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北海道の旅#23|湖畔の露天風呂に入り、車内で仕事をする。これがやりたかった北海道でのワーケーション

釧路湿原の朝霧から始まり、屈斜路湖の露天風呂をめぐった一日。

コタン温泉、和琴温泉、池の湯温泉、そして阿寒湖へ。

温泉と自然と仕事が混ざる、北海道車中泊ノマド旅の記録である。

前回の話はこちらです。

このシリーズのまとめ記事はこちらになります。
関西から北海道へ通い、車中泊で北海道ワーケーションを実践中の記録。
北海道の旅日記2024



霧の釧路湿原の朝

2024年6月16日。

北海道車中泊旅の5日目は、達古武キャンプ場の朝から始まった。

朝5時半に起きると、あたりは濃い霧に包まれていた。

けもの道を歩く

この日は、釧路湿原を見渡せる夢ヶ丘展望台へ向かった。

キャンプ場から続く遊歩道を歩き、朝6時には森の中へ入る。

倒木に遮られる。

片道約2.4キロ。
所要時間は片道45分ほど。

早朝の湿原の空気は、少し張りつめている。
鳥の声、湿った木道、霧の気配。

いかにも北海道の自然の中を歩いているという感じがする。

原始の森

最後の200メートルは、なかなかの登りだった。

「展望台」という名前に、こちらは勝手にロマンを乗せてしまう。

しかし、現実はなかなか手厳しい。

到着してみると、景色はほぼ霧の中。

きり!

釧路湿原の絶景を見に行ったのに、見えたのは白い世界だった。

絶景は見えなかったが、朝からしっかり歩いたので、運動不足解消にはなった。

旅先での運動は、だいたい後付けで正当化される。

「いや、これは観光ではなく健康管理です」と言いながら、息を切らしていた。

釧路湿原から屈斜路湖へ

夢ヶ丘展望台をあとにして、車は屈斜路湖方面へ向かった。

道中の湿原は、どこかサファリのようだった。
広い。とにかく広い。

放牧されている牛。

標茶でガソリンを入れ、道の駅摩周温泉で少し休憩。

そこから屈斜路湖の湖畔へ向かう。

この日の目的は、屈斜路湖まわりの露天風呂めぐりだった。

コタン温泉。
和琴温泉。
池の湯温泉。

名前を並べるだけで、すでに体が少しゆるむ。

湖畔に湧く露天風呂はかなり魅力的である。
しかも、北海道の大自然の中にある。

これはもう、入るしかない。

コタン温泉で、湖と湯に溶ける

10時24分、コタン温泉に到着した。

不思議なことに、到着したタイミングで霧が少し晴れてきた。
さっきまで展望台では何も見せてくれなかったのに、温泉ではちゃんと演出してくる。

コタン温泉露天風呂は、屈斜路湖の湖畔にある無料の露天風呂だ。

湯船のすぐ向こうに湖が広がっている。

脱衣所は簡素。設備も豪華ではない。

脱衣所があるだけでもありがたい。

でも、ここではそれでいい。

むしろ、余計なものがないからこそ、湖と温泉の距離が近い。

湯に浸かると、屈斜路湖の景色がそのまま体に入ってくるようだった。

先客には、30年ぶりにこの温泉へ来たというライダーがいた。

北海道の旅話を聞かせてもらいながら、湯に浸かる。

こういう時間が、車中泊旅の面白さだと思う。

アイヌ民族資料館で、土地の記憶に触れる

温泉で身体を温めたあと、コタンのアイヌ民族資料館へ向かった。

コタンアイヌ資料館。

屈斜路湖の旅は、ただ景色を眺めるだけでは終わらない。

この土地には、この土地の歴史と文化がある。

資料館の建物は、外観からして印象的だった。

前衛的で、どこか異世界感のある柱。

館内では、アイヌの暮らしや信仰、儀礼に関する展示を見ることができた。

特に、熊の魂を神々の世界へ送る儀式に関する映像は、強く印象に残った。

旅をしていると、つい「景色がきれいだった」「温泉がよかった」で終わらせてしまいがちだ。

でも、その土地には、そこに生きてきた人たちの時間がある。

北海道という場所も、ただ広くて美しいだけではない。

自然、暮らし、信仰、歴史。
その重なりの上に、今の旅人としての自分が立っている。

和琴温泉は、熱かった

次に向かったのは、和琴半島。

キャンプ場があり、観光客も多く、屈斜路湖畔らしいにぎわいがあった。

駐車場から少し歩くと、湖畔に露天風呂がある。

景色はいい。雰囲気もいい。目の前には屈斜路湖。ただし、湯が熱い。

湯があつい!

