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【AOE2DE】文明メモ(30)ヴァイキング

たまたま続いている歩兵文明シリーズ。ヴァイキングは基本的に海文明のため、陸上では様々な不利がある。とはいえ、領主序盤の強力な内政を活かして先手を取れれば勝機はある。最近の軍兵メタ戦術流行下で、歩兵のHPボーナスは有利に働くだろう。一方で射手、騎士とも重要なアップグレードを欠くため失速しがち。帝王で強力なユニットは皆無で、長引けば負け。
もちろん海戦では最強文明の一つだが、火炎ガレー船が無いなど欠点もある。


文明特性と基本戦術

「歩兵と海軍の文明」。残念ながら陸マップでは不人気文明である。序盤の内政の強さを活かして射手や斥候で撹乱。先手を取り、進化で先行してリードを広げたい。(重)石弓は弓懸がなく、(重)騎士は血統・繁殖や鎧3がない。聖職者も重要テクを欠いている。遅くとも帝王序盤までにケリを付けねばならない文明の一つ。

ユニークユニットと天敵

ユニークユニットのベルセルク(65F20G)はHPが自動で回復する歩兵で、安価で足が速い。訓練時間は14秒(EL12秒)で騎士(30秒)の半分以下。EL化(1075F475G)でHP+10、攻撃力+2、近接防御+1。天敵は、射手の引き撃ちや砲撃手。

港から出るもう一つのユニークユニット、ヴァイキング船(英語圏ではLongboat、Longship等)は複数の矢を放つ強力な軍船で、城主の時代以降に作成可能。建造コストは城主で85W42G、帝王で80W40G。EL化コスト750F475G。領主ではガレー船の数を絞り、資源を溜めておいて城主で一気に押し返す……などの展開も見かける。ガレー船60秒、大型ガレー船36秒に対し25秒で建造できるのも魅力。

内政面

手押し車・荷車が時代進化に伴い自動アップグレード。時代進化とともに農民の効率アップという視点で見ればベンガルやマレーのように農民数が増えるのと同類の効果である。

テクと出せないユニットのメモ

文明ボーナス

領主の時代以降、歩兵のHP+20%
……トップ層の軍兵メタ流行下では無視できないボーナス。
領主/城主/帝王の時代に軍艦のコスト-10/15/20% (2026年2月に弱体化)
……海マップでのこちらのボーナスが本命。しかし後述の通り火炎ガレー船が出ないのがネック。火炎ガレー船が使えるようになったので序盤の戦い方の幅が広がった。

チーム ボーナス: 港のコスト -15%
海マップや遊牧ではありがたいが、ドラヴィダのチームボーナス(港が人口5をサポート)に比べるとわずかに劣る。

ユニークテクノロジー

城主ユニテク: 首長/チーフテン(600F450G)
歩兵の騎兵に対する攻撃力+5、らくだユニットに対する攻撃力+4
……矛アップグレードがないため、その代わりにこれを入れて、ついでに剣士やベルセルクも強化される、と考えるべきだろうか。
歩兵で町の人、交易ユニット、聖職者を倒すと金+5を獲得
……歩兵で敵陣奥深く攻め込めるようならもう終盤で勝ち確。海マップで奇襲上陸するなら効果を感じられるかも? 気休め程度の効果。
帝王ユニテク: ボグスベイガル/凶暴化(650F500G)
弓兵系ユニットとバイキング船の攻撃力+1
……もちろん小手、化学が優先だがそこからさらに+1上がるというもの。

鉄工所テク

鉄工所テクは馬鎧3のみ研究不可。

出せないユニット・使用不可テクノロジー

戦士小屋……矛へのアップグレード不可。それ以外はフルアップかつ文明ボーナスでHP+20%、城主ユニテクで騎兵・ラクダに対する攻撃力アップ。
弓小屋……重石弓が出るが弓懸なし。砲撃手&重弓騎兵なし・パルティア戦術研究不可。
馬小屋……血統・繁殖なし。鎧3もなくハサー・近衛騎士アップグレード不可のため主力にはしづらい。
兵器小屋……白ラムとヘビスコは出るが破城投石機・大砲なし。攻囲技術はあり。
聖職者……贖い、神聖(HPアップ)、薬草学、啓蒙(信仰回復速度)、神政(複数転向で1人だけ信仰を消費)等が研究不可。
学問所……防御塔・砲台のみ研究不可。
内政テク……石の掘削、組合が研究不可
海軍……2026年2月のアップデートで火炎ガレー船系統を得た代わりに、爆破工作船系統使用不可に。城主以降にヴァイキング船を作成可能。文明ボーナスで軍船コストが下がるので造船技術なし。焼夷兵器なし。詳細は割愛。

戦績・対策

対・ヴァイキング入りチームの戦績は45勝29敗。アリーナ前衛で1回だけ使って、ボコボコにされたが逆サイのおかげで勝っている。1vs1では使用歴なし。総じて、陸マップ中心のランクマッチでは不遇。軍をしっかり出して、内政負けしないように農民も出すという基本をしっかりやれば負けにくい。

また、海戦でも火炎ガレー船が使えないことが序盤戦を難しくしていると思われる。ヴァイキング船対策は、ガレオン船や火炎船をしっかりアップグレードして数をためること、でこれも難しいことは不要。

キャンペーンシナリオ等

最も時代の古いものではヴォーティガン(440)のサクソン人や、アッティラのカタラウヌムの戦い(451)のアラニ族として登場する。フランス北西部~ドイツ北岸部のノース人/ノルマン人なども。
プレイ可能なのは、年代順でいうと、ヴァイキングをモチーフにしたシナリオ(主に勝者と敗者DLC)でラグナル(850)、剛勇のビョルン(859)、ヨーク(865)、ハーラル美髪王(870)、ヴィンランドサガ&カルルセヴニ(同じ人物がモチーフ、いずれも1000)等。詳しくはこちらの記事も参照。

