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中国・四国横断の旅#5|出雲へ向かう道で、庭と神社と夕陽に出会う

中国・四国横断の旅 2024年9月16日

山陰旅2日目は、出雲大社へ向かう途中で足立美術館と熊野大社に立ち寄る、予定外から始まる一日。出雲そばを食べ、出雲大社で縁を考え、三瓶山ではリフトから虹を見る。最後は宍道湖の夕陽とのどぐろ料理で、計画と偶然が重なった出雲の夜になった。

前回の話はこちらになります。

このシリーズのまとめ記事はこちらになります。
中国・四国横断の旅



足立美術館に吸い込まれる

2024年9月16日
山陰の旅、2日目。

鳥取のホテルで朝を迎えた。
シャワーを浴び、朝食を済ませ、7時半にホテルを出る。

この日の目的地は出雲大社だった。

ただ、旅はいつも予定通りには進まない。
むしろ、予定にないものが入ってきた時の方が、あとから強く残ることがある。

出雲大社へ向かう途中、足立美術館の文字が目に入った。

急ぐ旅ではない。
一度も行ったことがなかったので、寄ってみることにした。

これが、かなりよかった。

足立美術館の庭園は、ただの庭というより、ひとつの作品だった。
枯山水も、池も、遠くの山も、すべてが計算されている。

「庭は生きた絵画」

その言葉が、見ているうちに自然と腑に落ちる。

美術館をつくった足立全康氏は、実業家として成功したあと、71歳でこの美術館を開いたという。

金を儲ける。
社会に返す。
そして、自分の道楽を形にする。

それが一つの場所として残っている。
そう考えると、足立美術館は美術館であると同時に、ひとりの人生の到達点のようにも見えた。

熊野大社の静けさ

次に向かったのは、熊野大社。

出雲大社へ行く道中、案内板を見つけて立ち寄った。

静かな時間が流れる熊野大社

境内は静かだった。
参拝者は数組ほど。

出雲大社の賑わいを想像していたこともあり、この静けさが少し意外だった。

しかし、これはこれでいい。

人が多い神社には、人が集まる理由がある。
一方で、人が少ない神社には、静けさそのものの良さがある。

杉の木が風に揺れる音を聞きながら歩いていると、観光地というより、古い時間の中に入っていくような気がした。

出雲には、にぎやかな神話だけでなく、こういう静かな神話の気配もあるのだと思う。

出雲そばを食べてから、出雲大社へ

13時ごろ、出雲大社の駐車場に到着した。

まずは昼食である。

周辺の店は混んでいたが、なんとか「菊次郎」という店に入ることができた。

注文したのは、三色割子そば。

三者三様の味わいを楽しむ

磯のりおろし、卵、なめ茸とろろ。
三段のそばを順番に食べていく。

出雲そばは、旅先で食べるにはちょうどいい。
重すぎず、でも土地の味がある。

腹ごしらえをしてから、出雲大社へ向かった。

出雲大社で、縁を考える

出雲大社は、やはり大きかった。

やってきました出雲神社

ムスビの御神像の前に立つと、自然と足が止まる。
縁結びという言葉はよく聞くが、ここでいう縁は、男女の縁だけではないのだろう。

一瞬で物語性を感じます

人との縁。
土地との縁。
仕事との縁。
旅先で偶然出会うものとの縁。

そう考えると、この日もすでにいくつもの縁でできていた。

予定になかった足立美術館。
道中で立ち寄った熊野大社。
混雑の中で入れたそば屋。

旅は、計画と偶然のあいだでできている。

大しめ縄の迫力も印象に残った。
観光地として有名な場所ではあるが、実際に見ると、やはり写真とは違う重さがある。

三瓶山のリフトで虹を見る

午後は三瓶山へ向かった。

観光リフトに乗ると、足元に緑が広がっていく。
高度が上がるにつれて、景色が少しずつ開けていく。

そして、遠くに虹が見えた。

実際はもっとくっきり

リフトに揺られながら見る虹は、なかなか贅沢だった。
特別な演出があるわけではない。
ただ、山と空と光が、ちょうどそのタイミングで重なっただけである。

でも旅の記憶に残るのは、案外そういう場面だ。

どこかに予約していたわけでもない。
誰かに用意されたわけでもない。
たまたま見えた虹が、その日の景色を決定づけることがある。

宍道湖の夕陽へ急ぐ

夕方、宍道湖の夕陽スポット「とるぱ」を目指した。

ところが、到着してみると駐車場は満員に近い。
そこで無理に待つのではなく、別の場所へ移動することにした。

この判断がよかった。

南側の駐車場に向かうと、残り2台分ほどのスペースがあり、なんとか車を停めることができた。

車を降りて湖の方へ向かう。

目の前には、黄金色に輝く宍道湖が広がっていた。

夕陽が湖面に反射し、波がゆっくり光をほどいていく。
一日の疲れが、そこで少し抜けた気がした。

満員の場所をあきらめたからこそ、別の景色に出会えた。
旅には、そういう小さな分岐がある。

出雲の夜は、のどぐろで締める

19時、ドーミーイン出雲にチェックイン。

夜は、友人の行きつけだと聞いていた「キッチンさくら」に行ってみようと思っていた。

島根に来ることを友人に言わず、あとで「行ってきたで」と驚かせるつもりだった。

しかし、店は閉まっていた。

サプライズは失敗である。

まあ、旅にはこういうこともある。
予定していた店に入れなかった分、別の店を探す。

その後、「のどぐろ日本海」へ入った。

ビールから始まり、日本酒の飲み比べ。
刺身盛り合わせ、島根県産黒毛和牛のタタキ、赤てん、黒てん。
そして、のどぐろの茶漬け、あら煮、味噌汁。

日本酒の飲み比べ
刺身盛り合わせ
島根県産黒毛和牛のタタキ
赤てん、黒てん
のどぐろの茶漬け
あら煮

のどぐろ尽くしである。

昼は出雲そば。
夕方は宍道湖の夕陽。
夜はのどぐろと日本酒。

出雲の夜として、かなりいい着地だった。

予定外が、その日の芯になる

この日を振り返ると、最初の目的は出雲大社だった。

でも、実際に心に残っているのは、それだけではない。

予定になかった足立美術館。
静かな熊野大社。
三瓶山の虹。
駐車場を変えた先で見た宍道湖の夕陽。
閉まっていた店と、その代わりに入ったのどぐろの店。

旅は、目的地だけでできていない。

むしろ、目的地へ向かう途中に入ってくるものが、その日の厚みをつくる。

山陰の旅、2日目。
出雲へ向かう道で、庭と神社と夕陽に出会った一日だった。



ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回はこちらです。

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