かなり熱い。

入ってみたものの、1分ほどでギブアップした。

温泉に入るというより、軽く修行に近い。

「自然と一体になる」とは、こういうことなのかもしれない。

自然側の設定温度が、少し強気だった。

それでも、湖畔の露天風呂としての雰囲気は素晴らしい。

長く浸かれなくても、記憶にはしっかり残る。

じゃがいも団子と、大鵬の話

温泉のあとは、地元のお土産屋さんでじゃがいも団子を買った。

これが、もちもちしていてうまい。

もちもち

北海道のじゃがいも。
素材が強いので、団子になっても存在感がある。

店主さんからは、弟子屈出身の大横綱、大鵬の話も聞いた。

子どもの頃に一緒に遊んだことがあるそうだ。

旅先でこういう話を聞くと、地名が急に立体的になる。

地図の上では「弟子屈町」。

でも、そこに人の記憶が重なると、場所が少し違って見えてくる。

じゃがいも団子を食べながら、大鵬の少年時代の話を聞く。

池の湯温泉で、やりたかった車内ノマドワーク

その後、池の湯温泉へ向かった。

池の湯

ここは、湖畔に広がる大きな露天風呂で、名前の通り池のような雰囲気がある。

湯温はややぬるめ。

和琴温泉が熱かったので、余計にぬるく感じたのかもしれない。

湯船の周辺には藻があり、足元は少し滑りやすい。

こういう場所では、観光気分だけでなく、少し慎重さも必要だ。

温泉から上がったあと、車内で仕事をした。

目の前には湖畔。

近くでは海外から来た家族連れが、水辺で楽しんでいる。

自分は車の中でパソコンを開き、リモートワークをする。

したかったイメージ。

このギャップが、なんともおかしい。

片方の自分は、完全に旅人。
もう片方の自分は、普通に仕事の返信をしている。

でも、これがやりたかったのだと思った。

動く部屋。動く事務所。
温泉に入り、湖を見て、そのまま車内で働く。

北海道で車中泊をしながらノマドワークをするというのは、単に「旅費を抑える」という話だけではない。

仕事と旅の境目を、自分で少しずつ引き直していくことなのだと思う。

キタキツネも登場。

オフィスの窓から見る景色が、湖になる日があってもいい。

昼休みが、露天風呂になる日があってもいい。

もちろん、毎日そんなふうにはいかない。

メールも来るし、返信も必要だし、砂利道で車がスタックしかけることもある。

実際、帰り際には駐車場の砂利道で車がスタックし、あわてて4WDに切り替えて脱出した。

ノマドワークは、けっこう泥くさい。

でも、その泥くささも含めて、面白い。

阿寒湖の天空ガーデンスパへ

屈斜路湖の温泉めぐりのあとは、阿寒湖へ向かった。

ニュー阿寒ホテルの日帰り温泉に入り、天空ガーデンスパを楽しむ。

ニュー阿寒ホテルのロビー。

ここから見る阿寒湖の景色は、かなり美しかった。

それまでの野趣あふれる露天風呂とは違い、こちらは一気にリゾート感がある。

自然そのものに浸かる温泉。
ホテルの設備として整えられた温泉。

どちらがいいという話ではない。

どちらも、北海道の旅には必要な時間だった。

露天風呂でワイルドにゆるみ、ホテルスパで少し整う。
なかなか贅沢な一日である。

しかも、日帰りで利用できるのはありがたい。
車中泊旅をしていると、こういう温泉施設の存在が本当に助かる。

車中泊をしていると、温泉は単なる観光ではなく、生活インフラでもある。

帯広へ戻る道

夕方、阿寒湖を出発し、足寄、本別、池田を通って帯広へ戻った。

途中、道の駅ステラほんべつにも立ち寄った。
かつての本別駅跡地に作られた道の駅で、鉄道の名残を感じられる場所である。

道の駅本別

北海道を走っていると、こうした廃線跡や駅跡に出会うことが多い。

広い土地をつないでいた鉄道。
その役割が変わり、今は道の駅や地域の拠点として残っている。

車で旅をしている自分が、かつて鉄道が担っていた移動の記憶に触れる。
これもまた、北海道の旅らしい時間だった。

夜には帯広の拠点へ戻った。

ダイイチで惣菜や肉を買い、洗濯物を取り込み、部屋の湿気対策をする。

届いていた除湿機が初期不良で動かず、返品手続きも始める。

旅の終わりは、急に生活に戻る。

最後は除湿機の返品手続きである。


ただ、自分の車があり、温泉があり、仕事ができる場所があり、北海道の湖が目の前にある。

それだけで、かなり自由だった。

そしてその自由は、少しだけ砂利道でスタックする。

そこまで含めて、なかなか悪くない一日だった。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

次の話はこちらです。

書いている人はこちらです。
関西から北海道へ通いながら、車中泊で北海道ワーケーションを実践しています。


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