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語学学習でマスターという言葉を乱用しないほうがいい

「英会話をマスターする」、「発音をマスターする」、「中学英語をマスターする」などという文言はいたるところで目にします。そして、マスターするという言葉に対して特に違和感を感じる人はほとんどいないと思います。

たた僕は、「マスターするってなんか変だな」という感情を持っています。よく考えてみるとわかると思うのですが、このマスターするの意味はあいまいで、解釈の幅があります。つまり:

  • マスターするとは何か

  • マスターしないと何か困るのか

  • マスターできてない人はかならずマスターしないといけないのか

あたりがあいまいで、クリアな解を与えることができません。

また、「マスター」できたかどうかは自分で判断できるのか、誰かが「あなた、マスターしましたよ!」と言ってくれるのかなどもわかりません。

自分の首を絞めるだけ

「マスターする」と言う言葉には、ネイティブを無批判にありがたがりこれを信仰する「ネイティブ信仰」に通ずるものもあります。世間からチヤホヤされている、自然でキレイな「英語マスター」であるネイティブをありがたがりこれを頂戴するネイティブ信仰も、マスターという言葉のもつ響きと似ています。

ただ、これはもしかしたらご自身でもなんとなく経験があるかもしれませんが、ネイティブを礼賛するほど、ネイティブではない自分自身は劣等感を覚えるようになります。正しさや完璧の過度な追求は、その人のメンタルを傷つけることになる、といってもよいはずです。

学習とはS字カーブの連続

習い事や趣味全般にいえることですが、学びたてのころは成長が速い一方で、ある程度の時間が経過すると成長が鈍化します。これは誰もが経験することであり、次に何をすればいいのかだんだんわからなくなってくるのが成長鈍化の原因です。

そして、伸び悩んだその後に「何か」をつかんで一気に伸びる、いわゆる「ブレイクスルー」を何回か経験しながら全体として伸ばしていく、という流れが一般的だと思います。全体としての学習曲線は、S字カーブをいくつも連ねたような形になるはずです。

「マスター」を意識しない方がいい

ここで意識したいポイントは、「ブレイクスルー」は予想だにしていないタイミングでやってくることと、そして、どのようなブレイクスルーがやってくるかは予測できないことです。

言い換えると、成長の過程を予測し、何年後にはこうなっているな、みたいな目途を立てることはできません。目標を立てて英語学習に取り組んできた人は多いと思いますが、その中で、過去の目標通りの現在を手に入れた人は、ほとんどいないのではないでしょうか。

マスターというと、習熟度を0から100に、一直線に持っていくようなイメージになると思いますが、実態としては予測不可能なS字カーブの連続であり、学習者自身の手でこれをコントロールすることはできないはずです。

マスターではなく前進

ですから、僕は、「マスター」という言葉ではなく、「前進」という言葉で成長の過程を捉えることをお勧めします。ポイントは:

  • 前進は「する」、「しない」の2択であり、程度は関係ない

  • 方向性が定まってはじめて、前進しているか判断できる

  • 前進すればよいので、速度や到達点は関係ない

ということです。前半ですでに説明したように、ブレイクスルーの性質上、「程度」をコントロールすることはできませんから、「前進しているかどうか」を軸にして学習を進めるのは合理的です。

ものすごく平たく言ってしまうと、前に進みさえすればいいということです。

理念と整合していればそれは前進

では、「前進している」ことをどのように判断すればよいのかですが、それは、自分の価値観と照らし合わせるしかありません。

英語力の評価となると、どうしでもTOEICや英検などの「典型的な外部のモノサシ」に飛びつきたくなると思うのですが、僕は、そのような外部のモノサシで自分の成長をはかることはあまりおすすめしていません。

…また、計画を意識して学習をすすめる人の頭にあるのは、目標です。そして、その目標のほとんどは、TOEICや英検などの定量あるいは定性的な指標であり、そこに達することがすべてであるかのように語られることが多いです。
ただ、僕は、外部のモノサシで英語力の向上や成果をはかろうとうすることはアンチパターンであると考えており、特殊な事情がある場合を除きそうしないほうがいいと考えています。

https://note.com/trans_souta/n/n0e33c0408da9

何がしたいのか、という自分の軸があれば、その軸と噛み合っているかどうかの判断をすることで、前進しているかどうかは判断できます。

さいごに

前進しているかどうかであれば、「その瞬間」を確認することで判断できます。「自分はいま前進しているな」という確信が持てれば、あとはそれを拡大するだけですし、迷いが生まれません。

完璧とかマスターとかにこだわらない、小さくマイペースに前進を積み重ねるのがよいという話は、以下の動画でもしています。ラジオ的に楽しめますので、ぜひご覧ください:

自分主体でやっていく語学学習については、僕のKindle本をぜひご覧ください。赤の他人のようわからん言葉に踊らされない、平穏な語学学習のありかたについて触れています:


▼この記事を書いた人▼

そっちゃそ
フリーランス英日翻訳者。本業で培った知識や経験をもとに、発音指導をはじめとした語学指導もやっています。noteは、僕の思想や考えをひろく公開するために使用しています。僕の思想や考え方については、考察と思想哲学のマガジンにまとめているのでこちらをぜひご覧ください。詳しいプロフィールはこちらから。

ポッドキャストもやっています:

🔵amazon music, 🟣Apple Podcast で楽しむ場合はこちら。

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主な著作:「自分の意見を言うことは『役に立つ』」、「外国語を学習すると決めたときに読む本」、「英語発音学習の第一歩」。既刊一覧はこちらから

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さいごに

発音学習の底力」を体験してみませんか。英語力は、発音学習だけでも伸ばせます。学習に新しい風を入れたい方、ネットでこれ以上学習法をあさるのはしんどいと感じる方は、ぜひ以下のページをのぞいていってみてください:

語学学習を総合的にトータルサポートしてほしい、痒い所に手が届くサポートがほしいという方には、「そっちゃそ英語コーチング」がオススメです:

souta-maruyama-trans.com

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