空き家、そして家に向き合う演劇「おうちのじかん」を見ませんか?|泊まれる古本屋山猫堂 in 岩手県陸前高田市 & 宮城県石巻市【PR】
あなたにとって”家”とは何だろうか。生活の拠点、憩いの空間、家族や恋人あるいは友人たちと過ごす場所、はたまた仕事場など、様々な場が想い浮かぶと思われるし、その想像の多くは、何気なく、ありふれていて、日常的なシーンとともに描かれているのではないかと思う。
その家は、かつては賑やかな住宅街だったであろう場所に、ただぽつんと存在していました。
13年の時を経てまだそこにそのままの形で。
庭の木々は荒れていました。玄関先にバイクが倒れていました。
なぜか窓が開いていて、カーテンが風にたなびいでいました。
周りには盛りを過ぎた桜並木がありました。
美と荒涼が隣り合うその場所で、あまりのショックになす術もなく、わたしはただ呆然と「家」と向き合いました。
そうして出来上がったのがこのお話です。
「おうちのじかん」は、一人の人間が”家”と向き合った演劇作品だ。アーティストが岩手県陸前高田市に滞在して、”空き家”にまつわる家・人・ものに触れ、携わり、その成果を発表する「モグAIR2025」。その4番目の成果発表となる。
泊まれる古本屋山猫堂を舞台に、宮城県石巻市出身の俳優・大橋奈央 氏が一人芝居を行う。これを機会に”家”について考えたい人、”家”について知りたい人、空き家に興味・関心のある人、演劇が好きな人。今回しか見られない特別な演目である。ぜひ参加して欲しい。
2025 年度日本郵便年賀寄付金助成事業
モグAIR成果発表公演
「おうちのじかん」
作・演出 アオキミユキ
出演 大橋奈央
衣裳 佐々木青
音楽 雫 伊那
演出スタッフ 本間理子
[日時]
2026年3月19日(木)20日(金・祝)
Day1 3月19日(木):開場19時 開演19時30分
Day2 3月20日(金・祝):開場19時 開演19時30分
[会場]山猫堂
〒029-2203 岩手県陸前高田市竹駒町仲の沢60
*山猫堂の駐車場には限りがあります。複数名でご来場の際は、乗り合ってご来場いただきますようご協力お願い申し上げます。
[料金]
要予約 ワンドリンク付 定員各回20名
一般 前売2500円 当日3000円
学生 一律1000円(小〜大学・専門学生)
*未就学児童入場不可
[申し込み方法]
下記の予約フォームよりお申し込みください。
https://ws.formzu.net/dist/S851974798/
主催:NPO法人高田暮舎・山猫堂
企画制作・フライヤーデザイン:アイエヌワイビーエル
なお本公演は、2026年4月18日に宮城県石巻市で再演される。陸前高田市まで赴くの難しい方は、ぜひこちらを検討して欲しい。
※本番当日の記事は以下です。
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空き家とは”家”なのか?「おうちのじかん」を通じて”家”について考えよう|岩手県陸前高田市
空き家がコンテンツになって久しい昨今だけれども、それでも空き家に実際に入った経験を持つ人々は少ないと思われるし、まして空き家の中にある家財を整理したり、空き家を維持するための管理をしたりした経験を持つ人々となると極めて少ないと思う。
筆者は空き家を所有し、手づから片付け、管理めいた経験がほんのわずかにあるけれど、そうした時間を過ごしながら感じるのは、『空き家とは果たして家なのか?』という問いである。家と称しているのだから家に決まっていると思われるかもしれない。
確かにその通りだろう。しかしながらそれは、構造体としての家、物質としての家というだけで、その意味合いにおいて家というのであれば、原っぱに置かれたプレハブ小屋とて家と呼べるはずだ。もちろん、原っぱに置かれたプレハブ小屋は、法的に家と呼べない。
だから、そういう話をしているわけでない。単なる私見、お気持ち的な話になってしまうけれど、家というのは、恐らく建物だけで成立し得ない概念であるように思える。つまり家は、そこに住まう人間が存在して、初めて家たり得るのだ。だから、空き家はきっと家とは呼べない。そう思う。
昨今、空き家が社会問題化し、空き家バンクなど様々な形で市場に流通するようになったけれど、それはつまり、かつて家だったものが家という名前の商品に変わったと言える。言葉を選ばずに言えば、箱が転売されるようになった話だ。
売買の過程において、空き家はただの箱でしかなく、誰かが購入し、誰かが住むか利用して人々が出入りするようになって、空き家はようやく家として再生される。そう考えれば、空き家を訪れたときに感じられる独特の無機質さ、寂寥感や荒寥感、屋内に漂う空白感も分かろうというものだ。
一方で、誰かが住んでいた事実は揺らがない。ゆえに空き家には随所に記憶が刻まれていて、ある種の物語性を持っている。昨今はリノベーションの名の下にそうした記憶や物語を漂白し、塗り潰してしまいがちだけれど、本来そうした記憶や物語は、残した方が好いように思える。
概念としての”家”は、人間同様に生きた歴史を持った生命体に違いないためだ。リノベーションによって漂白するのは、再生というよりも転生に近い。それはそれで必要なことだろうし、そうしなければ家屋として残せない場合も少ないけれど、やはりどこか寂しさが込み上げるのは拭えない。
さりとて、空き家が”家”として蘇るならば、きっとただの廃材となってこの世を去るよりは好いだろう。それまであった記憶も記録も消えるかもしれないけれど、またゼロから創り上げれば、それはきっと物語になるはずだ。そうも思う。
岩手県陸前高田市の泊まれる古本屋山猫堂が企画し、主催した「モグAIR2025」は、”空き家”に触れ、携わりながら、アート、そして陸前高田市を伝える企画である。空き家がコンテンツ化して久しい昨今ではあるが、空き家そのものについて考える機会は、まだまだ少ない。
一方で、今を生きる我々の多くは、今後必ずと言って良いほどに向き合っていかなければならない存在である。3月19日・3月20日に開催される「おうちのじかん」が、あなたにとって空き家を考えるきっかけになるのを願ってやまない。ぜひ参加して欲しい。
※「モグAIR2025」に関する関連noteは以下の通り
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