参考動画

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歴史のうんちく

語源は、スカンジナビア半島一帯に点在するフィヨルドを指すヴィーク。「ヴィークの人々」を指して「ヴァイキング」と呼ぶようになったとされる。後の研究の進展により、「その時代にスカンディナヴィア半島、バルト海沿岸に住んでいた人々全体」(≒ノルマン人)を指す言葉に変容した。北方系ゲルマン人に分類される。

9~11世紀のブリテン島征服と北海帝国

中世温暖期にさしかかって北方の人口が増加したため、それまでの通商・貿易だけでなく武力による征服を生業にするものが現れたのだろう。「ラグナル(850)」はそんな時代の先駆けとなったラグナル・ロズブローク(おそらく複数人の事績が混合して成立した伝説上の人物)の征服行を扱ったもの。ロングシップによる遠征は神出鬼没で、河を遡ったり陸上を移動することもできたという(一例: パリ包囲、845年)。子息とされる剛勇のビョルン(シナリオは859年)は地中海へ遠征し、イタリア沿岸を略奪、シチリア・北アフリカのムスリム勢力とも戦ったという。同じくラグナルの息子とされるハールヴダン・ラグナルスソン大異教軍を率いてイングランドを蹂躙した(ヨーク、865)。この時代のヴァイキングの英雄はみんなラグナルの息子たちにされてしまう。9世紀のノルウェーでは、後のハーラル1世(蓬髪のハーラル、美髪王)が全土を統一する戦争を完遂した(~872頃)。背景には、大陸でフランク王国の大統一が成り、北方諸民族に危機感を抱かせたこともあるという。フランスへ上陸した一集団は、首長ロロの下にセーヌ川下流域を征服して定住し、ノルマンディー公国(911~)を形成していた。ロロは馬を乗り潰してしまうほどの巨体であったとされ、ゲーム中では鈍重すぎて使い勝手が悪い。

さて、大異教軍の征服行が落ち着いた後もブリテン島への侵攻は続き、11世紀のデンマーク王クヌーズ2世はブリテン島を征服して北海帝国(1016~42)を打ち立てた(イングランド王クヌート1世)。の彼死後に北海帝国が崩壊すると、1066年にはノルマンディー公ギョームがイングランドを征服しウィリアム1世となる。同じ頃、ノルマンディーの騎士ロベール・ギスカール(グィスカルド)は南イタリアで勢力を拡大し1071年にはバーリを攻略(ビザンティンのキャンペーンシナリオとも関係する)。南伊を統一・シチリア島を征服し、ノルマン朝(オートヴィル朝)を建てた。詳細はシチリアの記事に譲る。

グリーンランド、そして北米へ

9世紀後半からはアイスランドへの入植が進む。985年に赤毛のエイリークらによりグリーンランドが発見され、そこを足がかりに北米大陸沿岸部への入植も試みられた。これは単発キャンペーンシナリオとしてヴィンランドサガ(1000)カルルセヴニ(1000)とパターンを変えて扱われている。史実ではグリーンランドにはアメリカ先住民が既に何度か入植を試みていたという。残念ながら、985年以降のヴァイキングによる入植地は15世紀までに全滅し姿を消した。また、北米大陸東岸のヴィンランド(「ブドウ(vín)の地」または「草原(vin)の地」の意、恐らくニューファンドランド島)への入植は長続きせず、カルルセヴニのような伝説的な航海者も後にアイスランドあたりに戻って暮らしたそう。ノース人がスクレリングと呼んだ先住民と敵対したことも、入植が恒久的にならなかった理由であるとされる。

スカンディナヴィア出身のこれらヴァイキングたちは北海や西地中海沿岸部、更には東欧~黒海沿岸まで出没したが、人口が少なかったためもあろうか、次第に現地住民と同化して13世紀頃までにはアイデンティティを失ってしまったと考えられる。民族の象徴のモチーフはノルウェー西部に現存するボルグンド・スターヴ教会。12~13世紀に建設され、現在では博物館となっている。

画像は英語版wikipediaより

ルーシの起源?

詳しくはスラヴの記事で書くことにして、概略だけ。ヴァイキングの一部は東スラヴの地へ進出し、8世紀後半から9世紀半ばまでにルーシ・カガン国を建国したという。また、リューリクは9世紀後半、現ロシア北西部にノヴゴロドを建設。リューリクの息子イーゴリが、オレグを後見人にキエフ大公国を建国。彼らはヴァリャーグと呼ばれ、後にはビザンティンに反乱を起こしたり、また傭兵となったりした。「コムネノス(1081年)」などで登場する北方系の傭兵がそれ。
追記 2026年秋リリースのDLCではこのあたりも舞台となることが予告されている。

中近世~現代のスカンディナビア

ノルウェー、スウェーデン、デンマーク(と、時にフィンランド)はルーツを同じくする諸国家として14世紀末には同君連合を形成するなどした。16~17世紀のスウェーデン(ヴァーサ朝)は特に強盛で三十年戦争への参戦でも知られるが、18~19世紀初頭にかけてロシアに敗北するなどして勢力が衰える。ナポレオン戦争絡みの敗戦もあり、革命で立憲君主制(1809~)に。この時にナポレオンの部下のベルナドット元帥が送り込まれて建ったベルナドッテ朝が現在もスウェーデン王室として続いている。スウェーデンはニ度の世界大戦でも諸国は武装中立を貫いていたが、周辺のノルウェー、デンマークやフィンランドはそれぞれドイツやソ連の侵攻を受けている。2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受けてついに中立を捨て、NATOへの加盟を決定したことは記憶に新しい。

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