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ついに乗りました! 餅投げと新造船【島小②#31】/離島の小学校編Season2 31

2003年秋、島で10年に一度あるかないかの大イベント、新造船の就航が近づいていました。
そんな中、毎年恒例のお年寄りとの交流会、敬老ふれあい交流会が開かれました。

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。
予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。

そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。

このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。
2年目2003年の、Season2(2年目)2学期のお話です。

※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。


1.敬老ふれあい交流会という時間

2003年11月、新しい連絡船の就航が近づき、島の中もどこか落ち着かない空気になっていました。
そんな中、老人会の方々を招き、学習発表と交流を行う会が開かれました。
毎年恒例の行事ですが、今回は10月下旬に予定していたものが都合により延期され、本日の実施となりました。

各学級の発表は、多くの人の前に立つ貴重な機会です。
6年生は国語の教科書の朗読に取り組みましたが、ただ読むだけで終わらせず、場面ごとに描いた絵をプロジェクターで映し出しながら進めました。
昨年も使用した「発表名人」のスライドショーを活用し、今年はスマイル2の環境になったことでフル画面での提示が可能となり、表現の幅が広がっていました。

その後は、先日の音楽会と同じ曲による全校合奏が行われ、教師も一緒に演奏に加わりました。
会の最後には交流の時間が設けられ、昨年のように昔遊びを教わる形式ではなく、今年は事前の打ち合わせにより、世代を越えて一緒に楽しめるゲームを行うことになっていました。
ペットボトルを使ったボウリングやフルーツバスケットなど、単純ながらも盛り上がる内容で、子どもたちにもお年寄りにも大変好評でした。

昔の遊びを受け継ぐことにも価値はありますが、それ以上に「一緒に遊ぶ」という体験そのものが、距離を縮める大切な時間になるのだと感じました。
最後には「だまし船」という紙細工をいただき、こうしたさりげない知恵や温かさに触れることも、この会の魅力の一つでした。


2.島をあげての新船就航前夜

交流会が終わると、体育館の様子は一変しました。
明後日に控えた新連絡船の就航式典に向けて、準備のために一気に慌ただしくなったのです。
多くの来賓が訪れる予定で、島全体がその日を待ち構えている空気が伝わってきました。

中でも話題になっていたのが、餅投げです。
そのための餅つきが翌日行われると聞き、その規模にも驚かされました。
餅米はなんと1石分、約100升にもなるとのことです。
一升瓶100本分に相当する量と聞くと、その準備がいかに大がかりなものかが実感できます。
島にとって、この新船就航がどれほど大きな出来事なのかが、こうした準備の様子からもよく分かりました。


3.新連絡船就航、島の朝の高揚

そして迎えた就航当日、朝9時過ぎ、本土側からの1便が到着するのに合わせて、漁協前では餅投げが行われました。
地域の大きな行事でもあり、子どもたちと一緒に足を運びました。

船からは式典に出席する来賓の方々が次々と降りてきて、そのまま餅投げに加わります。
島の人々と来賓が入り混じる光景は、どこかお祭りのような一体感があり、私自身も思った以上に夢中になって餅を拾っていました。

その後、体育館では祝賀会が開かれていたようですが、校長先生が来賓として出席しただけで、学校は通常通り授業です。
6年生の児童の中には、姉が船体デザインを手がけたということでその姉が来賓として参加している子もおり、地域と学校のつながりの深さを改めて感じました。
授業ではプロジェクターを使いながら算数を進め、放課後には当番の子どもたちとともに漁協の水槽へ向かい、アワビのいけすの掃除や餌となる海藻の採集を行いました。
日常の営みは変わらず続いていきます。


4.ついに乗る、噂の新造船

ついに乗りました! 噂の新造船。(笑)

朝7時に島の港を出発し、7時30分には本土に着く予定なのですが、この日は衆議院選挙の繰り上げ投票があるので、出発は少し遅れて7時5分でした。
ちなみにその繰り上げ投票、またしてもテレビ局の取材が来ていて、しっかり昼のニュースに映ってしまいました。
困ったもんです。

船に乗ろうとして、まず目についたのが待合所の券売機です。
新しくなっています。
これまでの「新500円玉が使えない」とか「千円札でお釣りが出ない」とか、あの感じがなくなっていました。
あらかじめ小銭を用意しておく必要もありません。

船の大きさは以前と同じはずなのに、なぜか広く感じます。
少し縦長になったこととバリアフリーの影響でしょうか。
見慣れているはずなのに、ちょっと違う感じです。


5.いよいよスタート、その瞬間

いよいよスタートです。
すべるように動き出すときに、初めて乗る人たちから歓声のようなどよめきが起こりました。(ちょっとオーバーかも・・・。)

ほんとにスルスルという感じです。港内はスローなのですが、それでもなめらかな動きがわかります。
港から外海へ出て、スピードがでました。乗っている人たちから「速いなあ」という声が上がりました。
この日は海も穏やかで、揺れも少なく感じました。

5分遅れで出発したにもかかわらず、着いたのはほぼ7時30分。
以前は6時55分発で7時40分頃着でしたから、これはかなり速くなっています。
10年に1度あるかどうかの出来事に出会えたことになります。
前の船も経験しているからこそ、この違いがよく分かります。
ただ一つだけ気になります。海が荒れているときは、どんな感じになるのでしょうか。

それでも、この日の航海は快適でした。

次回に続く・・・👇

離島の小学校編マガジンSeason1👇

離島の小学校編Season2👇👇


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