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そっちゃそがAIイラストを使わない理由

noteやYouTubeでAI製のイラスト、写真、アニメなどなどが使われるようになった昨今ですが、僕はAI製のイラストや画像をまったく使用していません(「円卓上のイエティ」で使用しているアートワークは例外)。また、「いらすとや」などのいわゆるフリー素材にも意図的に手を出していません。

これはべつに、手間暇かけて作ることが~、みたいな話ではなく、説明可能な理由があってやっていることです。今回は、そっちゃそがイラストに関してやっている「ポジショニング」について説明します。

相対性

「希少価値が出るから」というのが、なぜ自作イラストを積極的に使っているのかに対する回答の一つになります。ダイヤモンドや金に価値があるのは、美しいからではなく珍しいから、とはよく言われます。

さて、なにかが少ないとそれが希少価値になるのですが、この、「少ない」というのは相対的な指標です。リビアでは水よりガソリンの価格の方が安いそうですが、これは日本をはじめとした石油原産国ではない国からしてみればありえない感覚ですよね。ただ、リビアが原産国であり、かつ価格を押し下げるための政策が働いているからという、合理的に説明できる理由がそこにはあります。

何が言いたいかというと、なにかの価値と言うのは、その「なにか」の周りの景色がどうなっているかに結構左右されるということです。ワンルームの賃貸物件を借りるとして、東京23区で借りるか島根県で借りるかでは、(まったく同じことをしようとしているはずなのに)おそらく賃料に大きな開きが出るはずです。

「飛行機のファーストクラス」とかもそうですよね。やっていること自体は小部屋のような場所に数時間引きこもることだけなのですが、「自分の周りの景色」がどうなっているか、つまり、「周りの人とは違い自分だけ特別扱いされている」という景色そのものがファーストクラスの体験の価値を引き上げます。ファーストクラスでやっていることのほとんどは、快活クラブの小部屋でもできるのですが、快活クラブの場合、ファーストクラスの「景色」を再現することはできません。

いろいろと例を出しましたが、共通して言いたいことは、「何をどこに置くか」がけっこう効いてくる、ということです。そして、「AIだらけで有象無象である景色のなかに『そっちゃそのイラスト』を置くこと」は、よいポジショニングになります。世の中AI製のコンテンツだらけになることは僕からしてみればむしろ歓迎であり、もっと進んでほしいとすら思っています。

インスタグラムでも、#thisisnotai というタグがあるくらいで、「人間がつくった」という、ひと昔前であれば言及するまでもない当然のことが「価値」として認識されるようになっています。

認知してもらうこと

AIで人間の仕事が~、などと言われますが、僕からしてみればむしろ逆であると感じます。周囲に何があるか、誰がいるかで価値が変わると言いましたが、AIが湧けば湧くほど、「ふつうの人間」の価値は強くなります。

ひとに認識・認知してもらうという点に関して言えば、フリー素材やAIは絶望的なまでに不利です。たとえば、以下は Unsplash からダウンロードした素材ですが、これを見てどう感じますか。

おそらくですが多くの人にとって、「きれいだなあ」以上の感情が得られないと思うんですよね。この、「ただきれいなだけでそれ以上の感情が出てこない」というのは、人物やその人のキャラを覚えてもらう、記憶してもらうという点からきわめて相性が悪いです。

多くの人は、もうすでに、大量のフリー素材やAI製のなにかを見せつけられているわけですよ。そこに僕が+1しても「うっとうしい」だけですし、お互いにとってなんの実りにもなりません。

さいごに

理想的なのは、僕のイラストを見ただけで、「ああ、そっちゃそさんのイラストね」とすぐに連想できるようにすることです。記憶に紐づけてもらうための要素の一つがオリジナルのイラストなわけで、ここでAI製のイラストやフリー素材を使ってしまうと、それができなくなります。

※そっちゃそのイラストは、僕のHPのポートフォリオにまとめています。


▼この記事を書いた人▼

そっちゃそ
フリーランス英日翻訳者。本業で培った知識や経験をもとに、発音指導語学指導もやっています。noteは、僕の思想や考えをひろく公開するために使用しています。

僕の思想や考え方については、考察と思想哲学のマガジンにまとめているのでこちらをぜひご覧ください。語学学習に関するお悩み相談やお問い合わせなどはこちらのLINEからお願いいたします。

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主な著作:「自分の意見を言うことは『役に立つ』」、「外国語を学習すると決めたときに読む本」、「英語発音学習の第一歩」。既刊一覧はこちらから

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