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手段が、目的になっていた 【島総②#09】/vol3 アワビいっぱい編/離島の総合的な学習② 

テレビ会議を使った県の東西の学校間交流は続いていました。
でも、それが本当に「交流」になっているのか、少し気になり始めていました。

前回の話 離島の総合的学習の時間②#08👇

本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

これまでの実践してきた総合的な学習の時間の記録です。

今回は、県内で唯一の離島にある小学校に赴任して2年目、2003年度(平成15年度)に行った総合的な学習の時間の実践記録です。
交通も通信も限られた島で、子どもたちにどんな力を身に付けさせたいのかを考えながら、地域と関わる学びやICTを活用した取組を進めてきました。

1年目には、島の海の魚介類を調べてまとめた「おさかな天国 海辺のデジタル図鑑」に取り組み、マイタウンマップ・コンクールで農林水産大臣賞をいただきました。 ▶ おさかな天国(離島の総合的な学習の時間①)

この「アワビいっぱい編」では、年度後半のアワビの中間育成・放流の実践を軸にしながら、そこへ至るまでの前半の学びとして、他地域との交流、ICTスキルの定着、発信に向けた準備段階も含めて、2年目の1年間を通した取組を記録しています。
単元単位ではなく、「学びが形になるまでの時間」そのものを描いています。
※本文中の地名・学校名・人名等は仮名を使用しています。


1 動き出す単元と、地域の後押し

2003年9月、2学期の総合をどう始めるか考えながら、仕事が終わったあと、漁協の組合長さんの家を訪ねました。

アワビの中間育成をやる以上、聞いておきたいことやお願いしたいことがいくつもあったからです。
頭の中では形になりつつあったのですが、どこか決めきれない感じも残っていました。

実際に話をうかがってみると、その迷いが一つずつ消えていきました。
「それならこうすればいい」と具体的に見えてきたことも多く、何より「全面的にバックアップするよ」と言っていただけたのが大きかったです。

正直、「これでいけるな」と思えました。
以前にも、研究所を訪れて、様々なことを教えていただいています。

とはいえ、環境が整っただけで、子どもたちの学びが自然に動き出すわけではありません。
どうすれば自分たちで動き出せるか、そのための仕掛けを考える必要があります。

これまでいろいろな場面でこの構想を話してきただけに、もう後には引けません。
有言実行といった感じで自分を追い込んでいます。

それでも、アワビの稚貝と子どもたちが出会う場面を思い浮かべると、わくわく感が止まりませんでした。


2 子どもに任せてみたテレビ会議

そんな準備と並行して、テレビ会議の進め方も少し変えてみることにしました。

昼休み、あらかじめ打ち合わせていた通り、今回は子どもたちにすべて任せて進める形にしました。
教師はできるだけ関わらず、子ども同士でやり取りをつくる時間です。

終わったあとに様子を聞いてみると、
「思ったほどは盛り上がらなかった」
というのが正直なところだったようです。

話題が続かなかったり、少し間が空いたりする場面もあったようでした。

やっぱり簡単にはいきません。

ただ、うまくいかなかったからこそ見えてきたこともありました。
子ども同士でやり取りをつくるというのは、思っている以上に難しいということです。

それでも、このまま続けていく意味はあると感じていました。


3 何のための交流なのか

会議のあと、相手校の先生と今後の進め方について話し合いました。

まず出てきたのは、「そもそも何のためにテレビ会議をするのか」という話でした。
相手校からは、低・中・高それぞれの学習に合わせて活用したいという提案がありました。

こちらからは、総合的な学習の時間の中で取り組んだことを発表したり、報告したりする場として使いたいと伝えました。
交流そのものではなく、学びをやり取りする場にしたいという思いです。

話していくうちに、全校でのイベントのようにやるのではなく、目的を持って続けていくことが大切だという点で意見が一致しました。

テレビ会議は、やればいいというものではありません。
どう使うかで、その意味は大きく変わってきます。


4 画面の向こうから、実際の出会いへ

そんなやり取りをしていたある日の夕方、1通のメールが届きました。

テレビ会議で交流している相手校の先生からで、「そちらへ行きたい」という内容でした。
日程についての相談です。

相手校は県の西の端、こちらは東の端にあります。
時間が限られた連絡船も使わなければなりません。
こちらからは5月に訪問していますが、距離的にも時間的にも簡単な移動ではありません。

それでも、これまで続けてきたテレビ会議があったからこそ、「実際に会う」という話が自然に出てきたのだと思いました。

短い時間になるかもしれませんが、だからこそ意味のある時間にしたい。
そしてできれば、そのときまでに総合の単元を少しでも進めておき、子どもたちの学びを見てもらえたらと思うようになりました。

画面の中でつながっていた関係が、少しずつ現実の場へと動き始めています。

2学期は、ここからまた一段、面白くなりそうです。


次回に続く・・・


総合実践のvol3、アワビいっぱい編(マガジン離島の総合的な学習の時間②)👇👇

総合実践のvol2、おさかな天国(マガジン離島の総合的な学習の時間①)👇👇👇

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