてを失ったと思いました。
仕事、役割、日常、未来。
あらゆるものが、崩れていく感覚。
あの頃の私には、
これが「病気」だとは思えず、
何かの罰のように感じていました。
そして、頑張ってきた自分への、
裏切りのように感じていました。
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病気が来る前の私
うつになる前の私は、
一つの方向にしか進めませんでした。
頑張ること。
成果を出すこと。
誰かの期待に応えること。
それ以外の生き方を、知りませんでした。
知らなかったというより、
考えたことがなかったと言う方が
正しいかもしれません。
「こうあるべき」という道を、
疑わずに走っていました。
走ることが、生きることでした。
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病気が道を塞いだ
うつは、その走ってきた道を完全に塞ぎました。
走れなくなった。
動けなくなった。
前を向けなくなった。
最初は、
その道に戻ることだけを考えていました。
早く治して、また走り始めよう。
以前の自分に戻って、また頑張ろう。
でも、戻れませんでした。
何度戻ろうとしても、
体と心が拒否しました。
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立ち止まって見えたもの
走れなくなって、立ち止まりました。
立ち止まると、周りが見えてきました。
一つの道しか見えていなかったのに、
他にもたくさんの道があることに気づきました。
ゆっくり歩く道。
遠回りする道。
立ち止まったまま、空を見上げる道。
どれも、走っていたときには見えませんでした。
そして気づきました。
私が走っていた道は、
本当に自分が選んだ道だったのだろうかと。
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病気が教えてくれたこと
うつは、私に多くのものを奪いました。
でも同時に、多くのことを教えてくれました。
休むことの価値。
弱さを持つことの豊かさ。
人に頼ることの温かさ。
「普通」でなくても生きていけることを、
教えてくれました。
そしてもう一つ。
自分がどう生きたいのかを、
初めて真剣に考える時間をくれました。
走り続けていたら、
一生考えなかったかもしれないことに
気づかせてくれました。
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生き方が変わった
うつを経験して、
生き方が変わりました。
頑張ることをやめて、
続けることを大切にするようになりました。
成果より、
今日を生きることを。
誰かの期待より、自分の声を。
完璧よりも、
不完全なままで前に進むことを。
この生き方は、
うつになる前には持てませんでした。
うつが、私に新しい生き方を教えてくれました。
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「生き方を変える病気」
今は、こう思っています。
うつは、
私の生き方を変えるために来た病気でした。
もっと続けられる速度に。
もっと自分らしい方向に。
もっと豊かな意味で。
あの道を塞いでくれなければ、
別の道には気づけませんでした。
病気を「良かった」とは言えません。
あの苦しさや絶望感は、本物でした。
でも、あの経験がなければ、
今の自分はいませんでした。
病気は、私の人生の方向を変えました。
そしてその方向は、
以前より少し、
自分らしいものになりました。
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おわりに
うつになったとき、
終わりだと思いました。
でもそれは、人生の終わりではなく、
新しい生き方の始まりでした。
病気になったから、
見えた景色があった。
違う生き方があることを知った。
今まで気づかなかった本当の自分がいた。
今、あなたは病気や困難の中にいますか?
今はまだ、
その意味が見えないかもしれません。
でも、立ち止まった場所にしか
見えないものがあります。
今のあなたの場所に、
何かが待っている。
今すぐわからなくても大丈夫。
意味は、後からついてきます。
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生き方を変える病気だったと、
今は思えます。
あの日の自分に、感謝しています。
よく、ここまで来てくれたと。

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