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1000番なのに、何も起きない日々でした【島小②#35】/離島の小学校編Season2 35

1000番という番号に出会いました。
特に何かあったわけではありませんが、 2003年の師走の学校では、なんとなく印象に残ることが続いています。

1.たぶん、999番のつづき

12月の朝、まだ暗い時間に連絡船に乗っていました。
6時半頃、船内はいつものように静かで、出航を待つだけの時間です。

そこへ乗ってきた中学生の子が、
「先生、乗船券もう渡した?」
と聞いてきました。
何のことかと思っていると、
「それ、1000番じゃないのか」
と言うのです。

そんなことあるのかと思いながら確認してみると、確かに「1000」と書いてありました。

たぶん、その子は999番だったのでしょう。
だから気づいたのだと思いますが、こちらとしては言われるまでまったく気づいていませんでした。

それなりに区切りのよさそうな番号ですが、特に何かあるわけでもなく、記念品もなければ放送もありません。
そのまま普通に改札に渡して終わりです。

少しだけ話題になって、それで終わりました。


2.来て、すぐ帰る話

その日の昼、液晶ペンタブレットのWACOMの担当の方が島まで来られました。
事前に連絡をいただいて、船の時間などを伝えてあったのです。

到着は昼の便で、帰りは14時30分の最終便。
実際に動いてみると分かりますが、思っている以上に余裕はありません。

機器をつないで使わせてもらうと、画面に直接書ける感覚が自然で、思わず「これはいいな」と感じました。
筆圧も効いていて、線の出方がペンに近いのです。
おそらくエディオという機種だったと思いますが、細かい型番よりも、とにかく使いやすいという印象が先に来ました。

せっかくなので子どもたちにも触らせてみると、1年生はすぐに絵を描き始め、6年生は地図ツールを使って操作していました。
新しいものに対して、迷いがありません。

船の時間までの間に、隣の中学校の先生にも見てもらいました。
絵を描くのが好きな先生にペンを渡すと、そのまましばらく描き続けています。

気がつくと出航10分前くらいで、私たちの方がヒヤヒヤしました。
時間はまだ大丈夫だと思っていたのかもしれませんが、島ではその「少し」が案外あぶないところです。

「どうせなら朝から来ればよかったですね」
と言いながら、急いで戻っていかれました。


3.2時間で終わるはずなのに

学校では通知票を書いていました。
教室にはストーブが入っていて、その前に座っていると、外の風のことを一瞬忘れます。

人数が少ないので、書く量としてはそれほど多くありません。
実際、2時間ほど集中すれば一通りは終わりました。

ただ、それで終わるわけでもありません。
学級の分とは別に、学校全体の帳簿や事務作業がいくつも残っています。
むしろこちらの方が時間を取られるのかもしれません。

一つ終わったと思ったら別の書類に手を伸ばす、そんな流れがしばらく続いていました。


4.もうすぐ卒業なのだと思う

5校時にお楽しみ会がありました。
以前の学校でも学期末にクラス単位で行ったことはありましたが、この学校では全校で行います。
2学期の最後の行事として、年間計画の中にもきちんと位置づけられているものです。

前の学校では、グループごとに劇などの発表をしていました。
ちょうど和菓子プロジェクトを終えた直後で、子どもたちがまとまっていて、あのときはあのときで、かなり盛り上がった記憶があります。

それと比べると、こちらはもっと素朴です。

運営は6年生の児童会が中心になり、各学級ごとにみんなで楽しめるゲームを考えて、それぞれが進行していきます。
人数が少ないので、誰かがやるというより、その場にいる全員でつくっている感じです。

内容としては特別なことをしているわけではありませんが、それぞれの学級なりに考えているのが分かります。
進んでいくうちに自然と笑いが出て、気がつくと全体がゆるくつながっていました。

こういう形で進んでいくと、無理に指示を出さなくても場が動いていきます。
子どもたちに任せていると、自然に役割を見つけて動き始めるようです。

こういう場は、自主性を育てる意味でも大切なのだと思います。

途中で、子どもたちのハンドベルの演奏もありました。
こういう場で音が揃うと、それだけで少し空気が変わります。

進行している6年生を見ていると、特に声を張り上げるわけでもなく、必要なところでさっと動いていました。
前に出て引っ張るというより、流れが止まりそうなところに自然と入っていく感じです。

ああ、もうすぐ卒業なのだと思いました。


5.この時間は、別かもしれない

その日の夜は、旅館で2学期の反省会(忘年会)でした。
教員だけでなく、調理員さんや用務員さんも一緒です。

テーブルには、ヨコの刺身やナマコ、サザエ、ナガレコが並んでいました。
ナガレコはちょうど解禁されたばかりで、今が一番いい時期とのことでした。

ナガレコというのは、簡単に言えばアワビを小さくしたようなものです。(もちろん種類が違いますが。)
煮付けで食べると美味しいのです。

こういう場になると、昼間とは少し違う話になります。
学校のことも出ますが、それだけではなく、島のことや日々のことが自然と混ざってきます。

若い先生たちが用意していたゲームも始まり、思ったよりもにぎやかになりました。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回に続く・・・👇

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇

約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。
予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。
そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
▶離島の小学校編Season1〜教室と暮らしの物語

このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。

2年目2003年の、Season2(2年目)2学期のお話です。
※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。

離島の小学校編Season2👇👇👇

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