中高生に町の今と希望を伝えるブックレット「まち大学構想ってなんだ?」を語る|気仙沼まち大学祭'26 in 宮城県気仙沼市
「人から始まる地方創生」を理念に掲げ、とりわけ東日本大震災、学び・対話・協働・共創を生むための仕組みを市内外の様々な人々の手で生み出し、市民が主体となるまちづくりーー「気仙沼まち大学構想」を展開しているのが、宮城県気仙沼市である。
2026年2月8日、そして2月23日、そんな「気仙沼まち大学構想」によって築き上げられたものを体感できるイベント「まち大学祭」が開催された。前半となる2月8日には、チャレンジャーズピッチが行われ、気仙沼市にて挑戦している人々が、その学びの成果を発表している。
後半となる2月23日には、現在気仙沼市を起点に様々な働き方をしている人々を講演者として、どのような働き方が気仙沼市で行われているかを発表するイベントが行われた。
また、「気仙沼まち大学構想」10年の歴史が詰まったブックレットを配布し、気仙沼市内において何が起こっているのかを知られる機会を創出している。今回のnoteでは、ブックレット及びブックレットについて語られたオープンニングイベントの様子を記録する。
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ブックレット「まち大学構想ってなんだ?」について語るオープンニングイベント|気仙沼まち大学祭'26 in 宮城県気仙沼市
「まち大学祭」のオープンニングイベントでは、ブックレットをデザインしたデザイナーの志田 氏と気仙沼まち大学運営協議会チーフコーディネーターの成宮 氏が対談を行った。

『この冊子(ブックレット)は、地元の中高生が手に取ってみて、気仙沼市ってこんなに面白いんだと思って欲しい』
志田 氏と成宮 氏は、今回制作されたブックレットに込められた想いをそう語る。その目的があったからこそ、ただ文章がぎっしりと敷き詰められた冊子にならないように、写真を多く盛り込み、文章間の空間や仕事で飛び交うカタカナ語の用語解説集を入れるなど、工夫が凝らされている。
元々1ページに詰め込まれていた内容を複数ページに分けたり、大幅に文章をカットしたり、フォントにもこだわったようだ。またメッセージとして『高校2年生の君へ』とポップな言葉を利用するなど、誰に何を伝えたいかが分かりやすい内容になるように考慮されている。
対談の中では、ブックレットに収められたTシャツの一覧を見ながら、『マグロのTシャツを皆が着ていた』『浜の応援団が懐かしい』など、思い出話に花が咲くシーンが見られた。加えて、”マイプロバス”の企画が良かった話から、またやりたいといった希望も語られた。
「気仙沼まち大学構想」の木の絵に関する話も行われている。イベントの際に度々用いられる木の絵は、2024年に作られたものだ。それまで、「気仙沼まち大学構想」の下で様々な取り組みが行われていた中で、この木がデザインされたことで、構想が可視化され、イメージできるようになったそうだ。
そして、イメージできるようになったことで、気仙沼まち大学運営協議会として何をするのか、取り組みの優先度は何か、などが分かるようになったと語られた。最後に、今回配布されたブックレットの表紙のデザインについて、志田 氏が解説した。
表紙は、「気仙沼まち大学構想」の木の絵をビジュアライズしたもので、
下が土壌で芽が生え、幹が太くなりーーといった一連の流れを表しているとされる。カラーリングは海の夜明けをイメージし、全体的に柔らかくも鮮やかな洗練されたデザインになっている。
『今後、このブックレットを元に皆と対話していきたい』志田 氏と成宮 氏による対談は、その言葉とともに終幕し、その後の企画への導入となった。

ブックレット「まち大学構想ってなんだ?」の内容を紹介|気仙沼まち大学祭'26 in 宮城県気仙沼市
ブックレット「まち大学構想ってなんだ?」は、以下の内容が編纂されている。
データで見るまち大学構想
まち大学構想のなかにはなにがあるの?
まち大学構想はどうできあがっていったのか
どんなイベントがあるの?
働きカタログ
アイデアがしごとになるまで
KESENNUMA T-SHIRTS ARCHIVE
用語解説
「データで見るまち大学構想」には、ふるさと納税額や移住者数、観光客数などの様々な数値データが記されている。気仙沼市は東北随一のふるさと納税額で知られるが、当初は数億円程度であり、5年で121億円超まで伸びたことが分かる。このように、本項では数字によって気仙沼市の姿を見られるようになっている。
「まち大学構想のなかにはなにがあるの?」では、ぬま大学などまち大学構想の中で取り組まれてきた多種多様な活動が説明付きでまとめられている。気仙沼市では数多くの市民活動/経済団体などによる活動が行われているが、参加していなければ、それが何か分かりにくい。
本項では、「気仙沼まち大学構想」における各取り組みの位置づけを知りつつ、その内容について理解できるようになっており、体系的に各取り組みについて知られるようになっている。読まずに眺めるだけでも、気仙沼市内にこれほどの数の取り組みがあったのかと分かるようにもなっている。
「まち大学構想はどうできあがっていったのか」では、気仙沼市長・菅原 茂 氏と気仙沼まち大学運営協議会会長・菅原 昭彦 氏の対談が記されており、両者によって「まち大学構想」の誕生から現在に至るまでの過程、ターニングポイント、未来への期待などが語られている。
「まち大学構想」とともに、東日本大震災によって大規模な被害を受けた気仙沼市が、どのように復旧・復興の歩みを進めてきたのかを知られる貴重な資料にもなっており、人の面から気仙沼市の災害復興・まちづくりを知られる対談である。
続いて、先述の成宮 氏と気仙沼市総務部長・小野寺 憲一 氏による「気仙沼まち大学運営協議会」設立に関する対談が載せられている。やはり、東日本大震災を経て、気仙沼市がまちづくりにどう臨んできたかの経緯が語られており、ある種気仙沼市の復興記のような内容となっている。
本項では、運営協議会設立時、設立後に生じた葛藤のような内容も伺えることから、地方におけるまちづくり団体設立に伴い生じる課題や悩み、立ち上げから一定の着地を果たす上で必要な考え方などを知られる資料としても魅力的な内容になっている。
「どんなイベントがあるの?」では、気仙沼市内で開催されているイベントの中で、新たに立ち上げられたイベントを中心とした紹介がなされている。「働きカタログ」では、気仙沼市を起点に様々な働き方をしている人々を紹介し、地方の気仙沼市であっても多様な仕事ができる可能性に触れた項となっている。
「アイデアがしごとになるまで」は、気仙沼市において自身のアイデアを事業化した4事例4者(社)について紹介されている。起業・創業というとどうしても東京都などの大都市圏が思い浮かべられるが、地方の気仙沼市であっても、アイデアを事業化している人々がいることが分かる項である。
事業の中には、日本全国、あるいは海外で取り組まれているものもあり、誰に対しても誇れるようなしごとが気仙沼市内でもできる可能性を理解できる。これからの生き方を考える上で、貴重な資料になっている項と言えるのではなかろうか。
「KESENNUMA T-SHIRTS ARCHIVE」は気仙沼市がテーマのTシャツが一覧されており、「用語解説」はいわゆるビジネスの場で用いられるカタカナ語を中心に、耳にするけれど意味が分かり難い言葉の説明がまとめられている。




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