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3Dプリンターでサイクロン集塵機を作る-設計編2 掃除機の接手を作る-

第3回です。ペール缶底面を貫通し、サイクロンの上部から掃除機に繋げるパイプ部分を設計します。


継ぎ手部分を固定する方法を決める

ネジで上下から締め付けて固定

ペール缶の板厚を調べると、F等級で0.34mm厚、M等級で0.5mm厚のスチール製のようです。
正直ペラペラの薄板で、形状を工夫して缶自体の形を保っているようです。
この板に、縦にまっすぐ管が突き抜けます。ぐらぐら揺れるので、薄い板に垂直に固定する方法を考える必要があります。

ただの塩ビ管を挿す場合は、何か厚みのある板をつけて、接着剤で固定したり、シリコンシーリングで隙間を埋めたりする必要がありますが、3Dプリンターで作成するので、接着以外の方法を使います。

今回は、ネジを切って上下からサンドイッチするようにしました。
縦筒をボルトに見立てて、ペール缶の外側から雌ネジ(ナット)で固定します。

試作中(穴無し)。赤い部分がペール缶底面

ペール缶にあける穴のサイズを決める

手持ちのホールソーで穴を開けるつもりなので、そのラインナップから穴径を決めます。

所有しているホールソー

まず、掃除機を差し込む部分が、内径35.6mm、外径41.4mmです。
ここを変えずに行きたいので、40mmを超えます。
それより大きなサイズで、固定用のねじ切り部分があります。
この外周は管より太くなります。
外周より、+3mmくらい確保します。

固定部周辺のサイズ

ペール缶に空けた穴と管の外周に差があると、よこにズレます。それは面白くないので、下から穴径ギリギリのサイズの出っ張りをつけて、ズレないようにします(上記、49.6mm部分)

その出っ張りにぶつからないように、雌ネジの下部で押さえつけるので、雌ネジの最下部の内径は、穴より大きくなります(上記、51.1mm部分)

結果、45mmでは足りず、55mmでは空けすぎなので、50mmとしました。

ネジ部分を試作する

管が42mm、ペール缶の穴が50mm、下から支える部分がそれより大きい60mm(後で70mmに変更)とし、ネジ周辺を試作して問題無く固定できそうかチェックします。

ネジ周辺部分の試作

ネジ部分断面図。何故か試作中に穴が塞がった

Z軸(上下)の0座標を、ペール缶底面として、上に外径42mm高さ20mmの円筒をつくり、下に60mmの支え部分を押しだします。

雄ネジのコピーを作って、雌ネジを生成する

ネジを作成する方法はいくつか有りますが、今回は3Dプリンタで造形するので、ある程度隙間のあるネジを作ります。
隙間のサイズは、ネジの直径によって変化します。M10程度なら5%くらいあると良いですが、今回の場合M45くらいあるので、3%にしました。(一度5%にしたら、大きすぎました)

ネジのボディを、位置を変えずに複製
コピーに「尺度」を使い、X-Yだけ3%拡大する

円筒上部に、雄ネジを生成します。
その雄ネジを位置をずらさずにコピーします。「修正」「尺度」で、X-Y方向に1.03(3%)の不均一な拡張を行なうと、雄ネジよりちょっと大きな雄ネジコピーができます。

同じ座標に、ナットの形で雌ネジボディを押し出す
ネジ部分断面図

周囲に「外径ポリゴン」で六角形の雌ネジをつくり、同じく高さ20mmで押し出して六角ナット形状にしたあと、「修正」「結合」で、雌ネジから雄ネジコピー(3%拡張版)を切り抜きます。すると、元の雄ネジよりちょっと隙間のある雌ネジが出来上がります。

雌ネジを生成後、最下部のネジを消す

雌ネジの一番下は、ネジが不要です。押しつけてペール缶に固定する部分なので、ちょっと削りました。

雌ネジ最下部は、50mmより大きく削る

雌ネジの一番下は、ペール缶を固定する密着部分です。
下から50mmの穴径ギリギリ(49.6mm)の出っ張りが出てくるので、締め付けたときにぶつからないように、50mmよりちょっと大きく、51mmの内径にしました。

