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前列2番目の席から「9へぇ〜」へ 【研#12】/研修で出会う探究の風景

島での実践を見直し、次のヒントを探した前回の研修。
夏休み後半、その続きを求めて外のセミナーへ向かうことになった。

前回の話👇👇

初めてこのページに来られた方へ

「研修で出会う探究の風景」は、教師としての学びの記録です。 教育公務員特例法には、「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」と記されています。教師にとって学びは、仕事の一部でもあります。

私自身、これまで校内研修や教育センターでの研修、研究大会、学会、そして自主研修など、さまざまな学びの場に関わってきました。 そこには毎回、出会いがあり、葛藤があり、ときに自分の教育観が静かに塗り替えられる瞬間がありました。

このシリーズでは、そうした研修の風景を綴っています。 現在進行中の連載とも時系列でつながる形で、掲載しています。

今回は勤務していた離島の小学校(へき地2級)2年目、2003年度での記録です。

これまでの研修シリーズはこちら👉「マガジン 研修で出会う探究の風景」


1 前列2番目の席から

2003年夏休みの後半、教育メディアに関する大学の研究者と教師が集まるセミナーに参加するため東京へ向かった。
前回参加したのは4年前、まだ大学院生だった頃である。
朝9時過ぎに会場へ着くと、すでに同じ県から来ている顔なじみの先生方が見えた。
私は前列から2番目の席に座り、静岡のO先生と並んで講演を聞くことになった。

午前中は文部科学省の担当者による講演から始まった。
教育政策の動きについての話を聞きながら、目の前の制度や年度のことだけでなく、その先を見通して考える必要があるのだと感じた。
続いて山極先生による講演があり、理屈よりも実践を示すことの説得力を改めて思わされた。

午後になると、大学院時代の指導教授であり私にとっての師匠が登壇した。
総合的な学習の時間の実践を紹介する中で、子どもが残した「大変さを乗り越えると、大きく変わる」という言葉が紹介され、その重みが強く印象に残った。
休憩時間に声をかけていただき、話の流れのまま週末の研究セミナーでもう1本発表することになったのは予想外だった。

午後の水越先生の講演では、大学入試の例を挙げながら、客観テストと論文型テストを単純に合計して評価していないかという問いが投げかけられた。
評価方法について改めて考えさせられる内容だった。
最後の発表では附属小学校の先生による実践が紹介され、動画の持つ力を強く感じた。
毎日ビデオカメラを持って歩こうかと思うほどだった。
デジカメの動画機能でも活用できるという話を聞き、隣のO先生に思わずメモリーカードの容量について尋ねてしまった。

抽選会では2番目に当たり、「ももんがスクール」というソフトを手に入れた。
体験版を子どもたちが使っていたこともあり、学校に持ち帰ればきっと喜ぶだろうと思った。

夜の懇親会では、離島やへき地でも使えるWeb学級日誌の話を聞くことができた。
もしもう少し早く知っていれば、市の研修資料にも使えたかもしれない。
せっかくなので2学期から試してみようと思う。

懇親会のあと、師匠に誘われて大学研究者の先生方と2次会へ向かった。
情報教育やカリキュラムの研究を長く牽引してきた先生方である。
水越先生や師匠の仲間にあたる研究者の方々で、大学院時代から名前を聞いてきた方ばかりである。
海外での研究の話や宝石鑑定の話など、研究とは少し違う話題も飛び出し、気がつけば日付が変わる頃だった。
久しぶりに頭も人脈も刺激される、密度の濃い1日だった。


2 交流と評価のヒント

セミナー2日目は遠隔交流学習の発表から始まった。
ちょうど1学期を終え、自分の実践をこれからどう広げていくか考えていた時期だっただけに内容はとてもタイムリーだった。
とくに小学校の先生の実践発表は、2学期以降に自分が構想していた方向と近く、交流と授業をどう結びつけるかという点で大きなヒントになった。

続いて都教育委員会の教育長による講演があった。
公立学校の現状をさまざまな比喩で語りながら学校改革の難しさを説明されていた。
現場の教師として聞くと複雑な思いもあるが、管理職の立場から見れば重要な視点なのだろうとも感じた。

午後は評価に関する実践報告と解説だった。
さすがに疲れも出てきて意識が少し遠のく時間もあったが(笑)、評価方法をできるだけ簡潔にすることの大切さはよく理解できた。
最後のシンポジウムでは「確かな学力育成に求められる教師の指導力」がテーマだったが、会場からは少人数学級や習熟度別指導に関する質問が多く寄せられ、議論はそちらの方向へ広がっていった。

帰りは岡山のS先生と空港まで一緒になった。
愛媛での研修以来の再会で、久しぶりにゆっくり話すことができた。
羽田で別れたあと搭乗手続きを済ませ、無事に自宅まで戻ることができた。

自費で参加する研修は決して安くない。
それでも、こうして外の世界で刺激を受け、多くの人と直接話をする時間はやはり大切だと感じる。

来年も参加できるよう、少しずつ積み立てておかなければと思った。


3 へぇ〜で評価される発表

東京から戻って数日後、今度は師匠が主催する県内での夏の研究セミナーに参加した。
大学院時代から参加しているセミナーで、今回が5回目になる。

このセミナーで「お宝鑑定団」というコーナーが企画された。
参加者が自分の実践を5分で紹介し、講師が評価する仕組みになっている。
評価単位は「へぇ~」。
師匠を含めた情報教育の研究者3人の先生方による合計10へぇ~が満点という、当時流行っていた「トリビアの泉」にちなんだ少し遊び心のある企画であった。

私が発表したのは「プロジェクトI」と呼んでいる取組だった。
地域への情報発信を目的として無線LANを構築した実践を紹介した。
時間が5分しかないため総合的な学習の時間の授業部分はあえて省略し、ネットワーク構築と地域への発信に焦点を絞った。
結果は9へぇ~という高評価をいただいた。
自分では7へぇ~くらいだろうと思っていたので、予想以上の評価だった。

しかし、今回は自分のプレゼン準備に追われ、他の発表をゆっくり聞く余裕があまりなかった。
それでも発表する立場で参加する研修は、聞くだけの研修とは違う学びがあると感じた。
自分の実践を人前で話し、評価してもらう機会はそう多くないからである。

夜は懇親会のあと2次会へと続き、気がつけば日付が変わるまで話し込んでいた。
ある研究者の先生とダイエット談義で盛り上がったのも、こうした場ならではの出来事だった。


4 帰ったら試すこと

セミナー2日目、会場では無線LANでインターネットにつながる環境が整えられていた。
ノートPCに内蔵された無線LAN機能を実際に使うのはこれが初めてだったが、すんなり接続できた。
研修会場でそのままネットにつながるという環境は、思っていた以上に便利だった。(今では当たり前のことだが・・・)

午後には、今後の研究室のプロジェクトに関係して、実践した「海辺のデジタル図鑑」の取り組みについて発表する機会もあった。
今回のセミナーでは発表や議論に積極的に関わることができ、それ自体が大きな学びになったように思う。

セミナー終了後にはその関連プロジェクトの打ち合わせにも参加した。
もし学校の環境が整えば、自分の実践と結びつけて活用できそうだ。
帰ったらまず島の学校の環境で使えるかどうか試してみるつもりである。

東京でのセミナー、そして師匠の研究セミナーと続いたこの夏の研修は、どれも密度の濃い時間だった。
外で学んだことを、次は島の学校の実践の中でどう生かしていくか。
それがこれからの課題になる。

次回へ続く・・・


これまでの研修編はこちら👇👇


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