【AOE2DE】文明メモ(47)マレー
東南アジア文明シリーズ。マレーも2016年実装組。時代進化にかかる時間の短縮は強力なボーナス。安価な歩兵、安価なバトルエレファント、いっぽうでイマイチな性能との天秤。長引けば敗北必死なので、速攻で決めたい。陸での微妙さとは裏腹に、海マップや陸海ハイブリッドマップでは独特の強さを発揮する。クセの強い文明。
文明特性と基本戦術
「海洋文明」。陸マップでは基本的に民兵を出し、鎧自動アップの恩恵を活かす。馬が弱いので、領主からは弓を出すのが基本。そのまま(重)石弓にアップして長槍/矛を添えていく。大砲が出せるのはメリット。相手がイーグルやハスカール、グーラムなど弓アンチの歩兵を出している場合には、UUのカランビットや後述の帝王ユニテク入り剣士を出していくのが有効。また、帝王で優勢・膠着ならバトエレを多数溜めて打開するのは有力。矛対策の重石弓、ラクダ対策の聖職者等を添える。
ユニークユニットと天敵
カランビットウォリア(25F15G)は全文明屈指の安さを誇るユニークユニット。安価で脚の速い歩兵。訓練時間は6秒で、人口枠0.5扱いなので、とにかく数を出しやすい。EL化(900F600G)でHP+10、攻撃力+1、基礎防御力が(0/1)から(1/1)に上がるが紙装甲に変わりはない。以前に検証した記事によれば、2体出せば長剣剣士並(帝王なら重剣剣士並)の攻撃力をもつようだ。
カランビットくんは、余計に金を投資する代わりに、「機動力」と「生産速度」の利点を得るユニットである。無駄に溶かすのはもったいない。
馬の弱いマレーにとって、内政荒らしに最適なユニットと言えるだろう。
天敵は、通常の射程ユニットのほか、砲撃手や擲弾兵、オルガン砲等の火薬ユニット。脚が速いので兵器類は囲まれると脆い。転向することによるメリットが小さいので聖職者は有効ではない。
内政面
時代進化速度+66%
……領主進化で2人分短縮、城主進化で2.5人分短縮。©Blue Emotion
早くに進化したところで資源が溜まっておらず何もできない、となりがち。むしろ、その分農民を多く出しておくほうが有効活用できる。
例: 22弓→24人進化にする、等
なお、帝王進化は「約3人分」短縮。
簗のコスト-33%、得られる食料が3倍
通常: 木100に対し食料715
マレー: 木67に対し食料2,145
ゲーム終了までに魚を取り尽くすことは稀なので、実質的に無限の食料が得られるとも言える(40分以上続く場合を除く)。
テクと出せないユニットのメモ
文明ボーナス
鉄工所の歩兵鎧アップグレードが無償・自動
……民兵/軍兵戦術やカランビット、帝王ユニテク重剣など活用の幅は広い。
バトルエレファントのコストが城主/帝王で-25%/-35%
……アリーナや要塞などで、これだけのために即帝王を狙うプレイヤーも。
チーム ボーナス: 港の視界 +6
……遊牧などで魚を発見しやすいメリットがある。
ユニークテクノロジー
城主ユニテク: 海洋強国/制海権(300F300G)
港が「港湾」にアップグレードされ、HPが+200されるほか、基礎射程7の矢を一度に4本ずつ放つようになる。小手・化学まで入れば射程10となり攻撃力も馬鹿にならない。船に対しては火砲学の効果も乗る。海マップだけでなく、先述の簗内政と組み合わせて大森林(深い森)等でも有用なアップグレード。
帝王ユニテク: 徴兵制(850F500G)
剣士系統のコストが(50F20G)から(70F)になる。重剣剣士までしかアップグレードできないとはいえ、歩兵鎧自動アップと合わせてかなり強力。
鉄工所テク
鉄工所テクは馬鎧2・3が研究不可。このため騎士や(EL)バトルエレファントは非常に脆い。
出せないユニット・使用不可テクノロジー
