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風に振り回される、予定と計画【島小#32】/離島の小学校編 32

この回は、 「また渡れなかった、その時間で【島小#31」 →「年度の終わりに、人と学びが結び直された夜【研#07】」 から続く、同じ時期の出来事です。
シリーズが行き来する中で、「また風か、連絡船の欠航か」と思われるかもしれません。
けれどこの頃、島の風と荒れる海が、次の物語へとつながっていったのです。

直接つながる前回の研修編👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。
海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。
島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。

少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。
予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、小さな学校と暮らしの記録として綴ってます。

今回は,外での自主研修から島に戻る際に風に翻弄される日々を描いています。

※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。


1 戻れるはずの朝、港で立ち止まる

西での自主研修会と懇親会を終え宿泊した翌朝、日曜日は7時前に起き、7時半にはビジネスホテルを後にしました。
昨日の研修会や人との交流の余韻が残る中、車に乗り込みました。
この日は,昼の第2便で島に戻る予定だったので、1時間あまりで自宅に寄って、前日の記録を整えると、すぐに港へ向かいました。

昼の便が来る頃に港へ着くと、いつも待っている連絡船の姿が見えませんでした。
島を9時に出ているはずなので、10時には着いているはずです。
待合所のシャッターも下りており、「これは1便が欠航したのか」と胸がざわつきました。
しばらくして10分遅れで船は姿を見せましたが、船員さんから告げられたのは「12時発の2便は島へは帰らないよ。」という一言でした。

港まで来ていただけに、正直ショックでした。
この時期の3便は16時発でしたが、それさえも出るかどうかわからないとのことで、島へ戻る見通しは立たないままでした。

2 空いた時間で、できることを探す

せっかくなら、その時間を使って学校用に新規購入したPC(コンクール入賞の町お祝い金で購入)を引き取りに行こうと考えました。
いったん、自宅のある市内まで戻り、店の11時の開店を待ち、PCを受け取ってから一度自宅へ戻り、昼食をとりながらメールの返信などを済ませました。

引き取ったPCも船に載せる必要があるため、少し早めに港へ向かいました。
船員さんの話では、まだ出航は未定でしたが、出航30分前になってようやく出ることが決まり、荷物を積み込みました。

沖へ出ると、さすがに波は高く、船酔いを避けるために目を閉じてじっと耐えました。
到着間際の時間に外を見ると、いつもと違う景色が広がっており、北風を避けて島の南側から入ったことがわかりました。
結果的に到着は30分ほど遅れましたが、何とか島へ戻ることができました。

3 夜になって、時間が追いつく

島に着いて夕食をとり、急ぎの仕事を済ませるため学校へ向かいました。
引き取ってきた新しいPCを取りあえず運ぶことにしました。
本当は設定まで進めたかったのですが、土日と朝が早かっただけにそこまで体力が持たず、寒さもあって宿舎に戻ることにしました。

宿舎ではまず風呂に入り、身体を温めました。
その後、翌日以降に備えて炊飯器をセットし、残っている仕事に目を通しました。
朝から落ち着かない1日だったことを、ようやく静かな部屋で振り返る時間になりました。
考えてみれば、慌ただしい土日だったなあ・・・と様々な出来事が思い出されました。

4 止まったのは移動だけだった

翌日は、ついに連絡船が全便欠航となりました。
島に渡ってきていたため、私自身の移動には影響はありませんでしたが、強風のため「プロジェクトI」のアンテナ設置ができず、計画は足踏み状態になりました。
今週中に決行しなければという焦りだけが、静かに積もっていきました。

一方で、仕事は待ってくれません。
卒業式まで残り1週間となり、通知票を何とか書き上げました。
前日に持ち込んだ新しいPCの設定もまだ終わっていませんでしたが、これまで使っていたプリンタが不調になり、新しいプリンタ(コンクールの副賞です)へ切り替える必要が生じました。

PCの設定とプリンタ接続を行い、サーバーの共有フォルダからデータをバックアップして移行する作業には、思いのほか時間がかかりました。
気づけば、カップラーメンを食べながら日付が変わるまで、学校に一人残っていました。

人と会い、学びが広がった研修の余韻とは裏腹に、島ではまた風に足を止められていました。
プロジェクトIも、年度末の仕事も、簡単には進ませてもらえない日々が、まだ続きそうでした。


※ 次回に続く・・・👇

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