久しぶりの神戸元町レコード店|汎芽舎で過ごした夕方
ゴールデンウイーク最後の夕方、突如電車に乗って神戸元町へレコードを買いに出かけました。
車で行こうかとも思いましたが、連休で有料駐車場に停めれなかったらつらいのと、忘れかけてたICOCAのチャージが270円あったので10円単位のチャージをして、久しぶりの電車でのお出かけです。
時間的なこともあり、今日は一軒だけと決めてました。
今回の目的地は、ほぼ元町駅前の汎芽舎です。
いわゆる雑居ビルのレコード店は20年ぶりです。

ゴールデンウイーク最終日の夕方、神戸元町の中華街にほど近い飲食店街のど真ん中なので、あちこちのお店から笑い声や美味しそうな匂いがしてきて、「妻と来たら楽しかったのになぁ」と思いましたが、妻はいろいろ忙しく、娘も受験生なので、このゴールデンウイークは、誰も遊んでくれませんでした。
お店に入ると、数名のお客さんがいらっしゃいました。
同世代のオーナーさんと話をさせていただき、結構な長居をしてしまいました。やはり現役のレコード店主と話すのは楽しい時間で、あの頃を思い出しました。
僕がレコードを買うのを控えだした2015年からの10年のあいだに、この業界では何があったのか、そして今どういう客層がレコードを求めているかを訊く事ができて勉強になりました。
こちらでも、昨年から探し続けている田中フミヤのDJで耳にしたあの曲を訪ねましたが、わからずじまいでした。いつか本当に見つかるのかな?
そして、今回購入したのはこの2点。

コンピ盤Unity Vol.2とGlenn Undergroundの別名義The Enigma『Puzzle Project』です。
Unity Vol.2は現代のデトロイト~シカゴ系ハウスのコンピレーションです。Tyree Cooperの復帰作なども収録されていますが、個人的には、田中フミヤのあの曲を探し続けている時にネットで試聴したDorian Gig『Parallel Universe』です。
これは、重めのアシッドハウスに交じって、こんな日本語サンプリングが施されています。
「科学者はパラレルユニバースの問題を発見しました。これは人類の進化の新たな幕開けです。
未来とは、今なのです。」
声ネタをこのように文字にするとRicardo Villalobos『Samasai』とはまた違った怪しさがありますが、「未来とは、今なのです。」というセリフは、僕が普段から感じていた事でもあり好きなメッセージです。
こういった楽曲で日本語のサンプリングが入ると、言葉がスーっと脳に入ってくるので、そのインパクトに意識が持っていかれます。Orbital『One Big Moment』の未来感とも違い、Vanderkraft『Kimono Doux』ほどふざけてもいないので、ずっと気になってました。
Glenn Undergroundは店頭でお勧めされましたが、僕が好きなタイプのフュージョンハウス。店頭試聴しての一目ぼれです。
両面素晴らしいですが、B面『Schmoov』のシンセソロが泣かせます。
レコード店で、お客さんが探している曲を差し出せなくても、その路線のおすすめ曲を紹介する、その流れがとても懐かしくて、嬉しかったです。
オーナーとの会話を続けながら、ふと思いました。
僕や、あの頃 難波ロケッツ に通い詰めていた同世代の多くは、今は普通の中年(おっさん、おばはん)として暮らしているのかもしれません。
90年代当時に集めた12インチは、もう捨ててしまったか、あるいは実家の押し入れの奥で眠っているはずです。
でも、ふとしたきっかけでまたレコード店の階段を上がり、あの独特の匂いを嗅ぐと、当時の感覚が蘇ってくる。
そして指先が、勝手にエサ箱を掘り始めてしまうのです。
当時と違うのは、他人を押しのけてまで掘るのではなく、軽く1〜2枚選ぶだけになったこと。
僕のような「帰還組」が、今の若手DJたちとはまた違う熱量で、この文化の端っこを少しずつ温め直している。そんな気がしました。
このゴールデンウイークには、家族とアウトレットモールや観光地に行って過ごした、かつての見知らぬ戦友も多いでしょう。
中には僕のように実家で「あんたこのレコードまだ要るの?」とかつてのコレクションと再会した人もいるかもしれません。
願わくば、レコードブームに便乗した「あなたのレコード買い取ります!」という広告に問い合わせるような事なく、実家のかつての自室で埃をかぶったままのターンテーブルに1枚載せて鳴らしてみてほしいです。
きっと子育てが終わりかけた、僕らの世代の良い趣味になると思います。
ところで、今年に入ってから、ヤフオクでのVic Johnson、ブックオフでのMichael Jackson、そして今回。
僕は、もうこの辺で新規購入は打ち止めて、買ったレコードをじっくり聴いたり、DJごっこをしたりするターンに戻します。
まずはこの2枚を含めた自宅のレコードを耳に馴染むまで聴き倒すターンにします。
それにしても、DJごっこはピッチ合わせが難しいです。
セットの組み立てや、EQはそこそこできる印象ですが、やっぱりピッチが難しいです。ラベルをクイッと押したり、プラッターを軽く触ってブレーキかけたり。あぁーー、ほんとに難しい。
お店のオーナーにも「アナログDJやりましょうよ、紹介しますよ。」と言われたけれど、こんなおっさんがいまさら人前でやるなんておこがましいです。
でも、町内の夏祭りDJとかだったら面白いかも。
実は、僕の住む町には、僕以外にも90年代の大阪テクノシーンを生きたおっさんがもう一人いるのです。
ひょんなことで知り合った彼とは、昨年のJeff MillsのMix-Up 30th Tourにも、一緒に遊びに行きました。
彼もレコードを未だに所有していて、かつて掲載した大阪曽根崎のソレイユのレコード店の袋は彼からの提供です。
いつか、本当に彼とローカル夏祭りDJとして、、、なわけないか。
※今回訪れたレコード店はこちら