戦士小屋……重剣剣士・矛が出せて鎧が自動アップ。帝王ユニテクで剣士の金コストが食料に置き換わる。ギャンベゾンなし。
弓小屋……重石弓が出るが重弓騎兵・パルティア戦術、砲撃手なし。
馬小屋……ハサー、近衛騎士アップグレード不可。精鋭バトルエレファントへのアップグレード可能だが血統がなく、馬鎧も1段階しかないためスペックは全エレファントでも最低クラス。その代わり文明ボーナスでコストは安い。騎乗ユニット全般は使い所を考え、出しすぎないこと。
兵器小屋……強化破城槌、改良投石機、ヘビースコーピオン、大砲が使用可能。攻囲技術あり。
聖職者……篤信(移動速度)、神政(信仰チャージの共有)が研究不可。使い勝手はそこそこ。
学問所……強化壁、建築学、狭間がないが砲台は使える。
城……城壁強化なし。
内政テク……両引きのこぎり、組合が研究不可
海軍……重爆破工作船と焼夷兵器がないくらいで、ほぼ全て使用可能。詳細は割愛するが先述の簗内政や「港湾」とあわせ全文明最強クラス。
戦績・対策
チーム戦では2023年に使って2敗・2不戦敗。対マレー入りチーム戦では26勝18敗と勝ち越している。なかなか強みを活かしづらい文明だと思う。1vs1では1勝1敗。近年流行の、攻城塔や爆破兵と組み合わせてアリーナでカランビット強襲は考えられる戦術。基本に忠実に、自陣内に第二の壁を築くこと、射程ユニットや築城の準備をしておくことが対策になる。オープンマップでは基本的に弓文明として扱って対峙すればよいが、進化が早いことと、散兵に頼りすぎると安価なバトエレが出てくることに注意。長槍やラクダ、聖職者等をすぐ出せるように準備だけはしておきたい。
キャンペーンシナリオ等
14世紀のジャワ島・マジャパヒト朝の宰相ガジャ・マダを扱ったキャンペーンシナリオ、全5戦(1293-1357)があるほか、東南アジアやインドを舞台にした各種のキャンペーンシナリオで敵役として登場。
参考動画
2025年版
2018年版(DE以前)から、大きくは変わっていない。
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歴史のうんちく
現在のインドネシアを構成する大スンダ列島のうち、西端のスマトラ島では7世紀ころから多くの港市国家を傘下に収めるシュリーヴィジャヤ王国が繁栄していた。室利仏逝とも綴られ、のちの「三仏斉」の主要な構成国でもあった。11世紀、チョーラ朝のラージェンドラ1世の遠征で打撃を受けて衰退したという。この前後の話はドラヴィダやクメールの記事を参照。
13世紀に入るとジャワ島のシンガサリ朝がスマトラを征服。そこへモンゴル帝国のクビライが使者を派遣して入朝を求めたところ、シンガサリ朝のクルタナガラ王はこれを侮辱して追い返してしまった。そのためモンゴル(大元)の遠征軍2万が来襲。クルタナガラ王がクディリ残存勢力の反乱に遭って横死していたため、娘婿であったクルタラジャサ=ジャヤワルダナ(ラデン・ヴィジャヤ・英語版wikipedia)が元軍の力を借りてこれを鎮圧し、更に元軍も追い出してマジャパヒト王国を建国するに至った(1293年)。
キャンペーンシナリオ概説
キャンペーンシナリオの1戦目はまず、このマジャパヒト王国建国譚が扱われる。モンゴルの遠征軍と一時的に同盟してシンガサリやクディリを打倒し、しかる後にモンゴル軍を追い出せば勝利。2戦目は1319年、反乱軍に囚われの身となったジャヤナガラ王(英語版wikipedia)を救出するミッション。ガジャ・マダ(1290頃-1357)はここで禁軍の一将校として初登場。彼は、王の危機を救ったことで地方の知事に抜擢される。なお、開始から10分以内に王を救出するアチーブメントがある。参考: 【AOE2DE】実績について|タケ。ジャヤナガラは後継者なく没したため叔母とその娘が順次、王位を継承していった。