試作品の印刷と固定テスト

ネジの隙間は丁度良いか、このネジで固定できるか、等を確認する為、この段階で一度プリントしてみました。

印刷直後
雌ネジはどうしても粗くなる

雌ネジの下側は、どうにも造形が粗くなります。円筒の内側で、かつ、ネジのような斜めの造形だと、円の反対側にノズルが飛ぶ為、こうなってしまうようですね。

中央の管(穴無し版)に、ペール缶想定の板(0.34mm厚、50mm穴)を被せる
板を上下から挟んでネジ止めする

ペール缶の底に見立てた、穴の空いた板を挟み込んで、ボルトナットでサンドイッチします。
ちゃんと固定できている事を確認し、まあ問題なさそうだ、ということで設計を進めることにしました。

掃除機の接手部分を結合する

過去に作成した、掃除機と丸ノコを繋ぐアダプターから、掃除機接合部分を流用します。

ドラッグ&ドロップで取り込んでから、Z座標(高さ)だけ変更します。

ネジの上方、40mmの位置に取り込む

サーフェースモデルの「ロフト」で繋ぐ

色々やっている間に穴の塞がった雄ネジに、再度穴を開け直し、掃除機の継ぎ手部分と結合します。
ソリッドモデルの「ロフト」では繋がらないので、サーフェースモデルの「ロフト」で、内側、外側を繋ぎます。

サーフェースモデルの「ロフト」で内側の円同士を繋いだところ

サーフェースモデルとソリッドモデルの中に空洞が出来るので、「作成」「境界塗りつぶし」を使って埋めます。

二つのサーフェースモデルの間に空洞がある
「境界塗りつぶし」で埋める

円筒の外側をまっすぐにする

このままだと、外側がくびれて、ここだけ薄くなるので、更に外側にサーフェースモデルで円筒をつくり、外径42mmのまっすぐな管にしました。

外側を埋めた状態
差込み口の面取り

最後に、掃除機のノズルを差し込みやすくするのと、角が削れないようにするため、面取りをします。

ナット部分の造形を修正する

雌ネジですが、ただの六角形では回しづらいので、適当な面取りに加えて、ちょっと凹ませます。
試作品を手で回すとき、大きすぎて引っかかりが足りず、締め付けるのに手間取ったので、指をかけられるようにします。

木工で使う「ホールドダウンクランプ」用のノブや、ボルトに後付けする「フィットノブ」などの造形を参考にしています。

今回は六角ボルトの6面をかるく削るので、ゆるやかなカーブになるように、大きめの円をスケッチして、削ります。

外周にかるく重なる円をスケッチ
そのスケッチで、面をくり抜く
フィレットで面取りしてから、円形状パターンでコピー
完成!

セパレータ内部に筒を延長する

掃除機の継ぎ手と、固定用の雌ネジは完成しましたが、何か物足りません。

延長前の形状

付けるかどうか悩みましたが、縦筒の下部を延長できるように追加パーツをつくりました。

ネジ式で追加出来る延長パーツを作る

本番で使うかどうかは、後で決めようとおもったのと、既に80mmくらいある円筒にそのまま延長するのは気が引けたので、ネジで延長できるパーツにしました。

ネジ部分をまず作成
下に円筒を押し出す

まず、5mm程度の、外径40mm、内径34mmの円筒をつくり、ネジを付けます。この外径は、縦筒よりわずかに細いです。
その下に、外径40mmのままネジ山の無い円筒を押し出します。同じスケッチで、ネジを避けるため、「オフセット」5mmでネジより下から押し出します。

また3%拡張したコピーをつくり、縦筒下部に雌ネジを形成
ネジ部分の断面図

例によって、3Dプリント時のクリアランスを考慮し、3%拡大したコピーを作って、縦筒の内側に雌ネジを形成します。

完成と印刷

以上で設計は完了です。
パーツ3つをそれぞれ3Dモデルとして出力し、BambuStudioにインポートして印刷します。

全てのボディを組み合わせた状態
BambuStudioにインポートして並べ直し

とくにサポートも不要なデザインなので、そのまま印刷できました。

印刷結果と、組み立てた様子

印刷結果は以下の通りです。
直径42mm、固定部分(ボルトの頭にあたる部分)は70mmあるので、手に持つとその大きさがわかります。

印刷
どうしてもブリッジができる雌ネジ
すべて組み立てた状態
延長部分は微妙な隙間あり
ネジ固定部分の造形も問題無し

これでひとまず、第二のパーツが完成です。

次は、サイクロン式集塵器のドラム部分です。

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