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北海道の旅#46|岩尾別温泉 地の涯から網走の夜へ。道の駅流氷街道網走で車中泊

知床五湖を歩いたあとは、岩尾別温泉へ向かった。

この日の旅は、朝の納沙布岬から始まり、厚岸、羅臼、知床峠、知床五湖と、かなり欲張った一日だった。

本来なら、知床五湖を歩いたところで「今日はもう十分」と言ってもいい。

しかし、北海道の旅では、地図を見ているうちに感覚が少しおかしくなる。

「せっかくここまで来たし」

この言葉は便利だ。

そして危険だ。

せっかく知床まで来たなら、岩尾別温泉にも入りたい。

せっかく温泉に入ったなら、網走まで走りたい。

せっかく網走まで行くなら、地元の居酒屋にも行きたい。

こうして、旅の予定はどんどん膨らんでいく。

この日は、そんな「せっかく」の積み重ねで、岩尾別温泉から網走の夜へ向かう一日になった。

前回の話はこちらです。

このシリーズのまとめ記事はこちらになります。
関西から北海道へ通いながら、車中泊で北海道ワーケーションを実践している記録です。
北海道の旅日記2024




知床五湖のあと、岩尾別温泉「地の涯」へ

2024年10月9日

知床五湖の高架木道を歩いたあと、14時43分ごろに岩尾別温泉へ向かった。

目的地は「地の涯旅館」。

名前からして、もう旅情がある。

「地の涯」。

読み方は「ちのはて」。

この名前だけで、旅人の心を少しつかんでくる。

温泉の名前というより、冒険の最終章みたいである。

ハイゼットカーゴのシロを走らせ、知床の山奥へ入っていく。

道中には川が流れ、木々が迫り、だんだん人の気配が少なくなっていく。

知床らしい濃い自然の中を進む感じがある。

このあたりまで来ると、こちらが観光に来ているというより、自然の中に少しだけ入らせてもらっている感覚になる。

途中、鹿の姿も見えた。

車を走らせているだけで、知床に来たことを実感する。

関西の道ではなかなかこうはいかない。

こちらで鹿に出会うと、まず「危ない」が先に来る。

知床では「お邪魔しています」という気持ちになる。

もちろん、車の運転ではどちらにしても注意が必要である。

岩尾別温泉 地の涯で日帰り入浴

岩尾別温泉「地の涯旅館」に到着。

この日は日帰り入浴で利用した。

料金は1300円。

タオルの貸し出しはないので、持参が必要だった。

シャンプーやソープ、髭剃りは用意されていた。

旅先の温泉では、このあたりの情報が地味に大事である。

絶景より先に、タオルがあるかどうか。

これが現実の車中泊旅である。

温泉に入ると、ここまでの移動と歩きの疲れが、じわっとほどけていく。

朝は根室の明治公園で目を覚まし、納沙布岬で朝日を見た。

厚岸では牡蠣の誘惑に耐え、知床峠を越え、知床五湖を歩いた。

そして今、知床の山奥の温泉に浸かっている。

一日の中で、景色が変わりすぎている。

北海道、展開が早い。

いや、走っている自分が詰め込みすぎているだけかもしれない。

でも、温泉に入っている間は、そんな反省も少し遠くなる。

湯に浸かると、体の力が抜ける。

車中泊旅で温泉が大事なのは、汗を流すためだけではない。

移動続きで少しせわしなくなった気持ちを、一度リセットしてくれる。

温泉は、旅の句読点みたいなものだと思う。

知床の夕暮れ。海岸線のマジックアワー

岩尾別温泉を出たあとは、再び車を走らせた。

夕方の知床の海岸線は、かなりきれいだった。

夫婦岩のあたりに沈む夕日。

海沿いの道。

空の色が少しずつ変わっていく時間。

朝は納沙布岬で日の出を見て、夕方は知床方面で夕日を見る。

考えてみると、なかなか贅沢な一日である。

太陽の始まりと終わりを、北海道の東側で追いかけているような感覚になる。

ハイゼットカーゴのシロと夕暮れの景色もよく似合う。

車中泊旅では、車が単なる移動手段ではなく、旅の相棒になる。

写真を撮るときも、つい車を入れたくなる。

「よく走ってくれてるな」

そんな気持ちになる。

特にこの日は、根室から知床、そして網走へ向かう長い移動。

シロが元気に走ってくれるから、こういう旅ができる。

人間の体力より、車の機嫌のほうが大事な時もある。

道の駅はなやか小清水で小休憩

17時39分ごろ、道の駅はなやか小清水で休憩。

知床から網走方面へ向かう途中に立ち寄った。

北海道の道の駅は、休憩だけでもありがたい存在である。

トイレに寄る。少し車を停める。外の空気を吸う。

それだけで、長距離運転の疲れが少し軽くなる。

車中泊旅をしていると、道の駅への感謝が深くなる。

観光施設というより、旅のセーブポイントである。

ここでいったんリセットして、さらに網走へ向かう。

18時10分ごろ、網走で給油。