1350年に至って、更にその息子であるハヤム・ウルク(英語版wikipedia)が即位する。3戦目ではそれに先立ち、ジャワ島のスンダ王国やスマトラ島のシュリーヴィジャヤ王国(ダルマスラヤ・英語版wikipedia)(ムラユ王国)、マレー半島のテマセク(英語版wikipedia)といった諸国と抗争しつつ、スラウェシ島やカリマンタン(ボルネオ)島への入植者を支援するミッション。1342年~の征服行がモチーフ。あまり準備に手間取っていると、入植者たちが全滅してしまいクリアが難しくなることに注意。4戦目はスラウェシ島北部のトミニ湾が舞台で、北スラウェシに漂着した少数の軍勢をもとに海軍を築き、湾内の海賊や、マカッサル(ゴワ王国・英語版wikipedia)、砲台で防備されたルウ王国(英語版wikipedia)などを打倒していく。最初に高速火炎船アップグレードを優先するのが攻略のポイント。
5戦目は全キャンペーンシナリオの中でも屈指の難易度を誇る「ブバットの悲劇」。ブバットの戦い(英語版wikipedia)がモチーフ。ハヤム・ウルク王は隣国のスンダ王国の王女を后妃として迎えるべく手配し、婚礼のために多くのスンダ王族や貴族らがマジャパヒト王国のブバット広場に到着した。しかしガジャ・マダはこの機にスンダ王国を属国化すべく、王女を側室または婢女として扱おうとした。反発したスンダ王族らは名誉を守るための絶望的な戦いに身を投じることとなった。これがシナリオ開始時の状況である。あれ? ガジャ・マダ悪役になってる? マジャパヒト王国中心部を占拠したスンダ王国の近衛軍を排除するのがミッションの目的で、制限時間あり。ガジャ・マダは遠征先にいるため、マジャパヒト王国に帰還して態勢を整える必要がある。陸路で左方から進むか、海路を迂回して右方に陣地を築くかを選べる。また、インド商人から金と引き換えにシージエレファントを入手可能。制限時間が尽きると、ガジャ・マダは王の糾弾を受けて失脚し敗北となる……のだが、史実でもこの一件を機に彼の信望は地に落ち、早期の引退を余儀なくされたのであった。
この悲劇的な戦いは、何世代にもわたってスンダ人とジャワ人の間に憎悪を残した。スンダ人とジャワ人の結婚は持続不可能であり、夫婦に不幸をもたらすだけだとして禁じられる……という神話まで生じたほど。2018年に至って、東ジャワ、西ジャワ、ジョグジャカルタの3州の知事によりスンダ・ジャワ文化調和のための文化的和解式典が開催され、ようやく過去の遺恨が解消されたのだという。日本で例えると会津と薩長の遺恨みたいなものか。
その後のインドネシア
シュリーヴィジャヤ王国は最終的に1377年に滅ぼされるが、15世紀に入るとマジャパヒト王国も東西で内戦状態に陥る。明の鄭和の遠征艦隊が来航したのもこの頃で、彼は東西マジャパヒト王国の内紛に巻き込まれたとも、正統な王を立てるため介入したともいう。鄭和艦隊の保護下にマラッカ王国が成立すると海洋交易の中心がそちらに移り、マジャパヒト王国の衰退が加速する。15世紀後半にはドゥマク王国などイスラム教の諸王国が台頭。17世紀に入るとオランダ東インド会社が設立され、植民地支配は近代の独立まで継続した。
歴史上のモチーフ
民族の象徴のモチーフであるカラサン寺院は、古マタラム王国時代に建立された。8世紀後半に建立されたヒンドゥー教寺院、プランバナン寺院群の中の一つで、9世紀に入って増拡された。16世紀の大地震で多くが倒壊し忘却されていたが、19-20世紀に発掘・復元作業が進んだという。ジャワ島中部のジョグジャカルタ市の東方に現存する。
カランビットとは歪曲した爪や鎌の様な形状のナイフであり、もともとは稲を植える用の手持ちの刃物、農民の持つ武器、また女性の自衛・自決用に隠し持つ武器などと言われている。
