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北海道の旅#39|忠類ナウマンゾウと晩成温泉。そして海岸で自然に叱られた日

2024年8月11日
朝、雨音で目が覚めた。

この日は忠類から晩成温泉へ向かう予定だった。

前日に帯広百年記念館で晩成社の歴史に触れたこともあり、晩成温泉には一度行ってみたいと思っていた。

ただ、この日の北海道はなかなか手強かった。

癒されるつもりで出かけたのに、途中で自然にしっかり叱られる一日になった。

前回の話はこちらです。

このシリーズのまとめ記事はこちらになります。
関西から北海道へ通い、車中泊で北海道ワーケーションを実践中の記録。
北海道の旅日記2024



道の駅忠類でナウマンゾウに会う

まず向かったのは道の駅忠類。

ここはナウマンゾウの町らしく、道の駅にも大きな親子のナウマンゾウがいる。

小雨の中で見るナウマンゾウは、どこか静かで頼もしい。

売店では、いももちとゆり根あんぱんを購入。

忠類らしい名物に出会えるのが楽しい。

旅先の道の駅は、ただ休憩する場所ではない。

その町の入口みたいな場所だ。

ナウマンゾウ、ゆり根、大樹町の宇宙、広尾町のサンタランド。

少し立ち寄っただけで、十勝のいろんな顔が見えてくる。

シーニックカフェちゅうるいで雨を楽しむ

道の駅から少し走って、シーニックカフェちゅうるいへ。

丘の上にある小さなカフェで、晴れていれば日高山脈や牧場を見渡せる場所だ。

この日は雨。

正直、景色は万全ではなかった。

それでもここは良かった。

訪れていたのは自分ひとり。

ボランティアスタッフの方々が温かく迎えてくれ、コーヒーをいただきながら話が弾んだ。

「8月に入ってから雨が多い気がしますね」

そんな話をすると、地元の方が教えてくれた。

「蝦夷梅雨だな」

蝦夷梅雨。

なんとも北海道らしい言葉である。

雨に濡れた牧草地を眺めながら、その言葉を聞くと、不思議と天気の悪さまで旅の一部に思えてくる。

旅は晴れの日だけではない。

雨だからこそ出会える景色や会話もある。

コーヒーを3杯もいただきながら、そんなことを思った。

晩成温泉で太平洋を眺める

次に向かったのは晩成温泉。

世界でも珍しいヨード泉として知られる温泉だ。

湯に浸かると、体の芯まで温まる。

そして目の前には太平洋。

水平線を眺めながら温泉に入る時間は、かなり贅沢だった。

昨日見た帯広開拓の歴史が、ここで少しつながる。

晩成社の人たちがこの土地を切り開いた。

その名前を受け継ぐ温泉に浸かっている。

ただの温泉ではなく、歴史の上にある温泉のように感じた。

湯上がりにはチーズサーモン丼。

サーモンにチーズ。

最初は少し不思議な組み合わせに思えたが、食べてみるとこれが合う。

温泉で温まり、腹も満たされる。

ここまではかなり平和な旅だった。

ホロカヤントー竪穴住居で太古の暮らしを想う

晩成温泉のあとは、ホロカヤントー竪穴群復元竪穴住居へ。

雨の中、復元された竪穴住居を見学した。

約1000年前の擦文文化の住居をもとに復元されたものらしい。

目の前には荒れた海。

背後には竪穴住居。

その場に立つと、昔の人がこの海辺でどう暮らしていたのかを想像してしまう。

北海道の旅は、自然だけではなく歴史も深い。

ナウマンゾウの時代から、擦文文化、開拓の時代、そして今の暮らしへ。

一日でずいぶん長い時間を旅している気分になった。

十勝のグランドキャニオンで危機一髪

ここからが問題だった。

Google Mapsを見ると、海岸沿いを歩けば十勝のグランドキャニオンへ行けそうに見えた。

「歩いて行けるやん」

この判断が甘かった。

雨の中、砂浜を歩き始める。

最初はまだ余裕があった。

しかし、海はどんどん荒れてくる。

風が強くなり、波が近づいてくる。

気づけば砂浜の幅がどんどん狭くなっていた。

「これ、ちょっとまずいんちゃうか」

そう思った時には、すでに膝あたりまで波が来ていた。

潮が引く瞬間を見計らって少し進む。

また波が来る。立ち止まる。また進む。

完全に観光ではない。自然との交渉である。

最後はほとんど逃げるようにして出発地点へ戻った。

ヘソから下はびしょ濡れ。

靴も服も砂まみれ。

十勝のグランドキャニオンを見に行ったつもりが、北海道の海に説教されて帰ってきた。

自然をなめたらあかん。

この日の教訓である。

さらにジャングルへ迷い込む

その後、旭浜のトーチカ群も見に行こうとした。

これもまたGoogle Mapsを頼りに進んだのがよくなかった。

道はだんだん細くなり、舗装路から砂利道へ。

さらに土道へ。

そして最後は、ほぼ草の中。

車の両側を枝がこすり、ボンネットに草が覆いかぶさってくる。

「これ、ほんまに道なん?」

声に出してしまうほど不安になった。

Uターンする場所もない。

進むしかない。

わずか15分ほどだったと思うが、体感では1時間くらいあった。

なんとか脱出できた時には、本気でほっとした。

この日2回目の反省。

怪しい道には、入る前に確認すること。

北海道の道は広い。

でも、全部が優しいわけではない。

ナウマン象発掘跡地で静けさに戻る

帰り道、ナウマン象発掘跡地に立ち寄った。

周囲には誰もいない。

雨上がりの静かな空気の中に、発掘跡地の看板や足跡が残されている。

ここで何万年も前にナウマンゾウが歩いていたのかと思うと、不思議な気持ちになる。

朝に道の駅忠類でナウマンゾウを見て、最後に発掘跡地に立つ。

一日の流れとしては、なかなかきれいだった。

ただし、途中で海とジャングルにしっかり怒られている。

帯広に戻って晩酌

夕方、帯広の拠点に戻った。

走行距離は195キロ。

距離以上に濃い一日だった。

ダイイチで買い物をして、部屋で晩酌。

エノキの豆乳シュレッド焼き。

こんにゃくステーキ。

そしてオム焼きそば。

「今日は控えめに」と思っていたはずなのに、気がつけばしっかり食べていた。

まあ、あれだけ海岸で消耗したのだから仕方ない。

たぶん。

この日は、北海道の優しさと怖さの両方を味わった。

シーニックカフェの温かいコーヒー。

晩成温泉の水平線。

ナウマンゾウの静かなロマン。

そして、満潮の海岸と細すぎる道。

旅はいつも予定通りにはいかない。

でも、無事に帰ってきてビールを飲めるなら、それもまた良い一日だったと言えるのかもしれない。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

時間の話はこちらです。

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関西から北海道へ通いながら、車中泊で北海道ワーケーションを実践しています。


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