140km走って、9リットルを入れた。

北海道の旅では、給油の記録もひとつの旅日記になる。

どこからどこまで走ったか。どれくらい燃料を使ったか。

その数字を見ると、北海道の広さをあらためて感じる。

道の駅流氷街道網走に到着

18時16分、道の駅流氷街道網走に到着。

この日は、ここで車中泊することにした。

網走川の河口近くにある道の駅で、網走の街にも歩いて行きやすい。

車中泊旅では、この「歩いて飲みに行ける距離」がかなり重要である。

せっかく網走まで来たのだから、夜は地元の店で食べたい。

ただ、車で行くわけにはいかない。

飲む気がある日は、歩ける距離が正義である。

道の駅に車を停め、身支度を整えて、網走の夜へ向かう。

この瞬間が好きだ。

昼間はずっと運転していた旅人が、夜は徒歩の人になる。

ハイゼットカーゴのシロには少し休んでもらい、自分は網走の街へ出る。

網走の郷土料理店「蒸気船」へ

道の駅から15分ほど歩いて、郷土料理の店「蒸気船」へ向かった。

18時40分ごろ入店。

まずはサッポロクラシックビール。

北海道の夜に飲むサッポロクラシックは、やはり気分がいい。

一日の移動をねぎらう一杯である。

突き出しをつまみながら、ようやく今日が少し落ち着いた感じがした。

朝から動き続けていると、座ってビールを飲むだけで、旅が一区切りつく。

注文したのは、網走湖産シラウオの天ぷら、刺身盛り合わせ、そして「めふん」。

めふんは、鮭の腎臓を使った塩辛のような珍味。

初めて食べる料理だった。


しらうおの天ぷら

旅先では、知らないものを食べるのが楽しい。

もちろん、少し勇気がいる時もある。

でも、知らない味に出会えるのは、その土地に来たからこそだ。

網走湖産のシラウオ。

地元の魚の刺身。

そして、めふん。

こういう料理を食べていると、網走に来た感じがする。

北海道の旅は、景色だけでなく、食べ物で土地の輪郭が見えてくる。

二軒目は網走の「おふくろさん」

19時半ごろ、二軒目へ。

向かったのは「おふくろさん」。

のれんには店名がなく、よく見ると街灯のところに看板がある。

知らなければ通り過ぎてしまいそうな店である。

こういう店は、入る前に少し緊張する。

でも、旅先ではこの緊張も楽しい。

入ってみると、そこには地元の夜の空気があった。

元「割烹こんの」のマスターが営む店とのことで、味は間違いない。

しかも、かなり安い。

旅先でこういう店に出会えると、うれしくなる。

注文したのは、イカとカレイの煮物、アジの刺身、焼酎のお湯割り。

長距離を走って、温泉に入って、網走まで来て、地元の店で煮物と刺身を食べる。

これはかなりいい夜である。

店では、地元の常連さんとの会話も少し楽しんだ。

旅先の居酒屋では、ほどよい距離感が大事だと思う。

楽しくなりすぎると、つい話しすぎる。

しかし、こちらは旅人。

その土地の日常に、少しだけ混ぜてもらうくらいがちょうどいい。

焼酎のお湯割りを3杯飲んで、20時半ごろ店を出た。

大人の判断である。

たぶん。

セブンイレブンで翌朝の準備

店を出たあとは、セブンイレブンへ。

翌日の朝食と夜食を調達する。

旅先の夜のコンビニは頼もしい。

地元の居酒屋でしっかり飲んだあとでも、翌朝のことを考えて買い物をする。

このあたりに、車中泊旅の現実がある。

旅情と生活感が同じ袋に入る。

刺身と焼酎の余韻を抱えながら、明日の朝ごはんを買う。

なんとも自分らしい。

道の駅流氷街道網走に戻ると、あとは車内で寝るだけ。

この日はかなり走った。

かなり見た。かなり食べた。そして、少し飲んだ。

いや、少しではないかもしれない。

知床五湖を歩いたあと、岩尾別温泉 地の涯で日帰り入浴。

知床の夕暮れを見ながら海岸線を走り、道の駅はなやか小清水で休憩。

網走に入り、道の駅流氷街道網走に車を停める。

そして、地元の店で網走湖産シラウオ、刺身、めふん、煮物、焼酎のお湯割り。

観光地をめぐるだけではなく、温泉に入り、街を歩き、地元の店で夜を過ごす。

自分にとっての北海道旅は、こういう時間があるから楽しい。

車中泊旅とノマドワークは、ただ移動するだけではない。

車で走る時間。温泉でほどける時間。道の駅で眠る時間。

そして、知らない街の居酒屋で少しだけ土地の日常に触れる時間。

その全部が、旅になっていく。

道の駅流氷街道網走の車内で、明日の予定をぼんやり考える。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

次回の話はこちらです。

書いている人はこちらです。
関西から北海道へ通いながら、車中泊で北海道ワーケーションを実践しています。




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