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気がつけば水槽ができていた 【島総②#14】/vol3 アワビいっぱい編/離島の総合的な学習② 

2003年秋、ゲストティーチャーから、アワビの扱い方を教えていただきました。
特に、稚貝を傷つけずに取り外す方法が分かったことで、これまでできなかったことが一つ可能になります。
「学校でもできるのではないか」 そんな発想が、次の動きにつながっていきました。

前回の話 離島の総合的学習の時間②#13👇

本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

これまでの実践してきた総合的な学習の時間の記録です。

今回は、県内で唯一の離島にある小学校に赴任して2年目、2003年度(平成15年度)に行った総合的な学習の時間の実践記録です。
交通も通信も限られた島で、子どもたちにどんな力を身に付けさせたいのかを考えながら、地域と関わる学びやICTを活用した取組を進めてきました。

1年目には、島の海の魚介類を調べてまとめた「おさかな天国 海辺のデジタル図鑑」に取り組み、マイタウンマップ・コンクールで農林水産大臣賞をいただきました。
▶ おさかな天国(離島の総合的な学習の時間①)** **

この「アワビいっぱい編」では、年度後半のアワビの中間育成・放流の実践を軸にしながら、そこへ至るまでの前半の学びとして、他地域との交流、ICTスキルの定着、発信に向けた準備段階も含めて、2年目の1年間を通した取組を記録しています。
単元そのものではなく、「学びが絡み合う時間」を描いています。 ※本文中の地名・学校名・人名等は仮名を使用しています。



1.「学校でも育ててみよう」という判断

ゲストティーチャーのY先生からアワビの扱い方を教えていただいたことで、一つの考えが浮かびました。
漁協での中間育成とは別に、学校でも水槽を設置し、飼育してみようというものです。

漁協の水槽は海水が循環する理想的な環境ですが、周囲がやや狭く、じっくり観察や作業を行うには不便さもありました。
その点、学校であればいつでも目にすることができ、子どもたちの意識も継続しやすくなります。

漁協の水槽

もちろん、漁協での活動も続けます。
当番でエサやりや掃除に通うことは、子どもたちにとって大切な役割です。

その上で、学校の水槽は「成長記録をとるための場所」として位置付けることにしました。


2.離島でそろえるということ

こうして水槽の設置を決めると、次は準備です。
島から戻ったその足で、買い物に走りました。養護の先生に頼まれていたMOディスク(懐かしい)の購入や書籍の受け取りもありましたが、この日の中心は水槽と関連機器です。

翌日には島へ運ばなければならないため、水槽はガラスではなくアクリル製のものを選びました。
かなり大きなサイズで、内部を仕切り、2種類のアワビを育てる計画です。

さらに、屋外に設置するための大型循環器も購入し、ホームセンターでは塩ビパイプを縦に割ったものや波板などもそろえました。
これらはアワビが張り付くための“住みか”になります。

こうした一連の購入には、今年度も応募して採択された研究助成金を充てています。
こうした制度があると、思い切った環境づくりにも踏み出すことができます。

こうした用具も、本土であれば思いついたときにすぐそろえることができます。
しかし離島ではそうはいきません。

買い物そのものが計画的な仕事になり、「今のうちに全部そろえる」という判断が求められます。


3.つくる活動が学びになる

島に帰った翌日の放課後、いよいよ水槽の設置と準備を行いました。
大きな水槽を分割するためのセパレーターを取り付け、循環装置を組み立てていきます。

さらに、アワビが張り付くための波板にも加工を加えました。
この作業は子どもたちと一緒に行いました。

塩ビ製の板に穴を開けるために、空き缶を熱して溶かすという方法をとります。
道具が限られる中で工夫して進めていくこの作業は、まさに“つくる学び”そのものでした。

ふと振り返ると、この年はこうした工作のような活動がやけに多い気がします。
しかし、その一つ一つが学びにしっかりつながっている実感もありました。


4.海水とアワビを運ぶ

水槽を動かすには、まず海水が必要です。
学校は海のすぐそばというわけではなく、少し歩かなければなりません。
これまでも水槽の水替えのために漁協まで運んでいましたが、今回も同じように海水をくみに行くことにしました。

ちょうど5時間目が始まる頃、雨が降り出しました。
それでも子どもたちは「行きたい」と言い、雨合羽を着て出発しました。
このあたりから、活動への主体性がはっきりと見えてきます。

漁協に着くと、大きなポリバケツ2つに海水を入れました。
そしてアワビも一部持ち帰ります。
今回は、漁協の水槽で中間育成しているアワビの中から、成長記録用として一部を学校に移すことにしました。
その数は50個×2種類です。
取り外す際には、教えていただいた通りエチルアルコールを使い、傷つけないように慎重に行いました。


5.水槽の稼働とこれから

学校に戻ると、海水を水槽に入れ、ポンプを起動し、アワビを移していきます。
しかし、作業は思った以上に手間がかかり、途中でトラブルも起こりました。

本当はそのまま大きさの測定まで行いたいと考えていましたが、時間いっぱい使ってもそこまでは届きませんでした。
測定は次週に回すことにしました。

それでも、水槽は無事に稼働しました。
これで、学校でもアワビの様子を見ながら活動を進めていくことができます。

ここから子どもたちがどのように関わっていくのか、これからの展開が楽しみです。


次回に続く・・・

総合実践のvol3、アワビいっぱい編(マガジン離島の総合的な学習の時間②)👇👇

総合実践のvol2、おさかな天国(マガジン離島の総合的な学習の時間①)👇👇👇

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