東京の次は、漁船だった【島小②#43】/離島の小学校編Season2 43
前回、6年生たちを連れて東京へ向かい、表彰式や見学で慌ただしい時間を過ごしてきました。
振替休日をはさんで島へ戻ろうとすると、今度は連絡船のエンジントラブルです。
急遽、代船の漁船で帰島することになった2004年3月の島では、卒業や進学に向けた準備が一気に動き始めていました。
1.代船は、漁船だった
東京から戻ったあと、2日間の振替休日がありました。
そして、ようやく島へ戻ろうとした日に、今度は連絡船のエンジントラブルです。
急遽、代船として出ることになったのは漁船でした。
しかも海は少し荒れています。
「これは潮をかぶるな・・・」
そんなことを思いながら港へ向かいました。
代船の漁船には、思った以上に多くの人が集まっていました。
お年寄りの方々は小さな船室へ入っていきましたが、自分は外です。
感覚としては、電車で吊革につかまっているのに近いかもしれません。
ただし、50センチ前は海ですが。
外へ立つ乗客には、ビニール製の雨合羽が配られていました。
せっかくなので、島へ近づく直前に携帯電話で海を撮影しました。
波を切って進む小さな漁船の先に、見慣れた島影が見えてきます。

そもそも、いつもの連絡船は昼の便でトラブルを起こしていたそうです。
途中で寄港した港で、ロープがスクリューへ巻き付き、そのままエンジンが焼き付いてしまったとのことでした。
部品待ちのため、しばらく本土側で動けないらしく、それまで代船生活が続くようです。
東京から帰ってきたと思ったら、最後は漁船で帰島です。
2.当事者は知らないのに
代船が島へ到着したのは18時頃でした。
普通なら、そのまま宿舎へ戻りたいところですが、そうもいきません。
しばらく学校を空けると、仕事はきれいに積み上がっていきます。
結局、その足で学校へ向かいました。
職員室へ入ると、机の上には書類の山です。
東京行きの会計報告や返金処理、卒業関係の準備、年度末の書類。
しかも、しばらく顔を合わせていなかった先生方との話もあります。
気がつけば、時計は21時を回っていました。
翌日は、子どもたちが育ててきたアワビの放流です。
その準備のため、エチルアルコールやブルーシートなども買い込んでいました。
そんな中、19時前だったと思います。
突然、他の先生の携帯電話へ友人からメールが入りました。
「明日、アワビ放流するん?」
そんな内容だったそうです。
ところが、その先生は不思議そうな顔をしています。
「いや、そんな話してないんやけど・・・」
どうやら地元民放のニュース予告で、翌日の放流予定が紹介されていたらしいのです。
当事者のこちらが知らないうちに、テレビでは明日の予定として流れている。
「これは絶対決行せないかんな」
職員室では、半分冗談のようにそんな声も出ていました。
もっとも、そのあと校長先生は、きちんと確認の電話を入れていましたが。
東京から帰ってきたばかりなのに、今度は地元テレビです。
小さな島の学校なのに、次から次へと慌ただしいことが起きます。
※翌日の実際の放流の様子こちら👇
3.中学生になる前に
数日後、6年生たちは隣の中学校へ体験入学へ向かいました。
午後から、中学生と一緒に授業を受けることになっていたのです。
授業は体育でした。
グラウンドでは、中学生に混じってサッカーをしています。
最初は少し様子を見ていましたが、特に問題もなさそうだったので、途中から自分は中学校の職員室へ上がらせてもらいました。
そこで話題になったのは、来年度の小学校のことでした。
6年生3人が卒業すると、児童数は一気に減ります。
以前から話には出ていましたが、行事をどうするのか、学校同士で協力できることはないか、そんなことを改めて話し合っていました。
グラウンドでは、さっきまで小学校にいた子どもたちが、中学生に混じってボールを追いかけています。
その姿を見ながら、「もう卒業なんだな」と改めて感じていました。
授業後は、保護者も加わって入学説明会でした。
子どもたちを下校させたあと、自分は再び中学校へ戻り、生徒指導関係の引き継ぎを行いました。
卒業式の準備、年度末の処理、進学への引き継ぎ。
次々に仕事が重なっていき、何をしているのかわからなくなりそうな毎日でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。。
次回に続く・・・👇
前回の話👇
◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇
約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。
予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。
そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
▶ 離島の小学校編Season1〜教室とくらしの物語 マガジン
このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。
2年目2003年度の、Season2(2年目)3学期のお話です。
※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。
離島の小学校編Season2👇👇👇
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