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緩和ケアは「痛みを止めること」だけじゃない。

こんにちは、ナツです。


私は入職してから6年間、呼吸器内科・外科病棟で勤務していました。
呼吸器の中でも肺がんの患者さんが多い病棟で、
検査から看取りまでをみていました。

そんな中で緩和について興味を持ち、
以前学会に参加した時の学びを共有します。


看護師として働いていると、つい「緩和=痛みをコントロールすること」だと思い込んでしまいがちです。

私の病棟でも、がん患者さんの痛みを医療用麻薬で調整し、
いかに日常生活を穏やかに送ってもらうか。
それが緩和ケアのすべてであり、正解だと思っていました。


でも、先日参加した学会で、その考えが「ほんの一部」に過ぎなかったことに気づかされました。
今日は、私がハッとさせられた「目に見えない痛み」への向き合い方について、少し深くお話しさせてください。


 「安全」と「自律」の間で揺れる、自尊心の守り方


学会の講義で心に突き刺さったのは、緩和ケアにおける「安全と自律のジレンマ」というテーマでした。

たとえ予後が短い状態の患者さんであっても、
「自分で動きたい」という希望は消えません。
しかし、病院という場所では転倒・転落はインシデントの約半数を占める重大な問題です。

私たちは安全を守るために離床センサーを使い、鳴れば急いで駆けつける。
でも、それが患者さんにとっては「自由を監視されているストレス」になり、
時には自尊心を傷つけ、センサーをまたいで動こうとする行動に繋がってしまう……。


ここで大切なのは、ただ制限することではありませんでした。
倫理カンファレンスを通じて「患者さんは何を求め、何をされたくないのか」を徹底的に話し合い、共有すること。
自尊心を損なうことは、身体的な痛み以上に深い「スピリチュアルペイン(魂の痛み)」へと繋がります。

自尊心を丁寧に守り抜くこと。
それ自体が、立派な緩和ケアなんだと強く実感しました。


 データに現れない「呼吸困難」という孤独


私が勤務していた病棟には肺がんの患者さんが多くいらっしゃいました。
病状の進行とは別に、パニック症状や強い不安からくる「息苦しさ」を訴える方が少なくありません。

数値やデータには現れないこの苦しさに対し、
私たちはつい「不安を和らげる薬がありますよ」と安易に勧めてしまいがちです。

でも、患者さんからすればそれは「私の本当の苦しさを信じてもらえていない」という不信感になり、
医療者との信頼関係を壊すきっかけにもなってしまいます。

看護師である私たちだからこそできることは、
薬を配ること以外にもたくさんありました。

* 患者さんと呼吸を合わせ、ゆったりと寄り添う
* 硬くなった筋肉に優しく触れ、緊張を解きほぐす
* 「苦しい」という気持ちを、否定せずに丁寧に傾聴する
* 心地よいと感じる香りや温度、環境を整える

もちろん、患者さんは一人ではありませんし、
他の業務もあるので全部をできるわけではありません。

大切なのは、一緒に呼吸を整え、患者さん自身が
「こうすれば少し楽になれる」というコントロール感を持てるように支援すること。
その積み重ねが、患者さんの自己効力感(自信)へと繋がっていくんです。


私の物語ではなく、「相手の物語」に耳を澄ませる


今回、一番深く考えさせられたのは、「自分の物語を押し付けない」という言葉でした。

看護師としての知識や正義感から、
「薬を飲んででも苦しみを取り除いたほうがいい」と考えるのは、あくまで「私の物語」です。

患者さんには、これまで生きてきた中で大切にしてきた「その人自身の物語」があります。

* 「薬で意識が朦朧とするより、少し苦しくても家族とはっきり話したい」
* 「なるべく自然な形で、最期まで自分らしくいたい」
私たちの正解が、患者さんの正解とは限りません。


信頼関係を築く中で、相手の物語にそっと寄り添い、
その人が何を大切にして生き、何を選択したいのかを一緒に考える。

それこそが、私が中堅看護師として、一人の人間として目指したい看護の姿なのだと確信しました。


おわりに:ナツの想い


緩和ケアは、決して「特別な場所」で行うものではありません。
日々の忙しい業務の中でも、患者さんの自尊心を守り、
呼吸の不安に寄り添い、その人の物語を尊重することはできる。

専門職としての「正しさ」を振りかざす前に、
まずは目の前の人の物語に耳を澄ませてみたい。

今回の学会は、私にそんな「看護の原点」と、進むべき「キャリアの光」を思い出させてくれました。


忙しいと、つい「業務」としてケアを回してしまう。
でも、患者さんの物語に一歩踏み込めたら、それで今日は十分。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
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改めましてこんにちは、ナツです。
このnoteを見つけてくださってありがとうございます。

私は12年目の看護師です。
呼吸器内科・呼吸器外科・コロナ病棟・外来などを経験して、
今は育休中に、看護師向けのGPTを作っています。

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