第10回 学びの物語、ここに完結──発売と卒業の瞬間
発売の喜びと地域の反響、そして子どもたちの卒業。 担任として歩んだ日々が、忘れられない学びの結晶となって実を結びました。 和菓子プロジェクト──ここに完結です。
前回09のお話👇
今から約25年前、2001(平成13)年度の実践です。
第1回はこちらをご覧ください。
※本文中の一部地名や商品名等は仮名(かめい)にしています。
1. 新聞が動いた!“子ども考案まんじゅう”の見出し
各チームが検討してきた内容はクラス全体で承認され、「売り出し企画書」としてまとめられました。2001年11月22日、プロジェクトアドバイザーである和菓子職人さんをお招きし、最終売り出し企画開発依頼式を行いました。
子どもたちは、ネーミングやパッケージ、添え書き、ホームページなど、自分たちのアイデアがどのように形になっていったのかを丁寧に説明しました。職人さんは「12月1日の発売を目指して完成させる」と力強く約束してくださいました。

この日には新聞の取材も入り、数日後にはカラー写真入りで大きく紙面に掲載されました。 見出しでは「児童がまんじゅうを考案」「タヌキを題材にした新名物」「和菓子店と協力し来月から販売」といった形で大きく取り上げられ、子どもたちの挑戦が地域の話題となったのです。
記事は子どもたちの努力の過程を丁寧に紹介しており、保護者や地域からも喜びの声が相次ぎました。学校を超えて地域全体が盛り上がりを見せていたのです。
2. 待望の発売!『ぽこぽん』ついにデビュー
新聞に掲載された直後、私は県外での5日間にわたる「西日本地区情報教育指導者養成研修」に参加していました。そこでのプレゼン課題発表には、迷うことなくこの「和菓子プロジェクト」を題材に選びました。
余談ながら、出張中もBBSを通して子どもたちとやり取りを続け、「先生、変わったことはありませんよ」と返ってくる報告に安心しつつ、離れていてもつながっている喜びを感じていました。
そして迎えた12月1日(土)。いよいよ「ぽこぽん!駒津浜」が発売となりました。地元新聞の記事効果もあって、用意された約400個は午前中で完売したとのことでした。学校が休みだったため、お店まで買いに行った子も多く、翌週の月曜日には「自分で買ったよ!」と嬉しそうに報告する姿が見られました。
3. カメラの前で語る子どもたちの本音
発売後の反響はさらに続きました。今度は地元民放テレビから取材依頼があり、12月5日、クラス全員で和菓子店を訪問することになりました。 当日、ニュース番組「530フォーカス(仮名)」のスタッフが来校し、教室での打ち合わせ風景を撮影しました。その後、子どもたちとともに徒歩でお店へ。店先には彼らが制作したポスターが掲示されており、順番に買い求める様子をカメラが追いました。
記者からのインタビューに、子どもたちは「うれしい!」「こんなに並んでいてすごい」と素直な喜びを語りました。「誰に食べてもらいたいですか?」という質問には「身内とか…」と答える子がいて、店内は笑いに包まれました。
お店の前で職人さんと全員で記念撮影を行い、学校へ戻るとさらに追加のインタビュー。私は,「本物にふれさせたかった」と答え,「何点ですか?」との問いには「100点満点!」と即答する子どもたちの笑顔がありました。これまで後輩院生がビデオで記録してくれていた授業の様子も提供し、後日、番組内のコーナーで特集としてオンエアされました。放送後もしばらくは学校でも地域でも話題が尽きませんでした。
4. 学びの結晶、子どもたちの成長
一年を振り返ると、子どもたちが主体的に学び、互いに高め合いながら成長する姿を、これほど間近で感じられたことはありませんでした。担任としての喜びに満ちた一年だったと心から思います。

また、この取組をまとめたWebページをマイタウンマップコンクールに応募したところ、経済産業大臣賞を受賞することができたのも、大きな喜びでした。
卒業式の日、学年団の担任3名は相談のうえ、和装で臨むことにしました。羽織袴姿での見送りは、保護者からも拍手で迎えられました。例年は「紅白まんじゅう」が卒業祝いとして配られていましたが、この年だけは「ぽこぽん!駒津浜」。
まさに学びと地域が一つになった証であり、忘れられない締めくくりとなりました。
今回10(舞台裏)解説編はこちら👇👇
▶︎ 「和菓子プロジェクト編 ~小学生が社会とつながる『本物づくり』~ 完」
番外編はこちら👇
※スピンオフとして「舞台裏編」をマガジンもご覧ください👇👇
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