見出し画像

学ぶ側だから見えた景色【島学#13】/離島の小学校三年目の学び編 13

2004年8月も終わりに近くなっていた。
夏休み最後の出張は、2日間にわたる県の体育実技講習会だった。
子どもたちの夏休みも終わりに近づく頃だったが、先生たちの夏はまだ続いていた。

1.7年ぶりの体育実技講習

この講習会は、文部科学省が西日本地区で実施する4日間の実技講習を受けた先生が、その内容を県内の先生方へ伝える「伝達講習」である。

4日間の講習内容を約2時間で伝えるのだから、講師を務める先生方も大変だ。
そのことはよく分かっていた。
というのも、自分も7年前、この西日本地区の講習に参加し、夏には県内で伝達講習を担当した経験があったからだ。

当時の会場は沖縄。
今年の講師の先生は山口で講習を受けてこられたという。

7年前は講師として参加した講習会に、今度は受講生として戻ってきた。
そんな少し不思議な気持ちで開講式に臨んだ。

2.炎天下でボールを追う

開講式のあと、参加者は4班に分かれ、それぞれローテーションで実技講習を受けていった。

自分の班は、午前中が「体つくりの運動」、午後が「ボール運動」だった。
午前中は体育館で、マットや跳び箱、なわとびなどを使った運動を体験する。

午後も当然体育館だと思っていたところ、案内されたのは屋外のグラウンドだった。

ティーアップベースボールに続いて、さまざまなコートを使ったサッカーが始まる。
暑さもあり、最初はほどほどに参加しようと思っていた。
しかし、ボールを追い始めると、つい夢中になってしまう。

気が付けば汗だくになり、講習が終わる頃にはすっかり力を使い果たしていた。
真夏の炎天下での実技は、想像以上に体力を消耗した。

3.誰が受講するのか

この講習会への参加は、講師としての1回を含めると今回で5回目になる。

各郡市に参加人数が割り振られ、それを校長会が各学校へ振り分ける仕組みになっている。
小規模校では参加できる教員が限られるため、どうしても同じような顔ぶれになりがちだった。

実際に会場を見渡しても、自分と同じくらいの年代か、それ以上の先生方が多かった。

もちろん、講習そのものは勉強になる。
しかし、こうした実技講習こそ、これから体育を担っていく若い先生方にもっと参加してもらえる仕組みが必要ではないかと思った。
誰が受講したのかをきちんと把握し、まだ受けていない先生を優先するような方法もあるのではないだろうか。

そんなことを考えながら初日の講習を終えた。

4.受ける側だから見えたこと

翌日も台風が近づいているとは思えないほどの暑さだった。

午前はハードル、走り幅跳び、リレーなどの陸上運動。
午後は体育館へ移動し、低学年向けのリレーや力試しの運動、走・跳の基本運動を体験した。

さすがに疲労はピークだった。
家へ帰ると、そのまま1時間ほど眠り込んでしまった。
目が覚めても筋肉痛が残っている。

若い頃なら、このくらい何ともなかったはずなのに。

それでも不思議なことに、実技講習を終えるたびに体重は1kgほど減っていた。
もっとも、その日の夜にビールを飲めば元に戻ってしまうのだが(笑)、それだけ暑さの中で体を動かいていたということだろう。

2日間の講習を終えて、もう一つ気になったことがあった。

最後の実技が終わると、そのまま解散になったのである。

7年前、自分が伝達講習を担当したとき、受講した先生方がどんなことを感じたのか、とても気になったことを覚えている。
だからこそ、今回も講習全体について感想や評価を書く時間があればよかったと思った。

受講者への配慮を感じる進め方をされる講師もいれば、自分たちのペースでどんどん進める講師もいる。
その違いは、受講する側だからこそよく見えてくる。

講習会場をあとにしながら、7年前には気づかなかった景色が、少しだけ見えるようになっていた。


次回に続く・・・👇

前回の話👇👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇

約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。 予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。 そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。

この話は、離島の小学校勤務2004年度当時の日記をもとに、島の学校編では収まらないプロジェクトや情報教育、外部との関わり等について描いていきます。 ※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。

マガジン離島の小学校三年目の学び編👇👇

マガジン離島の小学校三年目の学び編|熱中探究教室|note 離島勤務も3年目になると、学校の日常だけでは収まりきらない出来事が少しずつ増えてきた。 情報教育への取り組み、県小教研事務**note.com

離島の小学校編Season3マガジン👇👇👇


いいなと思ったら応援しよう!

熱中探究教室 応援いただいたお気持ちは、子どもたちの学びを物語として発信し続ける力となり、教育の現場で役立つヒントへとつなげていきます。