雑に生きていては詠めない歌がある ~京極派スペース抄~
「心のままに詞の匂ひゆく」ように歌を詠む――鎌倉・南北朝時代の和歌文脈において異色であったこの歌論を、京極派という和歌グループは選択しました。
その京極派について、X(旧Twitter)にて毎週お話しています。
この記事は、そんな京極派スペースの音声を読み物として整えた京極派スペーステキスト版の一部を抜粋したものです。
2026年3月11日放送スペース「九条左大臣女の「心のままに」」、
4月18日テキスト化した「5年間の花、九条左大臣女」より。
コテンラジオにおける「人文知はなにかの手段ではない」という旨の発信を引きつつ、京極派の歌論「心のままに」の厳しさについてお話した箇所を、今回テキスト版から抜粋しご紹介します。
全文を読みたい方はこちら(テキスト版)
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雑に生きていては詠めない歌がある ~京極派スペース抄~
人でも自然でも出来事でもなんでも、私たち、見ているようでたいして見ていない。雑にしか見ていない。
「こういうものだよね」という常識に沿ってしか見ていない。
このことは本当に自覚したほうがいいと思います。
私は京極派を、人生を豊かにするために勧めるつもりは毛頭ないんですけど、
事実として、結果論として、真剣に京極派をやったら人生は豊かになるんですよ。結果論ね。
「それを目的にやったらいいよ」と言うつもりは全くないんですけどね。
京極派とか和歌とか人文学というのは、なにかの役に立てるために取り組むものではないから。なにかのツールではないから。
「人文学を学び人文知を身につけると稼げるようになる」とかいう姿勢、違うから。
結果的に稼げるようにもなるかもしれないけど、稼げるようになるために人文知を勉強するのは違うからね、本末転倒だからね。
というようなことを株式会社Cotenの深井龍之介さんがコテンラジオの最初の頃に言っていましたし、その後も繰り返し述べています。
私も完全に同意します。
京極派は、雑に生きていると一生成功しない歌論です。
心のままに詞が匂うように歌を詠むという歌論なので、
雑に生きている人の心を、心のままに詞にし歌にしたところで、それは雑なまま。
そんな生易しい歌論ではないんですよ。
「京極派スペース抄」は以上です。ありがとうございました。
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